2015年2月1日発売の「どこでもスイーツ缶・チーズケーキ」
読者諸賢よ!
今年最後の記事は取材もので締めくくりたい。愛知県豊川市にあるトーアスにお邪魔してきたのだ。
ここで作られているチーズケーキの缶詰が、すごいのである。
缶の中に、チーズケーキの生地を入れてフタを締め、密封してから缶ごと加熱して、焼き上げるのだそうな。
つまりはベイクドチーズケーキということになる。
恐らく世界初となるこの製造方法は、一体どんなものか。
見たい。見たいが、もし秘密の工程ばかりだと、きっと見せてくれないだろう。
恐る恐る取材をお願いすると
「いいですよ。どうぞどうぞ」
あっさり許可が出た。予想外の対応である。
(しめしめ。相手の気が変わらぬうちに...)
と、早朝の新幹線ひかりに飛び乗ったのだった。
トーアス本社と、本社工場
ここがチーズケーキ缶の製造現場だ!
原料のチーズや小麦粉、鶏卵などを配合してるところ
上記をミキサーで混ぜ合わせる
少量ずつ混ぜ合わせるので、途中で何度か材料を追加する
やがて、とろとろの生地が出来上がる
それを頭上にある箱へ入れて(手作業であった)
缶へ注入! ホントに生地から作ってたのだなァ
フタをはめ、中の空気を抜きつつ、巻締めて密封
このあたり一帯は洋菓子店のような甘い匂いがしているのだった
密封された缶は一度、熱湯できれいに洗う
かごに並べ入れて...
レトルト殺菌釜へ投入。120℃近い温度で加熱する
であるからして、フタの裏側には香ばしい焦げ目が...
こうして出来上がるのが、世界初のチーズケーキの缶詰であります。
お味はこってり濃厚で、かつ、レモン果汁の爽やかな風味もあり、実にウマい。
それにしても、なぜこんな凝ったものを作ろうと思ったのか。
販売会社であるトーヨーフーズのS川氏にお聞きすると、
「災害時にスイーツがあれば、きっと心が潤うはず」
との一心で開発したそうだ。
災害時に役立てるのであれば、パッケージは丈夫で長持ちする缶詰でなければならぬ。
長期保存しても、食感は滑らかなまま保たれなければならぬ。
味は、万人に好まれるよう甘さと酸味のバランスがとれたものがいい。
そんな目標を立てて開発に臨んだが、当初は焼け具合にムラが生じるなど、かなり苦心されたそうだ。
このチーズケーキは「どこでもスイーツ缶」というシリーズで売り出されている。
チーズケーキのほか「西尾抹茶のチーズケーキ」と「ガトーショコラ」もある(トーヨーフーズの直販サイトで購入可)。
同社はこれまで、生協や大手メーカーのOEM製造を担ってきたが、この「どこでもスイーツ缶」は初の自社ブランド缶詰になる。
S川氏によれば、
「これからも唯一無二の缶詰を作っていきたい」
とのことである。今後も楽しみではないか。