缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

牛肉すきやき

2005-11-28 18:16:05 | 総菜

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 先日、とある立ち飲み屋でのこと。女将がこんなことを言うのである。
「こないだ今半行ったけどね、ありゃあ若い人にはいいかもしんないけど、あたしには合わないね。脂っこくてさ。それにタレが辛いよ。あそこは不味いもんさ」
 ひい。あの、各界要人著名人御用達の今半さんを不味いとは。
 しかしここの女将さんは、物事をはっきりという好人物なのであった。「自分の好みには合わないよ」とのたまうのだ。
「それなら私にはどう感じられるだらふ?」これが真っ先に思い浮かんだことである。
 私は、今半でお食事をしたことがないのである。かねがね、何かの間違いでもいいから「呼ばれないかな」と願っているのである。

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 しかし行けるはずもなく(今半さんは超高級料理屋さんです)、私は孤影悄然と缶詰さんを開けたのである。
 さあ、かくのごとし。明治屋さんだからお上品な味付けかと思いきや、これがかなりしっかりとした味付け。いや、甘辛いと言ってもいいかも知れない。例の女将さんだったら「辛くて(しょっぱくて)食べられないね、こりゃ!」となるだろう。しかしそのおかげで、ずいぶんと日本酒が“はか”いってしまった。私は東北の出身だから、味の濃いのには慣れている。
 半分くらい食べたところで、相当酔っぱらってしまった。あとはどうしたって飯が必要になる。何となれば、私は白飯に残りをぶっかけてすきやき飯としたわけだ。
 この小さな缶詰一つで、肴も飯のおかずもまかなえたのである。これは大した缶詰さんであるぞよ。


追:この記事は『POSITIVE PRODUCE』“ ちょこっと浅草~vol1今半~ ”にトラックバック。

内容量、原材料名ともに酔っぱらいのため失念。
原産国:たぶん日本   


紅ずわいがに

2005-11-17 14:02:33 | 魚介

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 来ました来ました、やって来ましたあ!
 とうとうこの缶詰ブログにも、高級缶詰さんがおいでになったのであります。カニ缶なのであります。
 思えばここまでの道程は、決して平坦なものではなかった。イワシ缶サバ缶を食い過ぎて、ネコのような臭いを発していたこともあった。安いからと大量買いしたコンビーフがとても不味く、かぴかぴ状態で一ヶ月も冷蔵庫に放置していたこともあった。そうして、イタリアはフィレンツェにお住まいのalbero4さんや、第2の故郷をタイランドに持つdii-chaiさんから、珍しい外国産の缶詰を大量に送ってもらったこともあった。
 人はその生涯を終える間際、それまでの記憶が走馬燈のようによみがえるという。まさしく私は今、そんな思いがしているのである。


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 カニ缶と言えばやっぱりあのメニューではないかい。玉子のこしは切らないように混ぜましょう。カニ缶に入っていたエキスも残さず投入しましょう。


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 かくのごとし。カニ玉の完成であります。
 とろっとした餡を掛けたかったのだが、私は餡など作ったことがなかったので、思いきり熱い状態のフライパンでとろみをつけようとしたのだ。すると「バシューッ...」という音とともに水溶き片栗粉はどんどん蒸発していった。慌てて皿に取り分けると、とろとろではなくどろっ、べとっという状態。おまけに煮詰まったのでしょっぱくなった。
 しかししかし、カニ缶まるごと使用のカニ玉なのだ。とても美味かったのだ。これで師走に向けて一気に走り出せるというものである。るーららー♪


 内容量:80g
 原材料名:紅ずわいがに、丸ずわいがに、ずわいがに、わたりがに、砂糖、食塩、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、増粘剤(キサンタン)、酸化防止剤(亜硫酸塩)
 原産国:日本


缶詰のある風景『過去からの弔鐘』

2005-11-15 16:38:23 | 連載もの 缶詰のある風景

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「~ウェンディは料理はうまかったかね?」
「ウェンディが? いや、私の知るかぎりではそういうことはないな。もっとも大学にいるときに料理に興味を持ったかもしれないが(中略)。家に一緒に住んでいるときは、あの子は、ピーナッツ・バターとジャムのサンドウィッチ以上に手の込んだものは、つくった試しがないよ。でもなぜ?」
「いや、別に」
 ローレンス・ブロック『過去からの弔鐘』訳/田口俊樹 二見書房

 寒くなってくると、暗めのトーンのミステリーなどが読みたくなるものだ。これは80年代のニューヨークを舞台にした探偵もの。
 我々日本人が思い浮かべる80年代は、明るく輝いていた時代だ。しかし当時の米国は、不景気の真っ只中であった。ニューヨークの都市部も、今では想像出来ないほどに犯罪発生率が高かった。
 さて、欧米ではパンに何かを塗りつけただけの極めて簡略なサンドウィッチ(と呼べるのだろうか)を食事に当てることが多いらしい。今回の瓶詰めさん『ヌテッラ』も、そんな塗りものの一つである。


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 かくのごとし。チョコレートクリーム・ヘーゼルナッツ入りというシロモノだ。こんなものを食べるのは実に久しぶりである。期待を込めてがぶっと一口...。


(-_-)


 甘いよ甘いよ甘すぎる。喉が痛くなるほど甘いではないか。おまけにべたべたしてるから、なかなか喉を通らない。
 この瓶詰めさんは、長らくイタリアで暮らしていた友人から教えてもらったものなのだが、イタリア(フィレンツェ)ではこうしてヌテッラを塗りたくったパンを朝食とする家庭が多いらしいのだ。スーパーに行くと、この大瓶がどーんと並んでいるというのである。
 一寸考えてから、ヌテッラの塗布量を減らしてバターを重ねてみた。するとべたべたが緩和されて、ずいぶん食べやすくなった。お味のほうもぐっとランクアップである。甘さを控えようとして、単純にヌテッラを少量塗っただけでは、何だかビンボーくさいものになる。

 ちなみにラベルには
「温めた牛乳に溶かしてチョコレートドリンクとして~」
とあった。これからの季節、そっちのほうがありがたいようだ。


内容量:400g
原材料名:砂糖、植物油脂(ピーナッツ油)、ヘーゼルナッツ、脱脂粉乳、ココア、乳化剤(大豆由来)、バニラ香料
原産国:オーストラリア(え?)


ちりめん山椒

2005-11-10 21:26:54 | 総菜

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 久しぶりの瓶詰めさんでござんす。
 ラベルに「京・料亭」なんて書いてあって、書体も柔らかい毛筆体。何ともお上品な様子で佇んでいらっしゃる。よく見ると、瓶の両サイドにはラリック風のラインまで成形されているのでござる。
 これはよくよく居住まいを正して望まねばならぬ。いつもレイゾーコに転がっているなめ茸とはだいぶん違うのである。
 フタを開けてみると、予想以上に濃いかほり。酒と山椒がかなり利いているようだ。


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 かくのごとし。炊きたて熱々の白飯に、よ~くかき混ぜたねぎ入り納豆。これだけで「文句ナシ! 言うことナシ!」となるのだが、その上に京よりお越しのちりめん山椒をふりかけたのだから、空前のゴージャス納豆飯となったわけだ。
 さくりとスプーンですくって、一口...。
 うむむ、山椒が香ばしいではないか。青臭いくらいに香ばしいのだ。これが発酵臭逞しい納豆に、実に良く合うのである。
 じゃこはあまり固くなくて、歯の弱い人でも安心して噛むことが出来るくらいだ。なかなか心憎い配慮と言わねばなるまい。
 全体的にはしっかりとした味付けがされていて、お茶漬けにしてもイケそうである。なかなか心憎い配慮と言わねばなるまい。
 いやはや、上方には美味いものがあるのだなあ。まだまだディスカバージャパンだなあ。


内容量:30g
原材料名:ちりめんじゃこ、山椒の実、味醂、酒、醤油(小麦・大豆を原材料の一部として含む)、酸味料、調味料(アミノ酸)
原産国:日本は京都・山科だそうで