先日、とある立ち飲み屋でのこと。女将がこんなことを言うのである。
「こないだ今半行ったけどね、ありゃあ若い人にはいいかもしんないけど、あたしには合わないね。脂っこくてさ。それにタレが辛いよ。あそこは不味いもんさ」
ひい。あの、各界要人著名人御用達の今半さんを不味いとは。
しかしここの女将さんは、物事をはっきりという好人物なのであった。「自分の好みには合わないよ」とのたまうのだ。
「それなら私にはどう感じられるだらふ?」これが真っ先に思い浮かんだことである。
私は、今半でお食事をしたことがないのである。かねがね、何かの間違いでもいいから「呼ばれないかな」と願っているのである。
しかし行けるはずもなく(今半さんは超高級料理屋さんです)、私は孤影悄然と缶詰さんを開けたのである。
さあ、かくのごとし。明治屋さんだからお上品な味付けかと思いきや、これがかなりしっかりとした味付け。いや、甘辛いと言ってもいいかも知れない。例の女将さんだったら「辛くて(しょっぱくて)食べられないね、こりゃ!」となるだろう。しかしそのおかげで、ずいぶんと日本酒が“はか”いってしまった。私は東北の出身だから、味の濃いのには慣れている。
半分くらい食べたところで、相当酔っぱらってしまった。あとはどうしたって飯が必要になる。何となれば、私は白飯に残りをぶっかけてすきやき飯としたわけだ。
この小さな缶詰一つで、肴も飯のおかずもまかなえたのである。これは大した缶詰さんであるぞよ。
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内容量、原材料名ともに酔っぱらいのため失念。
原産国:たぶん日本