今日は午後から陽射しも出て暖かくなりました。夜はやっぱり寒くてついに床暖のスイッチをテストと称してオンにしてしてしまいました。
太鼓坂
山の神神社と草履町
以前9月29日と30日のブログで町外れの街道を少し紹介しましたが今日はその続きを紹介します。
草履っこ町を過ぎて間もなく小さな橋を渡ります、昔は土橋だったそうです。すぐに現在は市道になっている旧国道を横断して次の画像のような道に入ります。

わずか2メートルばかりの細い道ですがこれが昔は街道として使われていたそうです。緩やかな上り坂になっています。

右に見える家の西側を通って上り坂は続いています。くるみの木が大きく枝を広げていました。右側に側溝があるので大きい車は走れません。
このあたりのお年寄りたちはこの道路の辺りを「タレスズ」と呼んでいます。
「スズ」は「清水(しみず)」が「しず」に変化してそれが「スズ」となまったのではないかと私は思っています。こちらの方のお年寄りは「し」が「す」、「ち」が「つ」などと発音する事が多いのです。でも微妙なんですよね、しとす、ちとつの区別が付かない中間的な語に聞こえます。真似るのはムズカシイデス。
「タレ」は足れか垂れか文字にはできません、ずっと言葉だけで使われてきたのでどんな文字になるのか想像するだけです。
なぜ「タレスズ」と呼ぶのか近くに住んでいるお年寄りたちに聞いてみました。
この街道の途中に「タレスズ」と呼ばれる水が湧くスズ(小さな泉、清水)があったのだそうです。近所の人たちは井戸があっても鉄分が多いまずい水しか出ないので飲料水や米を研ぐときの水はこのタレスズから汲んでいたのだとか。
町場の人たちがよくお茶飲みに来て、ここの水はおいしいと言っていたそうです。
現在はそのスズはありません、近くの山を割って国道が建設され水脈が分断されてしまったのかもしれません。

タレスズをよく利用していた家のおばあさんに電話で聞いてみました。画像の草地に見えるところの手前部分にその清水があったらしいです。最近まで田んぼにしていたのではっきりした場所はわかりません。

坂を上り詰めると国道につながります。昭和30年代に山を割って国道が建設されたらしいのでその頃まではこの部分も街道が残っていたそうです。右に見える山からの枝垂れ水が「タレスズ」の由来では?と勝手に思っています。
街道沿いのまた違う場所にも「タレスズ」があったらしいのでそちらの事も調べていますが知っている人にめぐり合えず街道部分もはっきりしない場所なのでなかなか見つけられないでいます。
私の住んでいる地区の街道は太鼓坂からこの国道につながるところまででおしまいです。
このあとはもう少し町場に近づいていきます。図書館を利用して資料を集めたりお年寄りに話を聞いたり、市役所の方にお世話になったり、わかってきた事を確認するために町を歩いてみたり、なかなかすぐに結論は出ませんが昔の町の事を調べるのは楽しいです。