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日々の生活やビジネスにおいて役に立ちそうな情報を収集、公開しています。

「学校へ行きたくない」と子どもから言われたら、親はどうすればよいのか

2022年05月06日 06時53分52秒 | 教育

ある日突然、「学校へ行きたくない」と親に相談する子どもはめずらしくありません。文科省の調査によれば、2020年度に不登校した小中学生は約19万人。少子化で子どもの数が減るなか、8年連続で不登校は増え続けて過去最多を更新しました。

しかしそれも氷山の一角です。不登校にはカウントされないものの、学校で苦しんでいたり、教室に入れなかったりする子どもも多いからです。そうした子どもたちは「隠れ不登校」とも呼ばれており、日本財団の調査では中学生の1割、推計33万人いると言われています。

増加の背景には、コロナ禍で生活環境が変わったこと、いじめの低年齢化などが指摘されています。どんな子どもでも、どんな家庭でも、不登校は起きます。子どもから「行きたくない」と言われたときの対応は、親のみならず、先生や祖父母など、子どもが周囲にいる大人たちには知ってほしいことです。

そこで、今回はもしものときに備えて、状況に応じた対応のしかたをお伝えしたいと思います。

「行きたくない」と言われたら

やることは、ただひとつです。

「わかった」と言って、その日は休ませてあげてください。

逆に子どもを追い詰めてしまうNGワードは「ようすを見てみよう」や「明日だけ、がんばってみよう」です。「行きたくない」と子どもが伝えるときは限界まで我慢したときです。崖から飛び降りるような気持ちであり、命に関わるSOSなのです。親は「休み癖がつくかも」と心配しますが、休ませる勇気が必要です。

多くの子どもの場合、「わかった」と言われれば安心して数日間は休み、また学校へ通い始めます。「疲れたら休もう」と思えれば、心に余裕をもって通えるからです。逆に「休みたい」と言ったタイミングで無理をさせると、子どもは追い詰められてしまいます。

数日間の休みのあいだはどうすればよいのか。

「かぜをひいた時と同じように」を心がけてください。家の中で遊んだり、友だちと会うのは問題ありません。勉強は自主的にやる分はさせてもいいですが、勉強を強いると休みが長引きます。ゆっくり休めんでリフレッシュするのが大事だからです。

「行きたくない」と言われる前に親ができること

「行きたくない」と子どもが言う前に、その兆候に気づきたい人は多いはずです。

ところが、それは意外と難しいのです。まず子ども自身は、自分のストレスに気づきづらいです。ただし言葉にはしなくても「体からSOS」が出ます。

体から出てくるSOSとは、体調不良、食欲不振、不眠、情緒不安など。こうした兆候は、たくさんの種類がありますが、違和感に気づくのは、本人よりも親のほうです。親は生まれたときからその子を見ており、異変に気がつきやすいのです。気になったタイミングで、子どもに声を掛けたり、最近、起きたことをふり返って考えてみましょう。

さらに、ふだんの生活から「雑談」ができてれば、なおよいです。話を聞いてもらうことは、子どもにとって一番の発散になります。

ところが、子どもの話を聞く時間を充分につくれる親は少ないはずです。つねに家事や仕事に追われているでしょう。

そこで「10分間だけ」と時間を決める。あるいは料理中や就寝前だけ、子どもの話を否定せずに聞く、というのも一つの手です。ふだんから会話を重ねていると、さらに異変に気がつきやすくなります。

なお聞き役もストレスがたまりますから、子どもと離れる時間や趣味の時間など「親の息抜き」も大切にしてください。

行き渋りや不登校が始まったら

1週間、あるいは1カ月休んでも子どもが学校へ行きたがらない場合、親や周囲の大人は「不登校」を覚悟してください。不登校を覚悟したら、まずやるべきことを3つ挙げます。

1つめは、親の不安を子どもにぶつけないこと。

当たり前のように聞こえるかもしれませんが、ほとんどの親がやってしまう失敗です。子どもの将来を思えば心配するのも当然ですが、子どもだって心配なのです。親から不安をぶつけられたら、子どもは追い詰められてしまいます。

では親の不安はどうすればいいのか。あるお母さんは、心配や不満が募ったとき、ひとまず車の中でひとりになり、めいっぱい泣いたり、歌ったりするそうです。いったん気持ちを吐き出すのは大切です。次の手立てが冷静に見えてくるからです。

2つめは、不登校の仲間と出会うこと。

子どもが不登校になったら、カウンセラー、精神科医、フリースクールなど、一人でもよいので不登校に詳しい第三者とつながってください。そして可能ならば、学校に通っていない子どもの親とも知り合ってください。子どもが家にいる生活はどうしているのか、学校への連絡はどうすべきか。先輩のお母さんたちはよく知っています。こうした「生きた情報の交換」が子どももと親を支えます。

3つめは、不登校の「その後」を知ること。

不登校が心配なのは「不登校からのその先」が見えないからです。知識のない人は「不登校になったら引きこもってしまう」と言うでしょう。統計上、そのような事実はありません。不登校からひきこもりになる人もいますが、「不登校はかならずひきこもる」というのは誤りです。

不登校のその後は多様です。会社員、公務員、大工、八百屋、主婦などなど、さまざまな職種についています。進学校や国立大学に進む人もいれば、早いうちから社会人になった人もいます。不登校経験者が当時、何を考えていたのか。親にどうしてほしかったのか。そういった生の声は、本やインターネット上からも知れます。「不登校その後」を知ると余裕をもって対応できます。

なお『不登校新聞』では、「不登校その後」の体験談を多く揃えていますし、不登校の仲間である読者どうしのコミュニティもあります。もしよければご参考ください。

(この記事は2022年03月14日の不登校新聞掲載記事「『「学校へ行きたくない」と子どもから言われたら、親はどうすればよいのか』」より転載しました)

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お金持ちが実践する「稼ぐ子」の育て方とは

2022年04月20日 06時50分56秒 | 教育

私が子育てにおいて重視しているのは、「稼ぐ大人になるための土台作り」です。

 

小さい頃から磨くべき能力は、「稼ぎ」につながる力

「稼ぐ」とは「人や社会の役に立つ」ということですから、世の中の問題を発見し、それを解決する能力が求められます。つまり、「課題発見能力」「新しいことに挑戦する姿勢」「問題解決能力」が必要です。

 

また、今までに成しえなかったことを実現させるから稼げるわけで、それは「自分の頭で考える力」「自己責任で判断する度量」「現状に甘んじないイノベーション志向」「困難にもめげず進める精神力」につながります。

さらに現代の子どもたちは、物心がついたころからインターネットがあり、スマートフォンなどのデジタルデバイスがあり、SNSがある時代ですから、「世界とつながる」ことが当たり前の価値観になっているでしょう。

ということは、文化や価値観が異なる人たちと「協創できるコミュニケーション能力」も必要で、彼らを率いたり束ねたり動かしたりする「グローバルなリーダーシップ」も求められます。その結果が、収入に反映されるわけです。

そして、これらの能力を高い次元で獲得できれば、人生で直面する大抵の問題は乗り越えられるし、人生に絶望するという場面も減るでしょう。

 

稼ぐ自信は生きる自信につながる

私自身、サラリーマンを11年(2回転職)、会社経営を6年経て、今は個人事業主として働いています。起業してからも紆余曲折だらけで、会社を作っては潰し、作っては潰しを何度も経験し、資産や収入がほぼゼロになったこともあります。

 

そこから復活してきたこともあり、どうすれば稼げるか稼げないかもわかります。だから今は何をやってもうまくいく自信があります。

この境地に至ったのは40歳ごろと遅咲きではあったものの、今は悩みも不安もなく、好きな仕事だけをし、好きな人だけと付き合い、毎日自由に過ごしています。

労働時間は1日2~3時間ですが売上は毎年右肩上がりで、若いころのような「手帳は真っ黒、でも通帳は真っ白」という状態から、「手帳は真っ白、でも通帳は真っ黒」になったのです。そしてここまでくると、もはやお金で何かを諦めるということがありません。

家政婦やベビーシッターを雇うこともできるので、時間すら生み出すことができます。友人や親、兄弟に頼らなければ困るという事態も起こらないし、防犯や災害時の備蓄も万全なため、近隣と気を使ってまで仲良くしなければならないということもありません。

さらに、稼げていれば他人から何を言われようと、どう思われようと気にならなくなります。私はこのようにネットでコラムを書いていることもあり、ときどき炎上することもありますが、まったく気になりません。

批判や非難を受けたとしても、「そんなに言うなら、あんたはいくら稼いでんの?」と返す余裕があるからです(もちろん実際にはそんなことは言いませんが)。

稼げるようになれば、学歴のことなど誰も気にしないし、稼ぐ自信は生きる自信になります。他人の目を気にしなくても、誰かに依存しなくても、独力で生きていくことができます。

「圧倒的に稼ぐ」能力は、生活基盤やメンタルを強固にし、楽しい”現在”と明るい”未来”だけにフォーカスする生き方を与えてくれるのです。

これこそ本当の意味での自立と幸福であり、自分の子にも目指してほしいと考えています。

参考:『1億稼ぐ子どもの育て方』著:午堂 登紀雄(主婦の友社)

文:午堂 登紀雄(米国公認会計士)

大学卒業後、会計事務所などを経て、米国コンサルティングファームで経営コンサルタントとして経営戦略立案や企業変革に従事。貯金70万円を1年で3億円の資産に成長させた経験をもとに、お金持ちになる方法や考え方を伝授。

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「低学歴国日本」の大学進学率は韓国の3分の2、なぜこんなに低いのか

2022年03月17日 06時19分57秒 | 教育

米国や韓国に比べ際立つ低さ

大学進学率は短大を含め64%

 日本の大学進学率は54.4%だ。短大まで含めると64.1%になる。

 ところが、この値はアメリカでは88.3%という高さだ。アメリカは日本よりずいぶん高学歴社会だと驚く。

 さらに驚くべきことに、韓国では大学進学率は95%にもなる(注)。

 大学など高等教育機関での教育は、国の将来を担う人材育成のために重要な役割を果たす。

 だから、アメリカや韓国に比べて日本の進学率がなぜ低いのか、その原因を真剣に考える必要がある。

 原因の一つとして、日本で大学進学が経済的に見て合理的なものかどうか、ということがある。

 生涯賃金を単純に比較すると、大学に進学することは経済的に割に合うように思われる。しかし、問題は、大学進学に要した費用を取り戻すまでに日本では非常に長い時間がかかることだ。、

 50歳代の半ばまで取り戻せない可能性があるのだ。

大学で勉強するための費用

「教育ローン」も有利子

 大学で勉強するための費用として、まず学費がある。

 文部科学省などの資料によると、大学の4年間(医歯系や薬学部は6年間)での学費は、国立大学で約243万円、私立大学の文科系で約398万円、理科系では約542万円、医歯系では約2357万円だ。

 また、大学に進学すると、働けば得られる収入を放棄することになる。

(注)日本の大学進学率は2020年の値で、文部科学省『学校基本調査』による。短大まで含めた値は18年の値で世界銀行の資料による。 

 賃金構造基本調査のデータから推測すると、高校卒業後すぐに働かなかったことによる逸失収入額の平均値は、男性で875.52万円、女性で837.6万円だ。

 親元を離れて一人暮らしする場合には、家賃や生活費などもかかる。

 日本政策金融公庫『教育費負担の実態調査結果』(2021年12月)によると、自宅外通学者のいる世帯の割合は全体の28.1%だ。

 大学進学のために私立の中学・高校や塾に通わせたりすると、さらに費用がかかる。

 大学進学を経済的に支援する制度はどうなっているだろうか。

 日本学生支援機構の給付型奨学金は、返済の必要はないが、世帯収入に厳しい制限がある。また、給付額も十分とはいえない。授業料はカバーしても、逸失所得や生活費までカバーするのは難しい。

 この部分をカバーするためには、貸与型奨学金を利用する必要がある。これは返済が必要だ。ただし、利率は低い。

 日本政策金融公庫による教育ローンは、「国の教育ローン」と呼ばれる。これは、年利が1.65%と低いが、借り入れの上限は350万円だ。

 民間の金融機関による「教育ローン」は、額は多くなるが、金利は年2~3%程度のものが多い。

生涯所得の差で

大学進学は正当化できるか?

 他方で収入はどうか。大学卒の収入は高校卒の収入より一般に高い。

 労働政策研究・研修機構による『ユースフル労働統計2020』のデータによると、2018年時点の学歴別に見た生涯賃金(就職から定年まで同一企業に勤続した場合の金額。定年は60歳、男性)は、高校卒が2億6000万円に対して、大学卒は2億9000万円だ。3000万円の差がある。

 この数字には退職金や年金は含まれていない。これらを含めれば差はもっと大きくなる。

 この収入差と前記の進学にかかる費用の数字を比べて、「大学進学は経済的に見て十分採算に合う」とする考えがある。

 しかし、その考えには問題がある。なぜなら、上記の数字は将来の収入を単純に足しただけであって、いつまでに費用を回収できるかという観点がないからだ。また、将来の額を「割り引く」という操作も行なっていない。

 これでは、大学進学を経済的に判断する指標としては役に立たない。

割引率ゼロの場合は

進学費用取り戻すのは40代中頃

 以上を考慮して、高校卒と大学卒の生涯賃金を比較してみた。結果は図表2のとおりだ。

 図表のAとBは、大学卒と高校卒の年収を示す(『賃金構造基本調査」による2020年の値)。

 C欄は、AとBの差に当該欄の年数を掛けたものだ。

 D欄は、C欄の数字の累積値を示す(D欄では、将来の値について割引を行なっていない)。

 大学卒業時点で、Dは875.5万円になる。これは、大学在学中は働かなかったことによる逸失収入だ。

 D欄の数字は、年齢が上がるにつれてマイナスの絶対値が減り、30代の後半でプラスに転じる。つまり、逸失収入を取り戻すのに15年程度かかることになる。

 D欄の数字は、40代の中頃に1000万円となる。大学時の学費や生活費が1000万円程度であれば、この時点で取り戻せることになる。

 D欄の数字は、最終的には約6000万円に達する。

割引率を考慮すると、進学費用を

取り戻すのに30年以上かかる

 仮に教育ローンなどで無利子、無担保で、制限のない借り入れが可能であれば、D欄に示したような計数が一定の意味を持つ。しかし、実際にはそのような貸し付けはない。

 上記のように、国の教育ローンといわれるもの(日本政策金融公庫融資)は、利子率は低いが、融資限度は少ない。

 民間金融機関が提供する「教育ローン」には、融資限度が1000万円程度のものがあるが、利子率は3%程度だ。

 こうしたことを考えると、将来得られる収入は割り引いて評価すべきことが分かる。「遠くのものは小さく見える」という遠近法の原理と同じことを、時間についても当てはめる必要があるのだ。

 そこで、割引率を3%として、将来の値を割り引く計算を行なった結果がE欄に示したものだ。

 累計額がプラスに転じるのは、40代の前半になる。Dの場合より5年程度遅れる。

 そして、累積額が1000万円を超すのは54歳頃になる。

 この時期は年間所得額がピークにになる年齢だが、子供がいれば大学生である年齢だ。

 大学生活のために授業料を含めて1000万円が必要なら、大学卒業後、この時点まで30年もの間、その金額を取り戻せないということになる。

教育投資にあまりに長い回収期間

高卒との生涯所得差は2000万円未満

 大学進学を経済的投資と見る観点からいえば、回収期間があまりに長い投資だということになるだろう。

 そして将来、得られる収入を割り引いて計算すると、大学卒と高校卒の生涯所得の差は、ほぼ2000万円だ。Dの計数に比べると、大幅に低くなる。

 なお、女性について同じ計算を行なうと、つぎの結果が得られる(割引率がゼロの場合)。

 第1に、逸失所得は30代後半に取り戻せる。これは、男性の場合と同じだ。

 第2に、40代前半に1000万円を取り戻せる。これは男性の場合より早い。

 第3に、生涯所得の差は5574万円だ。

大学進学の経済的メリット少ない

報酬体系見直しや教育ローン拡充を

 以上で示したように、日本で問題なのは、教育に投資した額を取り戻すのに非常に長い年数が必要なことだ。

 こうなるのは2つの理由がある。

 第1は、年功序列的賃金体系のために、大学卒と高校卒の間で、若年期での所得格差が少ないことだ。

 第2は、専門家の知識への報酬が少ないことだ。この問題は、本コラム(2022年2月3日付)「日本の大学院卒初任給は306万円、米国の5分の1以下にした教育の機能不全」で指摘したことと通じる。

 こうしたことのために大学進学率が低くなっているのであれば、大きな問題だ。

 企業が報酬体系の見直しを行なうことが重要だ。

 また、低金利の教育ローンを拡充する必要がある。

(一橋大学名誉教授 野口悠紀雄)

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「成果主義で評価する」親が子どもを潰す納得理由 子どもにはその大人の常識は通じない

2021年12月30日 07時29分35秒 | 教育

ここ数年、中学受験は過熱の一途をたどっています。日能研の推計によれば、2021年の首都圏の中学受験人口は6万1700人で、中学受験率は20.8%。東京都に限れば3万1300人で、中学受験率は30.6%にもなるそうです。漫画『二月の勝者』(小学館)がテレビドラマ化されたこともあり、今後いっそう注目を集めていくことでしょう。

中学受験は、子どもが勉強に打ち込み、能力を伸ばしていくための機会として、大変すばらしいものです。親子で困難にチャレンジし、二人三脚で乗り越えて成功をつかむストーリーにも、多くの親が憧れるでしょう。しかし、その負担は体力的な意味でも精神的な意味でも、親子ともにとても大きなものです。負荷が大きすぎて子どもをツブしてしまう危険とつねに隣り合わせなので注意が必要です。

ここでは、『小学生の勉強は習慣が9割』の著者で、20年の指導経験を持つ菊池洋匡氏(中学受験「伸学会」代表)に、「仕事ができる親」にありがちな「子どもを潰してしまう原因」を伺いました。

「成果を出す方法を考えられる子」は少ない

 私がこれまでに指導してきた生徒たちの親御さんは、多くは高学歴で、社会的にも高い地位にいたり、専門的な職業に就いたりしている方でした。

 私立の中高一貫に子どもを6年間通わせようというのですから、ご家庭には経済力が必要です。「中学受験をさせよう」という親御さんに競争社会を勝ち抜いてきた方が多いのは、当然のことかなと思います。

 そのような方の中には、「成果主義での評価が公平・公正」で、「どうやって成果を出すかを考えることまでが大事なこと」と考えている方がいらっしゃいます。確かに、この考え方自体は間違いではありません。ただし、「中学受験をする年齢の子どもは、まだ人生経験が短く、大人に比べて能力的にとても未熟である」ということを考慮すると、この考えには落とし穴があります。

 大人であれば、しかも上場企業や外資系企業などの優秀な人材が集まる場であれば、成果を出す方法まで自分で考えさせることもできるでしょう。

 ヘタに手取り足取りやり方を指導すれば、相手は「決められたとおりのことしか、させてもらえない」と感じ、仕事に対してのモチベーションが下がってしまうかもしれません。自主性を尊重し、自分で考えさせる割合を大きくすることが必要になってきます。

 しかし、中学受験に挑むのは10~12歳の子どもです。自分で成果を出す方法を考えられる子は、大人に比べてグッと少数派になります。10人中、2~3人くらいといったところでしょう。

 このことがよくわかる、ハーバード大学のフライヤー教授らが行った有名な研究があります(※)。

 この研究では、250以上の学校において、小中学生を対象に「ご褒美」による成績アップの効果が検証されています。「ご褒美」が与えられる条件をいろいろと変えてみて、どういう条件のときに子どもの学力が伸びるかを比較検証しているのです。

 「ご褒美」の対象は大きく2つに分けることができました。

 1つは、「学力テスト」や「通知表の成績」といった「成果」に対しての「ご褒美」です。もう1つは、「本を読む」「宿題を終える」「授業に出席する」といった「行動」に対しての「ご褒美」です。

 大人の感覚だと、「行動」に対してご褒美を与えてもいい成果は得られないのではないか、と感じてしまいます。「表面的でうわべだけの行動に終始して、成果につながらない無駄な行動が増えてしまうのではないか?」「やはり結果にコミットすることが大切なのでは?」と。

勉強のやり方がわかっていない子どもは多い

 しかし、成績アップにつながったのは「行動」にご褒美を与えた場合でした。「成果」に対してご褒美を与えた場合には、成績アップはほとんど実現されませんでした。

 なぜこのような実験結果になったのでしょうか?

 確かにどちらのパターンでも、子どもたちはやる気になりました。しかし、「成果」に対してご褒美が与えられた場合には、子どもたちの「勉強する」といった具体的な行動は増えませんでした。ご褒美が欲しくても、具体的に何をしたらいいかわからず、行動を起こせなかった子どもが多かったのです。行動を起こさなければ、成果も得られないのは当然のことですよね。

 それに対して、「行動」にご褒美が与えられた場合には、やることが明確なので、行動できた子が多くなりました。「本を読む」「授業に出席する」といったいい行動が増えたため、成績もよくなったというわけです。

 これは、ご褒美目当ての場合に限った話ではありません。成績を上げたい。クラスアップ(上級クラスに入ること)したい。志望校に合格したい。目標が何であれ同じです。多くの子どもは目標があっても、それを達成するために何をしたらいいかわかりません。だから、何もできないまま時間ばかりが過ぎていくことになります。

 仕事ができる親御さんは「目標を達成するために、何をすべきか考える」ということを自分が当たり前にできてしまうために、「子どももできるはずだ」と思い込んでしまうことがあります。そして、それを考えないのは「やる気がないから」「サボっているから」と判断してしまい、やる気を出すように子どもを追い込んでしまいます。

 これは子どもをツブす原因となるので要注意です。

わが子は「部下」ではない

 仕事であれば、極論、部下は「代替可能」です。「何をすべきか考える能力がない部下は切り捨てていく」という方針は、会社の利益を最大化するための戦略として選択肢の1つです。能力のある社員だけが選別され、生き残っていく成果主義のシステムは、うまく機能する場面もあるでしょう。

 でも、わが子はそうではありません。そうですよね?

 わが子を成績アップに導きたければ、子どもに寄り添いながら、子どもに勉強のやり方から教えていくことを心がけることが必要です。まずは「能力の不足」と「やる気」の問題を分けて考えることから始めてください。とくに、子どもが相手の場合には、ほとんどの問題は「能力の不足なのだ」と思っておきましょう。

 初めのうちは、目標を達成するために「何を」「どれくらい」「いつ」やるのか、考えるのを手伝ってあげてください。そして徐々に手放して、本人だけで考えられるようにしていきましょう。このようなトレーニングをして、能力を身につけさせてあげればいいのです。

 以上、仕事ができる親が陥りがちな子育ての落とし穴でした。自分の常識や感覚を子どもに押しつけると失敗します。その自分の感覚や常識は、「今」「大人の自分が」できることで、「子どもが」できることではないからです。

 成果を出すための「PDCA」的な考え方や、効率のいい学習法などは、年齢を問わず普遍的です。それを教えてあげることは、とてもいいことです。ただ、身につけさせるためには手厚いフォローが必要です。しっかりフォローしてあげてください。そうすれば、お子さんの能力を引き出し、成績アップや受験の合格に導いてあげられますよ。

(※)The Power and Pitfalls of Education Incentives

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お金持ちが実践する「稼ぐ子」の育て方とは

2021年10月20日 05時56分13秒 | 教育
本当の意味で自立した豊かな人生を送るために、小さい頃からどのような能力を磨いておけばよいのか。私が子育てにおいて重視している「稼ぐ大人になるための土台作り」についてお話します。
私が子育てにおいて重視しているのは、「稼ぐ大人になるための土台作り」です。

 

小さい頃から磨くべき能力は、「稼ぎ」につながる力
「稼ぐ」とは「人や社会の役に立つ」ということですから、世の中の問題を発見し、それを解決する能力が求められます。つまり、「課題発見能力」「新しいことに挑戦する姿勢」「問題解決能力」が必要です。
また、今までに成しえなかったことを実現させるから稼げるわけで、それは「自分の頭で考える力」「自己責任で判断する度量」「現状に甘んじないイノベーション志向」「困難にもめげず進める精神力」につながります。

さらに現代の子どもたちは、物心がついたころからインターネットがあり、スマートフォンなどのデジタルデバイスがあり、SNSがある時代ですから、「世界とつながる」ことが当たり前の価値観になっているでしょう。

ということは、文化や価値観が異なる人たちと「協創できるコミュニケーション能力」も必要で、彼らを率いたり束ねたり動かしたりする「グローバルなリーダーシップ」も求められます。その結果が、収入に反映されるわけです。

そして、これらの能力を高い次元で獲得できれば、人生で直面する大抵の問題は乗り越えられるし、人生に絶望するという場面も減るでしょう。

稼ぐ自信は生きる自信につながる
私自身、サラリーマンを11年(2回転職)、会社経営を6年経て、今は個人事業主として働いています。起業してからも紆余曲折だらけで、会社を作っては潰し、作っては潰しを何度も経験し、資産や収入がほぼゼロになったこともあります。
そこから復活してきたこともあり、どうすれば稼げるか稼げないかもわかります。だから今は何をやってもうまくいく自信があります。

この境地に至ったのは40歳ごろと遅咲きではあったものの、今は悩みも不安もなく、好きな仕事だけをし、好きな人だけと付き合い、毎日自由に過ごしています。

労働時間は1日2~3時間ですが売上は毎年右肩上がりで、若いころのような「手帳は真っ黒、でも通帳は真っ白」という状態から、「手帳は真っ白、でも通帳は真っ黒」になったのです。そしてここまでくると、もはやお金で何かを諦めるということがありません。

家政婦やベビーシッターを雇うこともできるので、時間すら生み出すことができます。友人や親、兄弟に頼らなければ困るという事態も起こらないし、防犯や災害時の備蓄も万全なため、近隣と気を使ってまで仲良くしなければならないということもありません。

さらに、稼げていれば他人から何を言われようと、どう思われようと気にならなくなります。私はこのようにネットでコラムを書いていることもあり、ときどき炎上することもありますが、まったく気になりません。

批判や非難を受けたとしても、「そんなに言うなら、あんたはいくら稼いでんの?」と返す余裕があるからです(もちろん実際にはそんなことは言いませんが)。

稼げるようになれば、学歴のことなど誰も気にしないし、稼ぐ自信は生きる自信になります。他人の目を気にしなくても、誰かに依存しなくても、独力で生きていくことができます。

「圧倒的に稼ぐ」能力は、生活基盤やメンタルを強固にし、楽しい”現在”と明るい”未来”だけにフォーカスする生き方を与えてくれるのです。

これこそ本当の意味での自立と幸福であり、自分の子にも目指してほしいと考えています。

参考:『1億稼ぐ子どもの育て方』著:午堂 登紀雄(主婦の友社)

文:午堂 登紀雄(マネーガイド)
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