その後一週間を経過しても状況が改善しないので、7月の9日に再度血液検査を行い、7月14日に
その結果を基に病院の主治医でもある院長から説明を受けたが、父親は入院の理由となった感染症が
治ってももう元の状態にはならないだろうと言うことだった。
つまり、親父の入院前は自分で立って歩くこともでき、トイレの「小」も食事も一人で出来ていたのが、
それが病気から快復してももう二度と出来ないであろう状態になっていると言うことのようだった。
それは父親の認知症が入院してから急に進行したからに他ならないと思うのだが、今年98歳になる人間が
体調を崩し、その治療中の安全を損なう行動があるために「抑制」処置なども受けている状況では、
無理もないことなのだと思う。
実は父親の退院後の生活のために、介護付き老人ホームへの入所を考えて施設の見学もしていたのだが、
どうやらそれも無駄に終わるのかも知れない。
何故ならば院長からの言葉の中には、治療を投げ出すようなものは一切感じられなかったからだ。
それは例え結果が予測できたとしても、目の前の患者に対して医療従事者として出来る限りのことを
するのだとの信条があるからなのだろう。
医療の現場では、どうでもよい命なのないのだ。