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ヒヤリハットの心理学

2007-01-29 | 安全、安心、
02/10・20海保 中央労働災害防止協会 安全と健康 連載
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30字 20行 「解説」だけで600字 イラストを除いて
ヒヤリハットの心理学(4)
「平面でないときはそのことがわかる視覚的な手がかりを豊富に」
1
2事例「段差のある廊下」
3 絵と文章 データベースからそのままを使う
4 (オフィスヒヤリハットより)
5
「解説」
 平面を歩くときは、ずっと平面であるとの前提で歩きます。そこに突然の段差や斜面があったりすると、それがほんのわずかであってもつまずきます。下手をすると転んで怪我をすることもあります。
 人の行為は予測によってガイドされているからです。
 自然の中には人の行為の予測をそれとなくガイドする条件(アフォーダンス)が整っています。平面なのか斜面なのか、凸か凹かなどは、光線の加減や土の色具合などから自然にわかります。
 しかし、人工環境では、同じ色や模様でしかも光線も多方向からくるようになっていることが多くなっていますので、平面ではないことを示す情報が瞬時にはわかりません。結局、つまずいたり転んだりしたあとで気がつくことになります。
 こうしたことを防ぐためには、段差を作らないことが一番ですが、どうしても作らざるをえないときは、色彩や模様を使って、あるいは表示によって、平面ではないことに気がつかせるようにする必要があります。
「類似ケース」
○観光バスは座席が高いので、入り口に何段もの階段がある。降りるときに、段差に気がつかないでびっくりすることがある。
○階段のはじまりがわからず、あやうく転びそうになった。
****本文 21行 イラストを除く

02/10/21海保
11111222223333344444555556666630字 23行 700字
「ヒヤリハットの心理学」(4)背景解説
「他の人よりつまずくことが多いようなのですが、どうしてですか」

 バリアーフリー(barrier-free;障壁のない環境)という言葉を耳にしたことがあると思います。高齢者や障害者の移動の障害になっているものを取り除いて、楽に移動ができる環境にしようということです。
 高齢になると、運動能力、とりわけバランス感覚が低下してきます。ちょっとした段差などで転倒してしまうことがあります。それへの配慮が、バリアーフリーです。
 もしあなたが高齢なら、知らず知らずのうちに運動能力が低下してきているのかもしれません。
 つまずきやすいのは、もう一つの可能性として、せっかちということもあります。せっかちとは、身体の動きの速さ以上に気持ち(心)のほうが先に行ってしまう傾向です。目的地に速くいかなくてはとの気持ちが無理な身体移動をさせます。当然、つまづくことも多くなります。
 せっかちは性格特性でもありますし、老化の兆しでもあります。
気持ちゆったりの生活を心がけるとよいと思います。

チェック「あなたのせっかち度はどれくらい?」************
自分に「最も当てはまるとき”3”」「まったく当てはまらないとき”1”」「どちらでもない”2”」の3段階で判定してください。
( )行列に並ぶのが嫌い
( )よく失敗する
( )あまりじっくり考えないほう
( )あれこれ仕事をするのが好き
( )座っているより動いているほうが多い
*10点以上なら、かなりせっかちとなります。
*********本文 22行





認知と学習の心理学

2007-01-29 | 認知心理学
05/7/5海保博之
海保著 培風館 07/2 刊行

認知と学習の心理学
ーー知の現場からの学びのガイド

5章 書く(一部)

5.1 書くのが好き
今でもしっかりと覚えているが、書けなくて七転八倒したのは、はじめての大作「メッシュ化されたカタカナ文字の視認性」という「卒業論文」を書く時であった。
内容は、ごくオーソドックスなもので、わずか400字詰原稿用紙で50枚程度のものであったにもかかわらず、机に向かってうんうんうなっているいた。その光景は今でも周囲の状況とともにしっかりと目に浮かぶ。
フラッシュバルブ記憶である。
それが、書くのが大好き人間になってしまったのである。そのきっかけは、今にして思うと、23年前のアメリカでの在外研究ではなかったかと思う。
英語が聞き取れない、したがって話せないままの10か月はつらいものがあった。そのうさをはらうためであったと思う。アメリカ滞在記録のようなものを書いては学生に郵便で送っていた。週に1,2回は書いて送っていた。それを保管しておいてもらい、帰国してから、それを掲載するための「Compter & Cognition」という裏紙を使ったニューズレターを毎週発行するようにしたのである。そして、その中に、「認知的体験」と称して、自分の頭の中で起こったことや考えたことなどを短い記録として掲載するようにしたのである。

******コラム「ニューズレターのサンプル」


*********

これによって、文章を書くおもしろさを知った。そして、書けば書くほど書くことが楽しくなることもわかった。
それで勢いがついて、これもアメリカ滞在経験の中で頭にひっかかっていたヒューマンエラーに対する考えの我彼の違いを、講談社の現代新書に書くという冒険に挑んでみた。原稿用紙300枚くらい、研究論文のスタイルとはまったく違った表現への初挑戦をしてみた。
これがいわば、自分の表現のブレークスルーになったと思う。まったく書くことが苦痛でなくなったのである。それどころか、書いていないと不安でしかたないような気分になることさえあった。


滞在記録や認知的体験のような内容の文章は、心理学の研究の世界ではあまり書くことはない。研究論文の文章には、それなりのリテラシー(きまり)のようなものがあり、無味乾燥な文章を連ねればよい。



知の風景

2007-01-29 | 認知心理学
企画倒れ 海保 07/2/29

 認知と学習の心理学---知の生成、更新、創発
   ---知の生態から知の科学へ
---知の風景

はじめに

● 本書のねらい
 知の包括的な科学である認知科学が登場してから半世紀あまりが過ぎた。この間、知的マシーンとも称せられるコンピュータの驚異的な進化に引きづられて、人の知について研究してきた認知心理学も、研究上のドグマ(立場)を幾度か変えながらも、膨大な知を蓄積してきた。
本書では、認知科学と認知心理学とをベースに、今社会で起こっている知をめぐる風景の変貌について自在に論じてみたい。
やや大げさな言い方になったが、自分の知的な体験をベースに縦横に「知」について論じてみたい。

このことによって、本シリーズでの本書の位置づけにふさわしい「認知と学習の心理学」への招待にもなるし、また、そこで蓄積されてきた知の活用の例示にもなるのではないかと思う。

●知の風景
知の風景の現場は、多種多彩である。それを、知の生成の現場、知の蓄積・流通の現場、知の活用・消費の現場の3つくらいに分けて、そこでの風景を眺めてみたい。「3つくらい」とあいまいな表現をしたのは、知の現場は実はそれほどきれいには分類できないのが一つの特徴だからである。
たとえば、教育の現場を考えてみてほしい。そこでおこなわれている知的活動は、知の流通が主であるが、しかし、知の活用の訓練もねらいとして掲げられている。

●誰に読んでもらうか
読者対象として想定したのは、大学2年生くらい、あるいは、認知科学や認知心理学ってどんなものとの興味を抱いている隣の専門家の方々である。
そうした読者が、本書を読んで、みずからの知と、社会における知についての関心を深めていただき、本シリーズの2部で構想されているより専門的でオーソドックスな認知心理学および学習心理学の学びへと進んでいただければ、言うことなしである。

今日の至言

2007-01-29 | 心の体験的日記
         失敗は終わりではない。
         それを追求していくことによって、
         はじめて失敗に価値が出てくる。
         失敗は諦めたときに失敗になるのだ。
                     土光 敏夫(元経団連会長)
 
THANK YOU FOR READING MY MAIL MAGAZINE!   by aquaより

安全・安心の心理学 予告

2007-01-29 | 安全、安心、
05/9/6海保
ワードマップ
安全、安心の心理学 危険から自分と社会を守る心の技法

海保博之、宮本聡介、

新曜社 07年2月刊行

●用語選択の原則
1)安全、安心がイメージできる用語
2)したがって、心理学がちがちの用語ではなく、安全、安心をただちにイメージできる用語にする
3)本文中で、「それは心理学的にはこうなる、こういう用語を使うとこういうふうに説明できる」という解説や主張をする。
4)用語解説にはしないで、主張や提言を入れる。

●基本構図式(表内は取り上げる用語例)
下図が「人」と「状況(3M)」のそれぞれについて想定される基本図式になる。ただし、この図式は、陽には章立のみに使い、あとは、用語の選択など、陰にしか使わない。





○「人」

*安全、安心の心

章  共通 防災
(災害) 事故
(エラー) 防犯
(犯罪)
危険予知
1章


*危険予知*恐れ
○リスク認知



*ヒューマンエラー
事故傾性者






安全保持
2章
*安全研修

○違反
○危険情報活用能力
○リスクコミュニケーション
○安全モラール



注意管理
ストレス
過労
*指差呼称 *監視

 
危険対処
3章

○リスク・テーキング(リスク回避)
○パニック耐性
○被害と加害
安全、安心
の回復
4章 ○PTSD
○安全カウンセリング
○後知恵バイアス
原因帰属
認知療法






○「状況」

章  共通 防災
(災害) 事故
(エラー) 防犯
(犯罪)
危険予知


○危険マップ









安全保持

○安全文化
情報共有
○OJT
○現場力
○インタフェース
○属人的組織風土
○社会的手抜き 防災訓練




○安全研修
○手順遵守 ○防犯パトロール
○破れ窓理論
危険対処

○リーダシップ
○集団意思決定
○集団愚考
○マニュアル
表示
○社会的フェールセーフ
○リスキーシフト 流言
安全、安心
の回復 ○情報開示提供
○原因分析
○失敗学




犯罪の天才性

2007-01-29 | 心の体験的日記
犯罪には、知的な意味で天才的な発想がある。
親戚をたずねて強盗殺人なんて、
考えてみれば、びっくりするくらい天才的なアイディア。
これなら、警戒されずに、相手宅に忍び込める。

平和な日常に慣れてしまっている普通人が
犯罪に事前対応するのは、したがって、実に難しい。
彼ら以上の天才を働かせて防犯を考えることはできない。