海保著「心理学ってどんなもの」岩波ジュニア新書より
Q5-* 心理学関係の大学院が増えていると聞きましたが、大学院ではどのような授業がどのように行なわれているのですか。また、大学院を終了すると、どんなところに就職できるのですか---心理の大学院
最近、心理学の大学院がたくさんできているのは、もっぱら、臨床心理士の資格取得に必要なカリキュラムを提供する2年間の修士(マスター)課程です。
臨床心理士資格認定協会が指定する大学だけに限定されていますので、その資格に興味のある人は、協会のホームページで確認してください。
このように資格直結型、あるいは職業直結型の大学院・修士課程が増えてきたのが、最近の際立った傾向です。それを博士課程にまで拡大しようという動きもあります。
これらは、専門職大学院****チェックと呼ばれて、従来の博士課程まである研究者養成をめざした大学院とは区別されています。
まず、専門職大学(修士)のほうから。
ねらいは、高度職業人の養成です。理工系のように、4年間の学部教育の上にさらに2年というタイプ(4+2型)と、いったん社会人になって経験を積んでから大学院に入り直すタイプ(レカレント型)とがあります。一つの専攻の中で、分けて合格者を決めることもあります。
2年間で30単位程度(科目にして10から15)を取得し、さらに修士論文を書くことになっていますので、かなり忙しい学生生活になります。
カリキュラムは、将来の職業を意識したものと修士論文作成を想定したものとから構成されています。
授業形態は、さまざまですが、学生の知識ギャップが大きいため、一律の講義はあまり効果的でないようです。事例研究や学生側からのレポートなどを中心に行なわれることが多いようです。それだけ、学生側の負担が増えることにもなります。
さて、就職です。
心理学の大学院の場合、資格直結型でも、ただちに希望の職業につける状況には現在のところなっていません。非常勤職---かなり高給のことが多い---はかなりあるのですが、安定したポストが公務員に限られているというのが現状です。
就職という点では、リカレント型、それも休職か派遣で1年---大学には1年だけ通い、2年目は職場で仕事をしながら論文を書くという制度もあります---か2年学ぶというのが一番です。
57行まで
Q5-* 心理学関係の大学院が増えていると聞きましたが、大学院ではどのような授業がどのように行なわれているのですか。また、大学院を終了すると、どんなところに就職できるのですか---心理の大学院
最近、心理学の大学院がたくさんできているのは、もっぱら、臨床心理士の資格取得に必要なカリキュラムを提供する2年間の修士(マスター)課程です。
臨床心理士資格認定協会が指定する大学だけに限定されていますので、その資格に興味のある人は、協会のホームページで確認してください。
このように資格直結型、あるいは職業直結型の大学院・修士課程が増えてきたのが、最近の際立った傾向です。それを博士課程にまで拡大しようという動きもあります。
これらは、専門職大学院****チェックと呼ばれて、従来の博士課程まである研究者養成をめざした大学院とは区別されています。
まず、専門職大学(修士)のほうから。
ねらいは、高度職業人の養成です。理工系のように、4年間の学部教育の上にさらに2年というタイプ(4+2型)と、いったん社会人になって経験を積んでから大学院に入り直すタイプ(レカレント型)とがあります。一つの専攻の中で、分けて合格者を決めることもあります。
2年間で30単位程度(科目にして10から15)を取得し、さらに修士論文を書くことになっていますので、かなり忙しい学生生活になります。
カリキュラムは、将来の職業を意識したものと修士論文作成を想定したものとから構成されています。
授業形態は、さまざまですが、学生の知識ギャップが大きいため、一律の講義はあまり効果的でないようです。事例研究や学生側からのレポートなどを中心に行なわれることが多いようです。それだけ、学生側の負担が増えることにもなります。
さて、就職です。
心理学の大学院の場合、資格直結型でも、ただちに希望の職業につける状況には現在のところなっていません。非常勤職---かなり高給のことが多い---はかなりあるのですが、安定したポストが公務員に限られているというのが現状です。
就職という点では、リカレント型、それも休職か派遣で1年---大学には1年だけ通い、2年目は職場で仕事をしながら論文を書くという制度もあります---か2年学ぶというのが一番です。
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