未来――頭が元気になる習慣づくり
「明日があるさ!」
●時間が飛ぶ
たった今、東野圭吾著「パラドックス13」を読み終えたところです。13秒間だけ時間が飛んで、その間に生命を失った人だけが別次元の世界に並行移動して、大災害の発生している東京都内でサバイバルする様を描いた、一種のサイエンス・フィクション(SF)です。そういえば、タイムマシーン映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」もありました。
SFでは、時間を取り上げるのは定番メニューの一つです。それほど、時間が、人間の意のままにならない不可思議な存在だということかもしれません。
それはさておくとして、今回は、「未来」についてです。
気持ちを元気にするために未来を活用するという意味で、ややおおげさに、「未来療法」と呼んでおきたいのですが、その話をしてみたいと思います。
●時間を心でコントロールする
物理的な時間をとめたり、早めたりすることもできます。心理的時間の世界です。たとえば、楽しいことをしているときには、時間はあっという間に過ぎ去ります。
あるいは、その中を行ったりきたりするのは、SFの世界でしか出来ないように思いがちですが、頭の中では、それがいとも簡単にできます。たとえば、
・もしあの時、あーしていたら、あーなっていたら(過去へ)
・自分が総理大臣になれるなら、あーしたい、こうしたい(未来へ)
未来についても、自在に自分なりに頭の中ではコントロールできます。
究極の未来である死さえも、イメージすることがでます。
明日の試験の場での自分なりの振る舞いをイメージしてみることもできます。
メンタル・タイムトラベルですね。
これを活用して、心の元気づくりのコツを考えてみます。
● 癒しとしての未来を設計するコツ
過去から現在、そして未来への時間は流れます。普通は、そこに一貫性のある物語があります。それが幸福物語なら問題ないのですが、長い人生、いつもそうなるとは限りません。
忘れたい過去もあります。
逃れたい現在もあります。
そんなときには、未来も暗くなります。不幸物語ばかりが頭の占領することになります。
そんなときには、過去、現在と断絶した未来を空想してみることをおすすめします。もっというなら、誇大妄想のおすすめです。
宝くじで1億円があたったことを空想してみるのです。
大好きタレントとの結婚式を妄想してみるのです。
自分の頭の中でできないなら、シンデレラ物語風のDVDでも見るのです。
これは、現実のつらさからの逃避になります。しかし、現状がどうにもならない窮地であるときならば、とりあえずの心の避難所としては、あってもよいと思います。
● 元気づけとしての未来を設計するコツ
これがここでの王道になります。
過去、現在を踏まえて、よりプラスの方向のイメージを描くことになります。勉学に励んできたこれまでの自分が目標に到達できたことをイメージするのです。成功イメージですね。
これが空想や妄想と違うのは、一つは、時間的な一貫性です。過去、現在の延長線上のちょっと上にあるという感じです。
もう一つは、達成イメージです。現在の時点で設定した目標が達成できた時のイメージです。
これが明確に描ければ、そこから逆に現在に戻って、現在の状態をチェックすることもできます。
なお、ここでは、自然な気持ちで未来にゆだねるくらいのゆったり感も時には大事です。やるだけやった、あとは、運を天にまかせる心境ですね。