●記憶データベースの形成過程と検索経験
Formation of memory database and retrieval experiences.
研究課題番号:60510044
代表者
• 1985年度~1986年度
o 海保 博之
o Kaiho, Hiroyuki
o 研究者番号:60035326
o 筑大・心理学系・助教授
•
この研究課題のドキュメント
1985年 • 採択課題
1986年 • 採択課題
• 研究成果報告書概要
• 研究成果報告書概要(欧文)
研究課題基本情報(最新年度)
• 研究期間
1985年度~1986年度
• 研究分野
心理学
• 審査区分
• 研究種目
一般研究(C)
• 研究機関
筑波大学
• 配分額
o 総額:900千円
o 1985年度:500千円 (直接経費:500千円)
o 1986年度:400千円 (直接経費:400千円)
研究概要(最新報告)
60年度,61年度にわたり、次の2つの研究成果をあげた。ひとつは、文献研究である。検索経験の種類や深さによって、検索された記憶情報がどのような変容を遂げるのかを中心に、過去の関連する論文を概観し、さらに今後の展望を行ない、全体が、およそ2万字に及ぶ論文に仕上げた。その論文では、まず、用語の定義と論文の枠組を示したのちに、以下、検索経験とメタ記憶,検索経験の効果を査定するための3つの実験パラダイム,検索経験と記憶データベースの形成,まとめと今後の問題の順に論を進めた。素材としてもっぱら用いたのは、テスト期待の知見と、質問効果の実験結果である。これらを、あらためて記憶データベースの形成という観点からとられ直すことが、この論文の趣旨となっている。もうひとつは、実験研究である。この実験では、深い処理と浅い処理を要求する検索課題を経験することが、記憶情報の定着,関連性,検索対応性にどのような影響をもつかを検討した。実験の概要は次の通りである。8項目から成るリストの提示後に、提示項目についての異なった質問をすることによって、検索処理の深さを制御し、4リスト24項目(反復項目あり)全ての「提示-質問」が終了したら、24項目の最終自由再生をさせた。予想とは異なり、もっとも浅い処理を想定した、項目の有無をたずねただけの再認群の再生成績が、もっとも深い処理を想定した下位カテゴリー判断群とほぼ同じくらいの成績であった。しかし、項目間の機能的関係性をつけるという点では、下位カテゴリー判断群の方が優れていた。以上2つの研究を、今後はテストの質問内容とそれに対する検索方略の問題へとつなげていくことが、ひつとの方向として考えられることがわかってきた。
Two kinds of research works have been carried out from 1985 to 1986.
One was to review literatures relevant to this project in which types and depth of retrieval experiences had been examined in connection with the formation of memory detabase. The following topics have been dealt with in the paper. (1) meta-memory and retrieval experiences. (2) three experimental paradigms to assess the effects. (3) effects of retrieval experience on the formation of memory detabase. Throughout the paper, I've reexamined the experimental results of test-expection and questioning effects in terms of retrieval experiences.
Another work was an experimental research. In this experiment, depth of retrieval was controlled by different types of questions to the items presented. It was confirmed that memory database was more firmly build up if deeper retrieval was required to answer the questions.
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