April 16, 2013
「心を動かすデザインの秘密」 荷方邦夫著
金沢美大に勤めて12年目。専門の認知心理学や教育心理学のほか,ずっと「人間の心からみたデザイン」の話をしてきました。ある時は知覚の話をし,ある時はギブソンやノーマンの力を借りながら,いろいろやってきました。デザインを作る側にとっても,デザインを受け取る側にとっても,一番中心になるのは「人間の心」なのに,それに関する書籍はなかなか増えないどころか,学問としてのデザインからデザインの当事者が離れつつある。だったら書いてみようと思い立ち,無謀とも言える試みに実務教育出版が快く支援をしてくれ,1年かけてこしらえたのが本書です。
内容は,デザインと人間の関係,とくに人間がどんなデザインに心惹かれ,意味を見出すかについて認知研究の様々な視点から説明を試みています。それだけではなく,デザインの現場ではどんなことが起こるか,どうやってデザイナーは発想しているのかなど。これまでの学問の枠にとらわれない「デザイン」を考えるようにしました。最後に,学問としての「デザイン」をどう考えるかまで,自分なりに考えてみました。
今回,「デザイン心理学」ではなく,思い切って「認知デザイン学」という新しい世界を提案しました。心理学でも認知科学でも感性工学でもなく,何かの学問の応用ではなく,デザイン学という世界に腰を据えて,さらにその手法として認知心理学・認知科学を応用しようというのです。デザインの当事者,デザイナーが自らの手で自らの仕事を学問として語る機会が増えるよう,「学問としてのデザイン」を強く意識しています。おそらく未来において,デザインという行為がより進化するためには,それが重要になってくると思うのです。
学問の端っこにいる私が,乏しい力で書いたものですので,不足は重々承知です。どうぞ忌憚のない意見をいただければ有難いです。
「荷方の「不定期」ブログより引用)
「心を動かすデザインの秘密」 荷方邦夫著
金沢美大に勤めて12年目。専門の認知心理学や教育心理学のほか,ずっと「人間の心からみたデザイン」の話をしてきました。ある時は知覚の話をし,ある時はギブソンやノーマンの力を借りながら,いろいろやってきました。デザインを作る側にとっても,デザインを受け取る側にとっても,一番中心になるのは「人間の心」なのに,それに関する書籍はなかなか増えないどころか,学問としてのデザインからデザインの当事者が離れつつある。だったら書いてみようと思い立ち,無謀とも言える試みに実務教育出版が快く支援をしてくれ,1年かけてこしらえたのが本書です。
内容は,デザインと人間の関係,とくに人間がどんなデザインに心惹かれ,意味を見出すかについて認知研究の様々な視点から説明を試みています。それだけではなく,デザインの現場ではどんなことが起こるか,どうやってデザイナーは発想しているのかなど。これまでの学問の枠にとらわれない「デザイン」を考えるようにしました。最後に,学問としての「デザイン」をどう考えるかまで,自分なりに考えてみました。
今回,「デザイン心理学」ではなく,思い切って「認知デザイン学」という新しい世界を提案しました。心理学でも認知科学でも感性工学でもなく,何かの学問の応用ではなく,デザイン学という世界に腰を据えて,さらにその手法として認知心理学・認知科学を応用しようというのです。デザインの当事者,デザイナーが自らの手で自らの仕事を学問として語る機会が増えるよう,「学問としてのデザイン」を強く意識しています。おそらく未来において,デザインという行為がより進化するためには,それが重要になってくると思うのです。
学問の端っこにいる私が,乏しい力で書いたものですので,不足は重々承知です。どうぞ忌憚のない意見をいただければ有難いです。
「荷方の「不定期」ブログより引用)