転職のキッカケに関する悩み
相談者:販売/26歳/男性
コミュニケーション能力の低い販売員。お客様が怖い!
悩み:
現在、アパレル関係の小売店で販売、接客をしています。
もともと私は暗めの性格で友達も少なく、人と話すのが苦手なんですが、接客を通して人と接することに慣れて、明るい自分になれたら…と思い、勇気をふりしぼって就職しました。
しかし、実際のところ、なかなか自分を変えることができません。
お客様へオススメ商品を売り込むべきなのに、話かけることができなくて店内をうろうろしているだけとか、衣類を整理するふりをしたりして、結局お客様から逃げてしまいます。
話かけて怒られたらどうしようとか、欝陶しいと思われたらどうしようとか考えてしまうと、とても怖くて軽く震えてしまう程です。
そんな私に、周りのスタッフや店長も呆れている様子です。
一念発起して就職した職場ですが、やはり自分には向いていないのではと、毎日欝な気分になります。
このままこの職場で頑張って成長するべきか、接客以外の、例えば事務職などに転職するべきでしょうか。
この相談には海保博之カウンセラーがズバリ答えます!
●これは、難しい相談!
いずれの回答のほうがよいのか、迷いに迷っています。
両論、つまり、転職のすすめと、今の職場でがんばることのすすめ、の2つについて、書いてみますので、参考にしてください。あなたなら、きっと、きっちりとした選択が出来るように思います。
その前に、一言。
ご自分の性格の弱点をかなり正確にとらえているように思います。そして、それを克服すべくあなたなりの「適切な」職業選択をされ、しかも、一生懸命に努力されているのは、大変ご立派なことだと思います。そこのところは、自分をほめてあげてください。
周りにみずからのいたらなさを押し付けて改善努力を放棄してしまう傾向の強い最近の若者をみるにつけ、衷心よりそう思います。
●転職のすすめ
自分にあった仕事というのは間違いなくあります。
あなたの能力、性格、好み、さらには使命感などが仕事にぴったりという場合ですね。
今回のあなたの悩みの出所は、性格の弱点を克服するためにあえて店員という「不適な職」を選んでしまったところにあります。
あなたの性格からすると、確かに事務職、それもコンピュータ相手の孤立作業など、一人でももくもくとできる仕事のほうが適職だと思います。
あらためて自分の性格にあった仕事への転職という方向でキャリア設計をしてみてはいかがでしょうか。
●今の仕事でがんばってみることのすすめ
まず、仕事へのあなたの考え方を根本的にあらためてください。
仕事は給料をもらうためのものです。あなたの性格を変えるためのものではありません。
店員という仕事、「買ってもらってなんぼ」の仕事です。そのためにどうしたらよいかだけを考えるべきです。考えてもわからなければ、教えてもらうことです。そしてそれを実践してみることです。
甘えてはいけません。自分の性格が仕事に合わないというのは逃げです。
仕事がうまくいった結果として、あなたが変われればそれはそれでよし、変われないとしても、それはそれでしかたがないのです。
仕事がうまくできなかったら、それはその理由で転職すべきです。性格を理由にしてはいけないと思います。それをしてしまうと、たぶん、転職してもまた同じ轍をふむことになるような気がします。