聴衆の注意を管理する
人の話を一方的に聞く時の注意の持続は、高々90分程度。その間にも、注意には変動がある。会場全体の注意レベルには、絶えず、意を配る必要がある。
まずは、注意を引きつける工夫である。
「校長先生の話」をする時には、模造紙にへたなイラストを描いて見せたり、ちょっとした実演してみせたり、クイズを出したりと、大学ではあまりしたことのないことをやってみたりした。それなりに効果があった(と思っている)。
次に考えるべきことは、プレゼン全体を通しての注意レベルである。
これを一定レベル以上に保っておかないとたちまち聴衆は寝てしまったり、飽きてしまう。
このためには、一つは、マルティメディア提示を心がけることである。口頭だけに頼るプレゼンはなく、スライドと文書、さらには演台でのジェスチャーをフルに使うことである。最近、パワーポイントによるプレゼンが普及してきて、演者が脇の演台のうしろに隠れてしまう形が一般化してきたが、これは、おかしい。演者あってのプレゼンである。
注意レベルを保つために有効なのは、聴衆とのやりとりを入れるのである。お説拝聴モードばかりが続くと注意レベルがどんどん低下する。そこで、対話モードにして注意レベルを上げるのである。随所でこれをやるとよいのだが、聴衆のほうからすると、迷惑。せっかく良い気持ちで聴いていたのに、なんでそんなことするの、というようなところもあるので、対話モードよりやや弱い、問いかけモードを随所に入れることもあってよい。
あとは、一時休憩である。90分を超えるようなプレゼンでは必須である。休憩すればまた注意のレベルは確実に上がるからである。