手術
これまで手術は3回。
最初が、ヘルニア。小学校6年生くらいのとき。手術のことはまったく記憶にないが、父の部下2人がお見舞いをもってきたのだけ覚えている。不思議なもの。
2回目は、足の膝にできた肉腫。高校2年の頃。当時マラソンをしていた。運動障害ではないかといわれた。けずった。手術そのものはどうということはなかったのだと思うが、麻酔によって尿が出なくなり導尿が気持ち悪かったのを覚えている。また、ラーメンを食べて胃痙攣をおこしてしまった。1週間くらい入院したが、そのとき、隣にいた県庁の職員の人がおもしろい人だった。いいなずけ(確か、彼がそういっていた)がつきっきりで看病していた。
3回目は、20年前、鼻たけとりの手術。脳に近いところだったので、手術そのものもまた手術後のガーゼの交換などもとてもつらかったのを覚えている。
さて、次はどんな手術か。
これまで手術は3回。
最初が、ヘルニア。小学校6年生くらいのとき。手術のことはまったく記憶にないが、父の部下2人がお見舞いをもってきたのだけ覚えている。不思議なもの。
2回目は、足の膝にできた肉腫。高校2年の頃。当時マラソンをしていた。運動障害ではないかといわれた。けずった。手術そのものはどうということはなかったのだと思うが、麻酔によって尿が出なくなり導尿が気持ち悪かったのを覚えている。また、ラーメンを食べて胃痙攣をおこしてしまった。1週間くらい入院したが、そのとき、隣にいた県庁の職員の人がおもしろい人だった。いいなずけ(確か、彼がそういっていた)がつきっきりで看病していた。
3回目は、20年前、鼻たけとりの手術。脳に近いところだったので、手術そのものもまた手術後のガーゼの交換などもとてもつらかったのを覚えている。
さて、次はどんな手術か。
「安全と健康」2013年1月号
「集中力」でミスを防ぐ
第1回
集中力ってどんなもの?
●プロフィール
教育学博士。1968年東京教育大学教育学部大学院博士課程中退。現職のほか、筑波大学名誉教授。主な著書に、「ミスをきっぱりなくす本」(成美堂文庫)、「ワードマップ;ヒューマンエラー」(新曜社)、
「失敗を「まあいいか」と する心の訓練」(小学館文庫)などがある。
集中力は「あるけど見えない」
小学生でも「集中力」という言葉は知っているし、集中しなさいと言えば、それなりの工夫さえできます。しかし、集中力そのものを「見せてほしい」と言われれば当惑することになります。
集中力に限らず、心のほとんどの機能はこのように、「存在は実感として認めるが、見ることはできない」という性質を持っています。
こんなときにその機能を説明したり考えたりするために便利な仕掛けが、「たとえ」です。心理学では、何かにたとえて心を研究するという研究方略が、これまでしばしば使われてきました。
というわけで、「集中力ってどんなもの?」という話をするために、集中力をエネルギーにたとえてみたいと思います。もっとも、たとえには、対象の物 を過剰に一般化してしまう危険性はあります。それでも、分かりやすさには代えがたいところがありますので、随所で使ってみたいと思います。
集中力は心身のエネルギーである
およそ動くものには、エネルギーが必要です。車にはガソリン、水車には水、電車には電気という具合です。
人の心身を動かすのに必要なのは、集中力です。集中力は心身のエネルギーなのです。エネルギーなので、それがなければ心身は動きません。たくさん使えば、心身も活発に動きます。
さらに、車のエンジンを心身の機能、集中力をガソリン、そのコントロールをアクセルにたとえて、集中力の特徴を指摘してみます。
集中力の特徴
①枯渇する
長時間ドライブしていると、ガソリンがなくなってきます。同じように、集中した状態が長時間続くと、どこかでガス欠状態になります。長時間でなくとも、心身の不調などで補給がうまくいかないときにも枯渇します。ガソリンタンクに穴が開くようなものです。
②補給が必要
枯渇したら、補給が必要となります。補給は、ガソリンの場合は外部からしますが、集中力というガソリンの補給は内部からもできます。
「集中!」と声かけする のが外部からの補給の例、「がんばるぞ!」と気合を入れるのが内部からの補給の例です。
③変動する
集中力のエネルギーが満タンでも、その使い方・使われ方によって集中力の発揮には時間変動があります。それは、ドライブと同じで、状況ややるべきこと、さらに心身の状態によってアクセルの踏み具合が異なるのに似ています。
④容量は人さまざま
集中力を蓄えることのできる容量、補給や使い方は人によって異なります。集中力の高い人・低い人がいますし、その発揮の仕方のうまい人・下手な人もいます。
⑤質の差がある
集中力はその高低が異なるだけではありません。質もさまざまです。ハイオクガソリンのようなものも、レギュラーガソリンのようなものもあります。
⑥コントロールできる
ハンドルで方向を、アクセルでスピードをコントロールできるように、集中力もその方向や程度をある程度コントロールできます。
集中力を考える枠組み
集中力を車のエンジン系にたとえてみました。これで大ざっぱなイメージは伝わったのではないかと思います。このイメージが、本連載を理解するためのベースとなります。その上で、連載の前半(第2回から第7回)では、次の枠組みで、ミス防止との関連での話を進めていきたいと思います。
選択 配分 持続
能動的 TVを見る 前方注意 休む
受動的 大音響にびっくり 歩きながらの携帯 騒音の中の作業
図 集中力の「3×2」の特性
集中力の特性を、「3×2」の枠組みで考えます(図)。
①集中力の3つの機能
――選択、配分、持続
集中力には、「何に向けるか(選択)」、それに「どの程度集中するか(配分)」、さらに、それを「いつまで持続させるか(持続)」の3つの機能があります。
②集中力2つの側面
――受動的集中力、能動的集中力
集中力は自らコントロールできる「能動的」な側面と、否応なしに集中させられる「受動的」な側面があります。たとえば車を運転するときに、前方に「集中する」のは前者、点滅信号で一時的に「集中させられる」のは後者になります。
本連載の前半では、これらを組み合わせて、 「集中力の「3×2」の特性」の枠組みをもとに 、集中力によるミス防止の話をしていきます。
「集中力」でミスを防ぐ
第1回
集中力ってどんなもの?
●プロフィール
教育学博士。1968年東京教育大学教育学部大学院博士課程中退。現職のほか、筑波大学名誉教授。主な著書に、「ミスをきっぱりなくす本」(成美堂文庫)、「ワードマップ;ヒューマンエラー」(新曜社)、
「失敗を「まあいいか」と する心の訓練」(小学館文庫)などがある。
集中力は「あるけど見えない」
小学生でも「集中力」という言葉は知っているし、集中しなさいと言えば、それなりの工夫さえできます。しかし、集中力そのものを「見せてほしい」と言われれば当惑することになります。
集中力に限らず、心のほとんどの機能はこのように、「存在は実感として認めるが、見ることはできない」という性質を持っています。
こんなときにその機能を説明したり考えたりするために便利な仕掛けが、「たとえ」です。心理学では、何かにたとえて心を研究するという研究方略が、これまでしばしば使われてきました。
というわけで、「集中力ってどんなもの?」という話をするために、集中力をエネルギーにたとえてみたいと思います。もっとも、たとえには、対象の物 を過剰に一般化してしまう危険性はあります。それでも、分かりやすさには代えがたいところがありますので、随所で使ってみたいと思います。
集中力は心身のエネルギーである
およそ動くものには、エネルギーが必要です。車にはガソリン、水車には水、電車には電気という具合です。
人の心身を動かすのに必要なのは、集中力です。集中力は心身のエネルギーなのです。エネルギーなので、それがなければ心身は動きません。たくさん使えば、心身も活発に動きます。
さらに、車のエンジンを心身の機能、集中力をガソリン、そのコントロールをアクセルにたとえて、集中力の特徴を指摘してみます。
集中力の特徴
①枯渇する
長時間ドライブしていると、ガソリンがなくなってきます。同じように、集中した状態が長時間続くと、どこかでガス欠状態になります。長時間でなくとも、心身の不調などで補給がうまくいかないときにも枯渇します。ガソリンタンクに穴が開くようなものです。
②補給が必要
枯渇したら、補給が必要となります。補給は、ガソリンの場合は外部からしますが、集中力というガソリンの補給は内部からもできます。
「集中!」と声かけする のが外部からの補給の例、「がんばるぞ!」と気合を入れるのが内部からの補給の例です。
③変動する
集中力のエネルギーが満タンでも、その使い方・使われ方によって集中力の発揮には時間変動があります。それは、ドライブと同じで、状況ややるべきこと、さらに心身の状態によってアクセルの踏み具合が異なるのに似ています。
④容量は人さまざま
集中力を蓄えることのできる容量、補給や使い方は人によって異なります。集中力の高い人・低い人がいますし、その発揮の仕方のうまい人・下手な人もいます。
⑤質の差がある
集中力はその高低が異なるだけではありません。質もさまざまです。ハイオクガソリンのようなものも、レギュラーガソリンのようなものもあります。
⑥コントロールできる
ハンドルで方向を、アクセルでスピードをコントロールできるように、集中力もその方向や程度をある程度コントロールできます。
集中力を考える枠組み
集中力を車のエンジン系にたとえてみました。これで大ざっぱなイメージは伝わったのではないかと思います。このイメージが、本連載を理解するためのベースとなります。その上で、連載の前半(第2回から第7回)では、次の枠組みで、ミス防止との関連での話を進めていきたいと思います。
選択 配分 持続
能動的 TVを見る 前方注意 休む
受動的 大音響にびっくり 歩きながらの携帯 騒音の中の作業
図 集中力の「3×2」の特性
集中力の特性を、「3×2」の枠組みで考えます(図)。
①集中力の3つの機能
――選択、配分、持続
集中力には、「何に向けるか(選択)」、それに「どの程度集中するか(配分)」、さらに、それを「いつまで持続させるか(持続)」の3つの機能があります。
②集中力2つの側面
――受動的集中力、能動的集中力
集中力は自らコントロールできる「能動的」な側面と、否応なしに集中させられる「受動的」な側面があります。たとえば車を運転するときに、前方に「集中する」のは前者、点滅信号で一時的に「集中させられる」のは後者になります。
本連載の前半では、これらを組み合わせて、 「集中力の「3×2」の特性」の枠組みをもとに 、集中力によるミス防止の話をしていきます。