守 一雄
『教職課程コアカリキュラムに対応した教育心理学』
松本大学出版会(¥1,200+税)
昨年「証拠に基づく教育」に焦点を当てた教育心理学の本を出版し、それを教育心理学の教科書として使った。しかし「定番」の教科書が扱うような内容がカバーしきれていないために、新しく教科書を書き直したのが本書である。ちょうどいいタイミングで、文科省が「教職課程コアカリキュラム」を公表したので、それに合わせて内容を考えた。一番の特徴は私一人で全部を書いたことである。
私の授業は「反転授業」に近い。授業の半分は学生が小グループに分かれてのディベートだし、レポートの書き方や、簡単なデータ処理の実習をしたりすると講義らしい講義は3回くらいしかない。そこで、授業では言えなかったことを全部ここに書いたのだが、書き上げてみると、大した分量にはならないことが自覚できた。それでも、これくらいのことがわかっていれば、「教育心理学のコア」としては十分だと思う。これで思う存分「反転授業」ができる。
数年前に、心理学の実験成果の再現性が40%以下であるという報告がサイエンス誌に掲載された。改めて考えてみると、教育心理学の研究成果も揺るぎないと言えるようなものはあまりない。「〇〇という現象は△△と呼ばれる」とか「××という説を唱えたのは◇◇という心理学者だ」という知識は、結局なんの役にも立たない。採用試験にそんなバカバカしい問題が出るので、それを大学で学ぶというのでは本末転倒なのである。そういったドウデモイイ知識を省いてしまうと、この本の内容程度しか学ぶべきことはない(と思う)。
この本を読むだけで、私の講義を聞いている気分になれるよう、表紙には自作の似顔絵も描いた。手に何か持って、料理でもしているようなイラストだが、帯を取ると何をしているのかがわかる。結局、この本で読者に伝えたかったメッセージは、このイラストに込めることになった。
松本大学出版会のおかげで、定価も1,200円(+税)とお手頃になった。(守 一雄)
『教職課程コアカリキュラムに対応した教育心理学』
松本大学出版会(¥1,200+税)
昨年「証拠に基づく教育」に焦点を当てた教育心理学の本を出版し、それを教育心理学の教科書として使った。しかし「定番」の教科書が扱うような内容がカバーしきれていないために、新しく教科書を書き直したのが本書である。ちょうどいいタイミングで、文科省が「教職課程コアカリキュラム」を公表したので、それに合わせて内容を考えた。一番の特徴は私一人で全部を書いたことである。
私の授業は「反転授業」に近い。授業の半分は学生が小グループに分かれてのディベートだし、レポートの書き方や、簡単なデータ処理の実習をしたりすると講義らしい講義は3回くらいしかない。そこで、授業では言えなかったことを全部ここに書いたのだが、書き上げてみると、大した分量にはならないことが自覚できた。それでも、これくらいのことがわかっていれば、「教育心理学のコア」としては十分だと思う。これで思う存分「反転授業」ができる。
数年前に、心理学の実験成果の再現性が40%以下であるという報告がサイエンス誌に掲載された。改めて考えてみると、教育心理学の研究成果も揺るぎないと言えるようなものはあまりない。「〇〇という現象は△△と呼ばれる」とか「××という説を唱えたのは◇◇という心理学者だ」という知識は、結局なんの役にも立たない。採用試験にそんなバカバカしい問題が出るので、それを大学で学ぶというのでは本末転倒なのである。そういったドウデモイイ知識を省いてしまうと、この本の内容程度しか学ぶべきことはない(と思う)。
この本を読むだけで、私の講義を聞いている気分になれるよう、表紙には自作の似顔絵も描いた。手に何か持って、料理でもしているようなイラストだが、帯を取ると何をしているのかがわかる。結局、この本で読者に伝えたかったメッセージは、このイラストに込めることになった。
松本大学出版会のおかげで、定価も1,200円(+税)とお手頃になった。(守 一雄)