●わかりにくさ耐性も大事
わかりやすさをコミュニケーションのなかに作り込めば、受け手が情報を取り込むために使う頭の努力は軽減される。
寝転んで聞いていて/みていても、わかるように作るというわけである。
しかし、そういうわかりやすいコミュニケーション状況に慣れてしまうこと
がいかに教育的でないかにも思いをはせなければならない。
とりわけ、子どもにとって、わからないことは受け付けないという学びの習慣ができてしまうのは好ましくない。
では、その趣向とは、どんなものか。具体的なものはスペースの関係で省くが、心がけとしては、次の3つが必要だと思う。
まずは、なんとしても、わからせたいとの強い思いが必要。
そこには、それが子どもにとって大事なことという暗黙のメッセージも含まれるからである。
2つには、子どもの頭の働きと知識への配慮が必要。
子どものもっている既有の知識を活用できる情報を手がかりに新しいことを教えるのである。たとえや具体例が大事になる。
3つ目は、教えすぎない、与えすぎない抑制が必要。
知っていることすべてを教えたい、与えたいとの気持ちは、子どもにとっては重荷になる。少しずつ小出しにするくらいの気持ちがあってちょうど良い。