人助け
「いい加減」な援助でいいのだ。がんばりすぎると、つい自分のやり方をおしつけて相手のンーズを置き去りにしてしまう。
しんどくなって長続きしないことも多い。
それに、やってあげすぎると、援助を受ける人たちの生きる力を弱めてしまう。
(鎌田實「いいかげんがいい」集英社)
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東日本大震災。これくらいの規模になると、被災者ならずとも、誰しもが途方にくれてしまう。
自分で心がけたのは、できるだけ早くいつもと同じように生活し、考え、行動すること。さらに、いつでもどこでも義捐金を(ユビキタス義捐金を)だった。
人助け。
なかなか難しい。
身の丈に合わない人助けは、長続きしないし、また助けられる人にも、もう結構ですよ、という気持ちにさせてしまうこともある。結果として、名言にあるように、生きる力を弱めてしまうこともある。
衡平理論*によると、助けてもらった人も自分がお返しできるくらいの助けのときに幸せ感がもっとも高いらしい。
今回の大震災くらいになると、個人の力での支援には限界がある。これからは、政治と行政の力に頼らざるを得ない。がんばってほしい。増税くらいはがまんする。
*● 衡平理論(equity theory)
経済的な助け助けられの2者関係における利得の衡平感にかかわる理論。この理論を福祉援助の場に援用する試みがあり、いくつかの興味深い知見が報告されている。土肥伊都子らの紹介によると、たとえば、多くの場で見られる一方的に援助をうける過剰利得状態と援助者側の過小利得状態はともに、必ずしも幸福感や満足感をもたらせないことや、社会的ネットワークと支援関係が衡平なほど孤独感が低いことなどが知られている。