
棚倉町の山本不動尊を15時前にでて、いそいであだたら高原キャンプ場にやってきた。スクーターのキャンパーのとなりにバイクをとめる。スクーター氏はたのしそうに焚き火で調理をしていた。

暗くなるとテントの設営がやりづらくなるので、17時までにキャンプ場につきたいと思っていたが、そのとおりの到着となった。

サイトにはワイルドなキャンパーが散らばっている。皆さん自分のキャンプ・スタイルが確立しているようで、筋金入りのアウトドアマンばかりの雰囲気だ。
ここはトイレが汲み取りなので人気がないキャンプ場だ。しかし私のようにそれを気にしない者にとっては、空いていて、自然に近いところがたまらなく魅力的な野営場である。だいたい私がキャンプをはじめた40年前は、キャンプ場のトイレは汲み取りしかなかったのだ。キャンプは大自然の中でたのしむものだから、それで当然なのである。水洗トイレやウォシュレット、温泉がなければキャンプできないと言う人もいるが、それならわざわざキャンプをしなくてもよいのではないかと私は感じる。

買い物と給油はすませてきた。日が暮れる前に手早くテントをたて、シュラフやマット、食器やランプなどの用意をととのえておいた。

暮れてきた。よい雰囲気である。

キャンプ場の前にある日帰り温泉のスカイピアにゆく。料金は510円だ。フィンランド式という低温サウナと大風呂がふたつあり、露天風呂はなしである。これまではバイクで5分ほどの岳温泉にいっていたのでスカイピアははじめてだ。キャンプ場から歩いてゆけるから、こちらのほうが便利である。

温泉で疲れをながし、風呂上りに休憩所でビールを飲んだ。

食堂は残念ながら閉店していた。メニューはもつ煮、餃子、シュウマイ、おでんなど。営業していれば利用しただろう。時刻は18時すぎ。ビールを飲みながらここでメモをつけた。

テントにもどり、ひとり宴会を開始する。今夜は満月である。月は見えるが星はすくない。

今宵の肴は馬刺し。そして地酒の大七。日本酒を空けると焼酎に切り替えて飲みすすむ。馬肉のタレはニンニク味噌に辛子入り。このタレが馬肉によくあう。馬肉がなくなった後は、この味噌をツマミとした。ひとりなのにキャンプの夜はたまらなく愉快に更けてゆく。息が白くなった。気温は10℃以下のようだ。