
舗装路の馬坂林道をとおって土呂部峠にやってきた。湯西川方面は通行できます、とある。

田代山林道は通行止めで、県道249号線で黒部にはゆける、とあるが、田代山林道の記述にきづかすに湯西川方向にすすんだ。そして途中で田代山林道の入口をとおりすぎていることに気づいて、田代山林道も通行止めだったと思い当たった。

湯西川温泉につくと水の郷という施設がある。昼時なのでここで食事をとることにした。

食堂でえらんだのは、蕎麦にばんだい餅のはいった鯖味噌汁のつく水の郷セット1150円である。

手打ちの蕎麦は素朴でおいしい。

鯖味噌汁とは鯖缶を味噌汁の具にしたものだ。これはどうなんだろうとおもっだが意外にもいけた。豆腐やえのきが入っているが、鍋にしたてれば酒のツマミにもなるとおもう。
汁にはいっている、ばんだい餅は白米をついて丸めたものだ。中には何もはいっていない。湯西川の郷土料理なのだそうだが、味もなく、もさもさとした食感で、美味しくない。しかもそのばんだい餅がふたつもはいっているからもてあましてしまった。水の郷には温泉があるが、緊急事態宣言中で閉鎖されている。このツーリング中は温泉さがしが困難になるのである。

水の郷のすぐ近くに、朝いちばんにいって通行止めだった前沢稲ヶ沢林道の北側の入り口がある。

4、5キロ先で通行止めとあるが、そこまで走ってみることにした。

沢にそって上ってゆく。林道はずっと舗装されていた。

往きは路上に棒のようにのびた蛇がいたが、帰りはいなくなっていた。死んでいるとおもったのだが、生きていたようだ。通行止めで引き返した。

湯西川ダムにたちよった。これから北上して福島の林道にゆくが、ハイエースにもどってセローを積んでゆくか、このままバイクで走るかまよう。

ダムには水陸両用の観光バスがいた。乗客たちはダム上を散策している。車にもどらずこのままセローで林道にゆくことにした。

会津西街道を北上して福島にはいり、七ヶ岳林道の入り口にやってきた。七ヶ岳林道は16、1キロのダート走行ができるのである。

入口から3キロで林道の入口をみつけた。しかしここはちがうと判断して先にすすむ。

七ヶ岳林道にゆくには舗装林道の途中で右に折れるのだ。しかし分岐がないまま十数キロすすみ、山頂の丁字路にでてしまった。看板には広域基幹林道・七ヶ岳線とある。

やってきた方向を見る。

丁字の右にはゲートがあった。

直進は完全に封鎖されており、右ゆくルートにはチェーンがはってある。

チェーンの横には警告文がある。キノコや山菜など、土地の人には大切なものなのだろう。剣呑な文章なので、ここからすぐに立ち去ることにした。

丁字路を左にまがって峠からくだってゆく。行き止まりになっているのではないかと不安におもって走っていると、大通りにでた。ここはどこだろうかと地図で確認すると、国道352号線の滝の原というところだ。七ヶ岳林道に入りそこねて、舗装林道を走りつづけてしまったのである。ということは、これではないと思った林道が七ヶ岳林道なのだろうか、とかんがえる。後日判明するが、分岐を見落としていたのである。15時半だった。

15時をすぎると冷えてきた。バイクではセーターやオーバー・パンツが欲しいほどだ。会津西街道を南下して車までもどってきた。

バイクの積みこみがおわったのは17時半だ。セローで福島まで往復したが、ハイエースにバイクをのせてゆくほうが効率的だった。

立ち寄り湯のできる施設をさがすが、公共の温泉は緊急事態宣言で休業している。そんななかで栗山にある四季の湯が営業していて汗をながすことができた。料金は500円で湯船は大きな露天風呂である。湯は熱くてヌルヌルとしたよい泉質だった。
ここで千葉からきたという方に話しかけられた。近くに別荘をもっているそうで、キノコ採りが趣味とのこと。今日も松茸が何本かとれたそうだ。キノコを部外者がとってもよいのかとたずねると、周辺は国有林なので、問題ないそうだ。キノコの季節から紅葉がおわるまでの数ヶ月間、鬼怒川にくらしているそうで、自宅には奥様がいるとのこと。そしてここにはこないそうだ。それは私も同じようなものだと話をした。
75くらいの方だった。この方とは露天風呂のこっちとあっちで離れて会話をしたが、これから車中泊をするなら、家にとまって呑んでゆけ、とさそわれた。それは丁重に辞退してさきに風呂からあがった。

今夜は道の駅湯西川で車中泊をすることにする。道の駅につくとテントをたてているライダーがいた。車中泊の車は5・6台である。ビールは四季の湯で、食材は福島のコンビニで買ってきた。

ピリ辛もつ煮こみをあたためる。

車内のようす。

ピリ辛もつ煮こみはそこそこ。

愛車の横でのむ酒がうまい。セローの燃費は40、5K/Lだった。