
2月25日。日曜日。道の駅かたしなの朝。天候はくもり。今日は岩鞍で2級のバッチテストをうけるつもりだ。前回シュテム・ターンだけ64点で合格をのがしているから、今日は合格証をゲットしたい。

岩鞍のHPをみると道に雪はないとのこと。気温はベースで-3、3℃、山頂で-6、4℃と冷えている。

岩鞍に移動してゲレンデにでた。この日はゴンドラがうごかないとのことで第3クワッドリフトにのる。

バッチテストのおこなわれる国体女子沢コースにいって、コースのチェックと最後の練習をする。前回のバッチテストでは何の準備もしなかったので、今回は悔いがのこらないよう、失敗しないように、できることはすべてやるつもりなのだ。

沢コースはアイスバーンの上にうっすらと雪がのっている状態だった。

前日雪がとけてそれが夜の冷え込みで凍ったのだろう。エッジがきかなくて、ものすごくむずかしい。

沢コースを試走していると、スクールのコーチも下見をしている。当然のことだが、バッチテストの前は、毎回バーンを確認しているのだろう。

アイスバーンにのると板のとまらないコースで練習する。いつものようにすべれない。これはかなりきびしい。どうしようかとおもったが、受験しなければ合格もしないのだから、テストをうけることにした。

9時すぎにスキースクールにいって事前講習とバッチテストの申し込みをした。2級は7000円である。

スクールのとなりでは、今夕開催される、岩鞍の50周年記念の広瀬香美コンサートの準備がおこなわれていた。事前講習は10時からなので、またアイスバーンのコースをすべりにゆく。なんだか練習ばかりでおもしろくない。それでもやれることはやりきることにした。

事前講習は沢コースではなく、エキスパートコースの下部でおこなわれた。沢コースがアイスバーンなのでこちらになったのだ。テストもここでおこなわれるとのこと。こちらの雪のコンディションのほうがよいのでホッとした。しかし事前講習がはじまると、前回とはまるでちがう評価なので面食らった。前回はターンの左右差はあるが、3種目とも合格点にいっている、という判定だった。それが今回はダメ出しのオンパレードなのだ。フォームが棒立ち、上下動が大きすぎる、立ち上がらない、膝をもっとまげる、荷重がたりない、直滑降の姿勢のままですべる、低い姿勢をたもつ、など。大回りも、小回りも、シュテムも、すべてダメ出しだ。前回はシュテムターンをすると、ほかの受講者に、このようにすべってください、とまで言われたのにである(それなのにテストでは64点だった)。それに前回はなかったターンの質をあげるというのが今回はくわわっていた。小回りでも谷スキーをつくるというのだ。前回はそんなことはもとめられなかった。数週間前と指導があまりにちがうから、戸惑う。別のスクールにはいったかのようだ。ただ前回指摘されたターンの左右差は言われなかったから、それは改善されたのだとおもう。

上下動が大きすぎるとのことなので、スキーを踏んで立ち上がり、抜重して板をまわすのではないか、とコーチにきいてみた。私がスキーをはじめた40年以上前は、スキーの教科書にそう書かれていたのだ。するとカービング・スキーは抜重しないとのこと。私がスキーをはじめたころはカービング・スキーはなかったのだ。コーチもそれをわかっていて話してくれた。左右の足をふみかえるくらいで、板をきりかえすとのこと。それでつとめて上下動をしないようにした。

12時前に事前講習はおわった。テストは13時すぎからで時間がないからおにぎりを用意していた。食事の時間をみじかくして最後の練習をするつもりもあったのだ。

昼食はスクールのとなりにある無料の休憩所でたべた。そしてテストまでの時間をつかって最後の練習をする。エキスパートコースにいって小回り、シュテムターン、大回り、とすべりこむ。しかしこんなことばかりしているとほんとうのおもしろくない。ただすべりにきたのなら、スピードをたのしんだり、コブ斜面でチャレンジしたりできる。それがおなじことのくりかえしだ。もちろんスキーが上達したい、刺激をうけてみたいとおもって、自分ではじめたことなのはわかっている。でもあまりにもテストにとらわれるので、今回受かっても合格できなくとも、しばらくバッチテストから遠ざかることにした。

13時15分からバッチテストははじまった。受験者は1級が30人、2級が19人とおおい。雪がふりだして板のひっかかるコンディションとなった。

1級の小回り、2級の小回り、とすすむ。いつものようにすべれた。

1級の大回り、2級の大回りだ。上下動しないようにしてすべる。

最後はシュテムターンだ。前回は後傾していたと64点がついて不合格になった種目だ。ポジションに気をつけ、遠くをみて、絶対に後傾しないようにしてすべった。

その後は1級の総合滑走と、不整地が利用できないため、コブをみたてて不連続小回りをするテストを見守った。

バッチテストは終了した。結果がでるまでの間に広瀬香美のスペシャル・ライブをたのしむ。4・5曲のミニ・コンサートだったがたのしめた。そして結果発表である。結果は不合格。しかも得点は小回り64、大回り64、シュテム64、と前回よりも悪くなっている。前回は小回り65、大回り65、シュテム64、だったのだ。ターンの左右差をなくして、前回よりもよくなっているはずなのに、この差はなんなのだろう。前回よりも合格の基準が上がったとしかおもえない。たったの3週間でだ。ちなみに1級の合格者は30人中で3人、2級は19人中で5人、とすくない。
バッチテストはペーパーテストのようにわかりやすいものではないのはわかる。しかし判定者や日によって基準がかわるのは納得できない。スクールには自分たちの理屈があるのだろうが、こんなに指導者の意見と判定がぶれるのでは、到底つきあうことはできない。たぶんスクールに声の大きな人がいて、その人物の意向で運営が左右される、風通しのよくない組織になっているのではなかろうか。
後日、スキースクールのコーチをしている弟に不合格のことを言うと、さすがに岩鞍はきびしいね、と感想をのべていた。合格基準が変わるのは納得できないと言うと、合格不合格のボーダーライン上にいると、そういうことがおこるとのこと。またコーチが言っていた抜重に関しては、抜重はする、と。物理的に抜重はスキーに不可欠だと。コーチはいろいろな場面で、適切だとおもう言葉をつかって指導するから、私の上下動をなくすためには、そう言ったほうがよいとおもったのだろうと。ただ聞いたほうはコーチの言葉にとらわれるから、弟もそれでずいぶんと悩まされたそうだ。でもコーチの言っていることはみな同じ、スキーの上達に資するためのアドバイスだ、と語っていた。

駐車場に佐々木商店さんがきていたので焼き芋をかった。家内がこの焼き芋のファンなのだ。

帰りにステーキの宮によってひとり残念会をする。

宮ロースステーキ180グラムに、

サラダバー、スープバーつきだ。

ステーキで傷心と怒りをいやす。

私はアトムの株主なので、支払いは全額株主カードでしはらった。バッチテストはしばらくやすむことにした。単純にスキーをたのしみたい。そしてもしバッチテストやスクールを受講するなら、他を利用することにした。