3時半に目がさめた。トイレにいってもう一度横になるが眠れなくなってしまった。昨夜は22時に寝たから睡眠不足ではないはずだ。早すぎるが出発することにした。
4時4分にパーキングをでた。料金は1600円だ。セブンイレブンで休憩し、5時すぎにすき家で朝食をとった。やっと牛丼屋の朝定食にありつけた。300円である。
小樽のフェリー乗り場にゆく前にガスを入れておくことにする。10,7K/L。単価は115円。セイコマにより船内での食料を購入した。
このままフェリー乗り場にいっても早すぎるので、小樽の運河でも見て時間をつぶそうと思い、フェリー乗り場を通過した。すると港でたくさんの人が釣りをしている。運河よりも釣りに興味があるから見物しにいった。釣り人の奥に停泊しているのがこれから乗るフェリーである。
岸壁なのでアジでも釣っているのかと思った。サビキ釣りで。しかし皆さんルアーを投げている。
ルアーの先に赤く染めたイカの短冊(赤タン)をつけていて、それを投げて棒引きするつり方である。玉網が大きい。これって、もしかして。
歩いてゆくと、釣れていた。鮭だ。
新巻になるサイズだ。鮭は汚れないようにビニールに入れられていた。
釣り人は大型の玉網とトンカチを持っている。鮭が釣れたらハンマーで頭をなぐって〆るのだ。堤防にそのときの血が飛び散っている。いやぁ、ワイルドだなぁ。男心をそそるよね。対岸にもたくさんの釣り人がいた。
見ていると警官が見回りにきた。鮭は海では釣ってもよいが、川は禁猟だ。ここは運河と港の境で、海のようで? 黙認のようだった。しかしフェリーの前で鮭が釣れるとはすごい。釣り人は地元の人なのだろうなと思ったら、とまっている車の中に湘南ナンバーと多摩ナンバーがいて、二重におどろいてしまった。銀ピカの鮭ではなく、婚姻色のでたブナの鮭だが、これが釣れたら嬉しいよね。
鮭釣りの後は運河と小樽駅にいってみた。
7時過ぎにフェリー・ターミナルに到着した。バイク固定の確認と荷物の整理をする。
出港は10時半、乗船開始は9時半の予定だ。ターミナルでメモの整理をした。
乗船時間が近づいたので車にもどろうとするとZⅡがとまっていた。ひどく汚れている。それだけでなくシートは破れ、ヘッドライトにはビニール袋がかけてある。オイル漏れもすごい。ピカピカのZⅡはゴロゴロいるが、これだけ使い込んだ個体はめずらしいのではなかろうか。東海ナンバーで65くらいの人がオーナーだったが、もしかしたらこの方も新車から乗っているのかなと思った。マフラーの洗濯バサミは何につかうのだろうか。
乗船前の風景。車もバイクもすくない。セローが3台いるがオフロードを走っているバイクはなかった。ライダーは初対面でも会話をはじめているが、その輪の中には入ってゆけない。トランポだと気後れしてしまうのだった。
自転車の若者もいる。大学のサークルかな。
バイクと自転車から乗船がはじまり、車は9時28分に順番となった。受付でベットの場所を指定してもらってゆくと、来たときとちがってツーリストBだ。じつは来るときがまちがってツーリストSにしたのである。でも一度Sを知ってしまうとBは嫌になってしまった。
そこで追加料金の2050円をはらってツーリストSに換えてもらったが、B寝台もガラガラに空いていたから、そのままでもよかった。
船が出港するのを見まもる。
出港を見るのははじめてのことだ。
バイクでは乗船と同時に風呂にいっていたから、いつの間にか船は沖に出ていたのである。
出港を見届けてから風呂にゆき、シーフードヌードルの昼食をとる。食後はロビーのテーブル席にかけてタブレットを見てすごした。
いつものようにメモの整理はしない。フェリーの窓からは積丹半島の神威岬が見えていた。これを眼にしたのもはじめてのことだった。
ビンゴ大会は来るときにビンゴ運がないのを再確認したで参加しなかった。しかし映画は見にいった。ネバーランドというファンタジーである。
コンサートも聴きにいった。会場にゆくとZⅡのライダーがいたので思い切って話しかけてみた。ZⅡは新車で買って40年のっているそうだ。壊れることもあるが、直せるし部品もあるとのこと。東海地方では有名なメカニックに面倒を診てもらっているとのことで、その方の名前を教えてもらい、ネットで検索すればすぐにわかると聞いたのだが、ヒットしなかった。40年はすごいですね、と言うと、もっと長く乗り続けている人もいるそうだ。
コンサートはカーペンターズやスタンドバイミーなどの英語の曲ばかりで感情移入できなかった。
16時から図書館戦争という映画をみるも、途中でやめてしまった。17時から窓辺のソファにすわり、海をみながらサッポロ・クラシックを飲みだす。
ビールを飲み終えて18時前に夕日の写真をとりにいった。
雲が多い。
甲板は肌寒くて半袖ではいられない。
何度この夕日を見ただろうか。
夕焼けは見られなかった。
北海道ツーリングは、幸せでも、そうでなくとも楽しめる。
車の走行距離 38キロ。
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