月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

180. 播磨国の西と摂津の東の太鼓(月刊「祭」2019.9月7号)

2019-09-10 10:31:00 | 屋台・だんじり・神輿-台車、骨組み、かけ声、楽器、担ぎ方-
●遠く離れた地の共通点
 太鼓台や屋台の分布地域の離れたところに共通する文化が見られます。「カタツムリ、マイマイ、デンデンムシのように文化の中心地に新しい言葉が定着し、外側に古いものが同心円型に分布する、方言周圏論的な広がり方をしている」わけではなさそうです。
 必ずしも同心円状の文化の分布にならない理由としてあげられるのは、江戸期の瀬戸内海地域の海運業の発達や、今日のインターネットやSNSの発達が挙げられると考えられます。
 今回あげる二地域の共通点は、なにによるものかはわかりませんが、ただ似ているのを感じていただければと思います。
 
 
●網干型屋台の太鼓文化
 播州人には馴染みある分類ですが、神輿屋根屋台も大きく二種類に分かれます。一つが灘型(練り合わせ型・その中でも浜の宮型、恵美須宮型などに分類されます。)、もうひとつが網干型(チョーサ型)です。
 網干型は、かつぎ棒はしなりやすい杉でできており、前後の端は背の高い人が担げるようにできており、身長の違う人が担ぎやすくなります。
 チョーサと呼ばれる差し上げ(放り上げ)で一気に屋台を差し上げる(放り上げる)所作をします。太鼓打(乗り子)は子どもがつとめます。化粧を施した乗り子は祭期間中は地面に足をつけません。
 チョーサの基本リズムはドンドド ドンドドの繰り返しで締めはドンとなります。
 
 
・魚吹八幡神社() 毎年10月21.22日
冨島神社(アクセス) 毎年10月24.25か直前の土日
・春日神社(アクセス) 毎年10月8日
 
 
●大阪市平野区杭全神社の太鼓文化
  一方大阪市の杭全神社の太鼓台は布団屋根です。播州のチョーサが秋の祭であるのに対して、杭全神社は夏の祭で、担ぎ手は浴衣を着ています。
 しかし、太鼓打は子どもで化粧を施し、地面につけられることがなく、この点は播州のチョーサと共通しています。太鼓のリズムはドンドドを3回繰り返した後ドンで締めるリズムで練り歩きます。差し上げ時と練り歩きの時の違い、繰り返す回数の違いはありますが、ドンドドを繰り返しドンで締めるリズムも共通しています。
 
 

 

・杭全神社(アクセス)  夏祭7月11日〜14日
       太鼓、神輿11.14   だんじり12.13
 
●思わぬ遠いところで類似したリズム
 思わぬ遠いところでも類似したリズムや掛け声がこれからも見つかるかもしれません。


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