天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】「記憶にございません!」試写会@39作目

2019年09月09日 | 映画感想
「記憶にございません!」試写会

三谷幸喜監督最新作。今回友達が当てた試写状を頂けたので棚ボタ的に試写会で鑑賞出来ました。E嬢毎度あざーす!
コレ、予告編見て「面白そうだな」と思って元々公開したら自腹で観に行くつもりだったからラッキーでした♪

あらすじ
病院で目覚めた男は寝間着のまま病院を飛び出し、街をふら付いている内に自分が史上最低の支持率で国民の嫌われ者「黒田啓介(中井貴一)」内閣総理大臣である事を知る。
黒田は演説中に国民から石を投げられて頭部外傷した事で政治家になって以降の記憶を一切合切喪失してしまっていた。
総理が記憶喪失と世間に知れたら国政が大混乱すると危惧した秘書官3人(ディーン・フジオカ、小池栄子、迫田孝也)はこの事実を家族にも打ち明けず3人だけの秘密にして黒田をフォローする事にしたのだが…

これは面白い!
三谷幸喜監督作品は全てではないけどいくつかは鑑賞していますが、個人的には「まあ面白い」「そこそこ面白い」「観て損はない」位の記憶(三谷ファンの皆さんすいません)
でも本作は自分かなり刺さったかなー。思いっきり「三谷ワールド」なのはいつも通りなんだけど、役者の使い方も良かったし終始笑顔でいられた。ダレるトコロもなかった。

まずキャストが豪華。
まあ、元々三谷作品はチョイ役にもこだわってビッグネーム使いまくったりして「人海戦術」なトコロありますが(苦笑)
でもこれだけのキャストを集められるという事は、それだけ役者から「三谷監督に使って貰いたい」「三谷作品に出たい」と思われている、という事に他ならない訳で。
主要メンバーからして錚々たる顔ぶれなのに、チョイ役で使ってる役者さんも名優揃い。今旬の田中圭君をオイシイ役に持って来てるのも上手い采配。
それからコレも「三谷作品あるある」だけど「意外な人物が意外な姿で登場ネタ」、今回は試写会だったので上映前に「有働アナ」が出演されているという事は知らされていたんだけど初見全く気付かず、2回目の登場の際に「あれ?この声ってもしや…え、まさか!?」そして3回目の登場で完全に有働アナ認識…いやコレほぼ特殊メイクの域だろw
本作CX系がスポンサーみたいだから多分ムリなんだろーけどさー…公開記念に是非あのメイクとヅラと衣装で「ZERO」に出て欲しいわぁ~!!
有働アナよりもっと衝撃的だったのは…ROLLYだわ!アレは絶対に最後の最後まで全く分からんかったわマジで!!

小ネタで延々笑わせていく趣向なのは通常運転なんだけど、本作の小ネタが一々ツボったんだよな。本当に「はぁ?」「ケッ」って思うネタが1つもなかった。
だからコレは本当に個人的な好みの範疇になってしまうので自分のレビューはアテにして欲しくないんだけど、単純に本当に「自分には刺さった」というだけでw

まあそんなこんなで小ネタをとりあえず横に置いて話の本流は「記憶喪失になった人間が記憶を無くした事で人生をリセットさせて生まれ変わる事が出来るのか」という話。
「生まれ変わる事が出来るのか」と言うよりも「生まれ変わるっきゃない!」という感じなんですがw
本作の主人公が元々本当にヘドが出る程クソ野郎だったのに→記憶喪失になった事で極々フツーの善良なおっさんにクラスチェンジしてしまった、というのがまた良かった。
ただね、これもちょっといいなと思ったのが…そんなクソ野郎がなんで総理大臣になれるんだよ?と思いながらスクリーンを観ていたんだけど、誰が見てもクソ野郎のはずの人間にも認めざるを得ない魅力はやっぱりあるんですよね。ダークで野心的な部分に引き寄せられる人がやっぱりいるんですよ。(だから割と対等な関係の愛人もいた訳で)
劇中でも「善人というだけでは政治家はやっていけない」みたいな会話が出てきます。自分もそうだと思う。
清廉潔白なだけでは国政を動かす事は難しいだろうと。いくら自分が「これこそが理想の政治だ!」と思っていても100%の国民の支持を得られる政治なんて有り得ない。
そこら辺にもサラリと触りながらもあくまでも小難しいポリティカルな部分は上手い具合に華麗にスルーしてエンターテイメントに徹した作りなのも好感触でした。

おディーン様の敏腕秘書キャラはかなりのマダムが萌える事必至ですが、おディーン様のキャラが「この人裏があるの?いい人?ヒール?」と悩ましいのもまた魅力。
同じように「かつては熱い気持ちもあったのに記者魂を金で売ってしまった男」を演じた佐藤浩市さんのキャラもなかなか奥深くて魅力的なキャラでした。
そして小池栄子さん、斉藤由貴さんのキャラもハマってたなー。でも女性陣ではやっぱ石田ゆり子さんが圧倒的に愛らしくて萌えたわー。
コレさー、三谷監督「も」絶対に石田ゆり子さんが「俺、好きなタイプなんだよねー」ってヤツなんでしょ?(薄笑)

中井貴一さんのコミカルな演技が本当に本作のキャラにマッチしていて最高でしたね。
彼はシリアスな凄みのある役も実に上手いと思うんですが、三谷監督が中井さんの魅力を更に一層引き出してくれていたと思います。本当にいい役者さんだなぁ。


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