天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】「劇場版 きのう何食べた?」@46作目

2021年11月03日 | 映画感想
「劇場版 きのう何食べた?」

よしながふみ氏著の同名タイトルコミックのTVドラマ化からの映画化。
TVドラマが相当ウケて放送中かなり話題になっていましたが…残念ながら自分1話も見てないんですなぁ。なんか話題に乗り遅れちゃって今更感があって(滝汗)
ただ、TVドラマになるもっと前に原作コミックの方は何冊か読みました。だからTVドラマとコミックの人物関係等の設定が同じなら何とか着いて行けるかな、と。

あらすじ
小さな法律事務所で働く弁護士・筧史朗(西島秀俊) は、同居する恋人の美容師・矢吹賢二(内野聖陽)の誕生日プレゼントとして京都旅行を提案。賢二は大喜びで旅を満喫するが、旅行中のある出来事をきっかけに、二人は互いに本心を明かせなくなってしまう。そんな中、仕事帰りの史朗は見知らぬイケメン(松村北斗)と賢二が親密な様子で歩いているのを目撃。動揺する史朗は、賢二にその青年のことを聞くことができず悶々とする。(Yahoo!Movieから丸パク)

どうやらコミックスとTVドラマはほぼ(というか完全に?)設定同じようでした。なのですんなり話は頭に入った。
コミックス読んでた時も自分の中では本作はBL系カテゴリではなくてあくまでも「お料理レシピコミック」のつもりで読んでいたので…因みに何故数冊読んだだけでその後読まなくなったのかというと、話中で登場するレシピが結構「めんつゆ」使うパターンが多いんですよね。自分一応専業主婦なのでなるべくめんつゆを使わないレシピを参考にしたくて…という訳で本当に自分の中で本作の「BL」部分は頭から追い出して読んでいた記憶(苦笑)

さて、本作はその自分が頭から追い出していた「BL」部分をよりコミカルに、且つ時々ハラハラ、時々ウルウル、時々ほっこりドラマとして膨らませていた印象。
勿論劇中にシロさんが作るお料理レシピ(ベテラン主婦・佳代子さんのお料理レシピも!)がいくつも登場します。
ローストビーフが全くローストしてないから「え、ローストビーフ…じゃないよね?コレ」と思いながら観てたら劇中でも「ローストしてないじゃん!」ってツッコミ入れてて笑ったワ。それから黒豆イマドキあんな時間掛ける人いるのか?自分は古釘入れて水で戻したら後は調味料ドサーッと入れて圧力鍋で一気に加熱して終わりだぞ(滝汗

あー↑上の「BL部分は頭から追い出して」…の記述で誤解を受けそうですが、自分はLGBTQに関してフラットなタイプだと思っています。
特に差別する気持ちはないし特に持ち上げる気持ちもない。そして自分のリアル友達や知り合いの中にカミングアウトしているゲイの方がいらっしゃらないのでガチゲイの方々が実際はどんな様子なのか今一つ分かっていないのですが、内野聖陽さん演じる「ケンジ」が神懸かり的に愉快なキャラだったなぁ!
なんて言うか…こういう書き方したらゲイの方は怒るのかも?しれないけど、多分世の中の多くの「ゲイ」の知り合いがいない人が思い描いているであろう「ゲイキャラ」を、違和感なく且つ好感の持てる感じにデフォルメしているなーと感じました。何と言うか、「愛おしい」という表現が一番しっくり来るのかな。
で、西島秀俊さん演じる「シロさん」のキャラが…実際多くのゲイの方はコッチだよな、とも。フツーにカミングアウトしないで生きていたら恋人が同性だろうと異性だろうと反応は同じなんじゃないかなと思うしむしろそれが当たり前だろうと。ただ、周囲の反応が違うだけの事ですよね。

という訳で、劇中シロさんのご両親がお正月にもうケンジを連れて来ないでくれと頼んでくるエピソードが出て来ます。更にそのネタに被せるようにケンジサイドでもケンジの母親から実家の美容院を継がないか、地元に戻ってこないか、いつまでも今の恋人と一緒に居られる保障はないだろう…的な話をされるくだりがあります。
ゲイカップルだから色んな事に敏感に反応してしまうのは致し方ないけれど、これらのエピソードは普通の男女のカップルにだって往々にして有り得る話だと思います。
やれ家柄が違うだの学歴がどーのこーのだの片親だから云々だの、世の中難癖付ける人はいくらだっているし今や婚姻したカップルの1/3は離婚するというデータすらある。
ただ、本作が好印象だったのは、ケンジを受け入れられないシロさんのご両親の事を決して悪し様に罵る訳ではなく、高齢の良識のあるごく普通の両親だと認識した上できちんと真正面から向き合っている、両親に対してだけでなく恋人のケンジに対してもちゃんと話し合う努力をしている姿を描いているという事でしょうか。
「ゲイカップルだから」ではない。ちゃんと「人×人」の人間ドラマとして秀逸な脚本だったと思います。

ま、小難しい書き方しましたが…笑って笑ってウルッと来てまた笑ってほっこり出来る。
正直「映画化するレベルの話か?2時間ドラマで充分な気がするけどな」とは思ったものの(苦笑)、映画でなければ自分観る事なかったと思うのでやっぱりコレでいいんだなw
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 旅行の友 | トップ | 【映画】「老後の資金があり... »

コメントを投稿

映画感想」カテゴリの最新記事