事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

福田雄一で酷暑をしのぐPART2 「新解釈・日本史」(2014 MBS)

2020-08-30 | テレビ番組

PART1「斉木楠雄のψ難」はこちら

ひょっとしたらこうであったかもしれない(と福田雄一が考えた)日本史のエピソードの数々。すべてムロツヨシが主演しているのでどのような具合かはご想像のとおり。

織田信長は本能寺で切腹したくなくてグズグズしているし、西郷隆盛桂小五郎(木戸寛治と改名したことでひとギャグあり)の会談の場で、坂本龍馬はコーディネーターとしてまったく無能だったとか……

笑ったのは石川五右衛門の処刑前日の回で、釜茹での刑を五右衛門は熱湯コマーシャルと同じレベルでしか考えてなかったあたり。しかも釜に入っているのはお湯ではなくて油らしいと聞いて

「……から揚げ?」

あはははは。まあ、衣をつけたりしたらそれはそれで怖いけどね。

非常に濃いキャラの予備校講師、金谷俊一郎さんの解説がDVDにはついてて「そうであったかもしれない」度を星の数で採点。10回でこのドラマが終わったことをこの人がいちばん残念がってました(笑)。

PART3「聖おにいさん」につづく

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コード・ブルーその4

2020-08-23 | テレビ番組

その3はこちら

山下智久の祖母は、自分が育て上げた孫を見ても認識することができない。そして、金銭に異様に執着している。

車椅子に祖母を乗せ、病院の売店に連れていく山下。祖母は狂ったようにお菓子を買い物かごに入れ続ける。

「ばあちゃん、そんなに食べられないだろ?」

「耕作(山下のこと)はひとりでがんばってるんだよ!がんばったらいっぱいお菓子を買ってあげるって約束したんだ!耕作はがんばってるんだよ……ばあちゃんは、こんなことしかできないんだよ」

絶句する山下。仲間たちもふたりのやりとりを遠くから見ている。

常にクールで、それまでニコリともしなかった山下は、祖母を抱きしめて泣き崩れる……ここで泣けない奴は人間じゃねえ!

こんな感じで、毎回毎回泣かせの連続。

ん、こんなパターンのドラマ、前にもあったぞ。そう「JIN-仁-」だ。あの精緻な森下佳子脚本は、ワンパターンとのそしりをおそれず、堂々の泣かせドラマを構築していた。あのテーマソングが流れると自動的に涙が流れるほど(マジ)。

さあコード・ブルーはどうだろう。脚本は林宏司。これまで「医龍」や「離婚弁護士」「ハゲタカ」などのヒット作を書いた人だ。このドラマではミスチルの「HANABI」が流れ

♪もう一回もう一回♪

で条件反射的に涙が。簡単な客だよおれはよ。

林宏司は近ごろ話題になった朝ドラ「エール」の降板劇でも有名。実は「コード・ブルー」も途中で降りているんだけどそれはまだ先の話。

シーズン1を見終えて、まだリリー・フランキーは出てこない。早くシーズン2を見なくっちゃ。ちょっと待っててね。

ということで2nd シーズンにつづく

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コード・ブルーその3

2020-08-22 | テレビ番組

その2はこちら

ここからは面倒なので役名ではなく、俳優名でいきます。

フェローたちのバックグラウンドは以下の通り。

新垣結衣は恵まれた家庭に生まれ、成績優秀。ということで家庭的な部分はほとんど描かれず、だから医療的な悩みは彼女を中心に描かれることが多い。

・浅利陽介は普通の家庭の出身で、地元の秀才として医師をめざすことにプライドをもっている。しかし性格的に弱く、スキルも不足。柳葉敏郎に転院を命ぜられたりする。

・戸田恵梨香ははねっかえりの性格のために父親(清水紘治)と衝突してばかりいる。その父親が彼女の身の回りの品を一生懸命に磨くシーンは泣ける。愛されているのである。

・悲惨なのはフライトナースの比嘉愛未で、恋人が筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症したため、彼との関係と、自分が医療従事者であることの相克に悩んでいる。白衣の天使だって、自分がかわいい。

ついでだから言っておくと(ついでに語れる話ではないが)、先日の、ALS患者への委嘱殺人はまことに奇妙な事件だった。問題が、安楽死云々とは微妙にずれているような気がするのだ。わたしはどんな場合でも延命につとめるべきだとは考えない。世間の考え方も次第に安楽死に理解を示し始めていると感じる。

けれど、今回のケースは、死を“請け負った”医師たちの上から目線がどうにも気になる。使命感にこりかたまり、まるで自分たちが神であるかのようだ。医師は神ではないという問題に常にぶちあたるコード・ブルーを、あのふたりは見たのかなあ。

あ、フェローの話のつづき。実は主役の山下智久がもっとも悲惨かもしれない。父も母もなく(あれ、リリー・フランキーは?)祖母(島かおり)によって育てられた彼の病院へ、その祖母が認知症のために入院する。以下次号

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コード・ブルーその2 がんばれ山下智久

2020-08-17 | テレビ番組

その1はこちら

ストーリーは、ドクターヘリを導入している大学病院に、フェローと呼ばれる4人の研修生がやってくることから始まる。

・医学部教授の娘で、医学知識豊富な優等生である白石恵(新垣結衣

・つっけんどんで他者を攻撃ばかりしているが、情にもろい緋山美帆子(戸田恵梨香

・ドジで愚図な、しかし患者とのコミュニケーションに長けている藤川一男(浅利陽介

そして主役の藍沢耕作(山下智久)のキャラは

・ニコリともせず

・救急救命を自分のスキルアップの場だと考え

・外科医としてのセンスはピカイチ

……みんなキャラが立ってます。

彼らを受け止めるのは、フェローたちを嫌っている(と広言する)指導医の黒田(柳葉敏郎)。ドクターヘリという、金がかかるしリスクも大きいシステムを積極的に導入した救命センター初代所長の田所(児玉清)。このあたりは踊る大捜査線HEROのイメージキャストだ。

どんな修羅場にも冷静に対処できる、しかしその背景にあるものは……な産婦人科医の三井にりょう。強面なのに愛妻家のパイロット、梶に寺島進。

そしてもうひとり、フライトナースの冴島はるかを演じた比嘉愛未にわたしはびっくり。こんなにきれいな女優がいたのかあ。彼女といっしょの画面だと、典型的な美人である新垣結衣や、戸田恵梨香もちょっとかすむのよ。いったいどんな経歴の持ち主なんだろう……なんのことはない、朝ドラ主演女優だったのだ。その「どんど晴れ」を見ていなかったのでわたしだけさっぱりなのでした。

各エピソードは重い。医学知識だけでは対応できないとか、生命に順位をつけるトリアージに戸惑うとか。救急の現場だからこそ起こるドラマの数々。でもそれ以上に「コード・ブルー」を特徴づけているのはホームドラマの部分だ。ああまだリリー・フランキーが出てこない。んでこのタイミングで山下智久活動自粛かよ以下次号

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コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-

2020-08-13 | テレビ番組

始まりはラジオだったの。

近ごろわたしが夢中なのはTokyo FMで土曜夕方4時からやっている「スナックラジオ」。一時間だけやる昭和なスナックという設定。

店主はリリー・フランキー。そしてバイトでほぼ毎週やってくるBABIという女性があまりにキレキレ。そこまでリリーの下ネタにつきあわなくていいんだよ。

わたしはこの番組と山下達郎の「サンデーソングブック」のためにだけradikoという、もはや説明もいらないくらい普及しているアプリを入れたぐらいだ。

で、FM山形で聴いているかぎりでは、ほぼCMも入らないようなのでこの番組はいつ終わってもおかしくない。

ところが、ある日「来週のゲストは山下智久さんです」と告知が。バイトたちは興奮しまくり。ど、どうしてそんなメジャーな展開に?

答は翌週、リリー・フランキーによってもたらされた。

「あのさあ、番組へのメールでいちばん多かったのは、どうしてリリーさんと山Pが仲がいいのかだったんだよ。きみたちはそれでも山Pファンかっ!コード・ブルーを見てなかったのか。おれはあのドラマで藍沢耕作の父親だったんだよ!」

藍沢とはコード・ブルーの主役でもちろん山下智久が演じていた。え、コード・ブルーってそういうドラマだったの?とわたしは驚いた。リリー・フランキーを父親役にするくらいに意識的なドラマだったのかと。

いやもちろん高視聴率でシーズン3までつくられたとか、劇場版の興行収入が100億を超えたとかいう“状況”は承知していても、ドラマ自体を見たことはありませんでした。

あれだろ?フジテレビのことだから、ジャニーズのタレントを主役にして、アメリカの医療ドラマのエッセンスをいただいて、若者たちの成長を年長者が見守るっていう、ありがちなスタイル?とか斜に構えてとらえていたの。

シーズン1を一気に見ました。確かにそういうスタイルではあったけれども、こんなに面白かったのか!?そしてそれ以上にこんなに毎回泣かせたのかよっ!以下次号

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「ドラマへの遺言」倉本聰& 碓井広義著 新潮新書

2020-04-11 | テレビ番組

遺言だから倉本聰の発言には遠慮がない。とんねるずとの「火の用心」は失敗作だったとか、ビートたけしへのむき出しの嫌悪とか。

「勝海舟」降板のあたりはわかっていてもなお、渋い。現在、朝ドラの脚本家の降板劇が話題になっているが、こちらは果たして……

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「ゆとりですがなにか」(2016 日テレ)

2019-07-20 | テレビ番組

宮藤官九郎にはぜひとも訊いてみたいことがある。書き始める前に、どれだけ精緻な箱書きを用意しているのか、と。

ひょっとして書いているうちに自然に伏線が刈りこまれ、平仄が合うのだとすれば(どうにもそんな感じなんですよ)、おそろしい才能というべきだ。

いきなり最終回の話で恐縮だが、童貞の松坂桃李が小学生たちに性教育の授業を行うという皮肉で必死なシーンと、上司と関係した婚約者(安藤サクラ!)のことがどうしても許せず、結婚式をボイコットしようとする岡田将生の必死さがシンクロ。この展開はよほどの手練れな脚本家でなければ、あるいはドラマの神に愛される天才でなければ書けないはずだ。

タイトルどおり、世代のお話。上の世代から勝手にレッテル貼りをされてしまうのが世代論というものだが(ちなみに、わたしの世代は筑紫哲也によって“新人類”とネーミングされた)、ゆとり世代(まあ、便利だから勝手にレッテル貼りしよう)への上からの圧力がどれだけ強力で理不尽かがこのドラマで理解できる。

もっとも象徴的なのが、岡田将生の就活中の妹(元AKBの島崎遥香)だ。学生生活のほとんどを就活にささげたのに内定がもらえない彼女のいらだちは、まるで生殺与奪の権を従前からにぎっているかのような上の世代の醜さを露わにする。

それだけだとあまりに表層的なので、ここで登場するのが若者の話を“ひたすらに聞く”ことを商売にしている吉田鋼太郎だ。彼は若者を癒やすテクニックを持っているが、しかし私生活では最低の人間であることが息子(柳楽優弥)によって暴露されるおかしさ。そして、その最低の親子関係を感動にもっていくのが宮藤官九郎の得意技でもある。いやー泣かされた。

え、好評につきスペシャルドラマもオンエアされてたの?そっちも見なきゃ!

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「逃げるは恥だが役に立つ」(2016 TBS)

2019-07-08 | テレビ番組

情熱大陸、エヴァンゲリオン、真田丸(笑)などのパロディから各回がスタート。コンバースを履いて走るウエディングドレス姿の森山みくり(新垣結衣)のバックに

「契約結婚」

「小賢しい女」

などの字幕がかぶさる。そう、このドラマは「小難しい男」津崎平匡(星野源)と「小賢しい女」みくりの「契約結婚」のお話。まあ、解説するまでもなく、みなさん見ていたんでしょうけれども。

しかしこれはきわどいテーマだ。石川達三の「僕たちの失敗」を持ち出すと年齢がバレバレだけど、視聴者の共感を得るにはハードルが高い……ということでオープニングのパロディを初めとしたギャグが過剰なほどしこまれているんでしょう。あ、この手法は「99.9 刑事専門弁護士」と共通している。

就職の一形態として「事実婚」を選択するみくり。これだけだとお茶の間(死語)からバッシングを受けるのは必然なので、このカップルはセックスをしないルールを確立する。だけれども次第にお互いを、という流れは、視聴者が容易に予想できるがために受け入れられたんだと思います。このひねりはうまい。

星野源雑談集1」(マガジンハウス)を読んで、特にケンドーコバヤシとのエロトークに驚愕。そうか星野源の魅力とは、おしゃれな楽曲とエロとの落差にあるんだなと気づく。ということで、人気のこのドラマを見なくてはとレンタル。初回こそリズムが悪かったけれど、次第次第に面白くなる。高視聴率納得。

信長協奏曲」に続いてコミックの原作。レベル高いっすねほんとに日本のコミックは。肌合いとしては小林じんこの「風呂上がりの夜空に」に近いかな。

箱入り息子の恋」にしても、漫画からいきなり飛び出してきたような星野源の存在がなかったらおよそ成立しないお話ではなかったか。そしてこのドラマはセックスの部分から目を背けてばかりではない。その意味でも、新垣結衣とエロを軽快に語れる星野源は貴重な存在だ。

それとやっぱりラストの恋ダンスの素晴らしさよね(古田新太がさすがにうまいんだ)。つい練習したくなりました(しないけど)。日本版「40才の童貞男」として傑作。

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「信長協奏曲(コンチェルト)」

2019-06-18 | テレビ番組

フジの月9において、まあ、悪くはない視聴率ではあったけれども、さほど騒がれずにいた印象だったのに、劇場版は大ヒット。心底おどろきました。

ということでドラマ版と劇場版を続けざまにレンタル。

ああ、このストーリーはよく考えてあるとびっくり。戦国時代にタイムスリップした高校生サブロー(あまり成績がよくないので歴史を知らないのが後半に効いてくる)が、信長の身代わりとなり、“平成の常識”で天下統一にほぼ成功する。

平和を希求する姿勢で部下の心をつかむあたり、周到。しかし、ご存じのように織田信長は残虐な一面もあり(延暦寺の焼き討ちがその好例)、そちらは本物の信長の判断ということに……なるほど、協奏曲だ

豊臣秀吉が実は信長への復讐のために策謀をめぐらしていたり、視聴者がみんな信長は本能寺で死ぬことを知っているのでどう結末はどうつけるのかさっぱり読めない、とか(だから解決篇である劇場版がヒットしたのだろう)アイデアがてんこ盛り。

これはもう、まず原作の漫画がよくできているのだろう。ただいま鑑賞中の「逃げるは恥だが役に立つ」にしても、日本のコミックって本当にレベルが高いんだなあ。

信長&明智光秀(ミッチーと呼ばれる)の小栗旬は、高校生役がギリだいじょうぶ(笑)。秀吉(サルくん)の山田孝之は、邪悪さをむき出しにして楽しそう。池田恒興(ツネちゃん)の向井理は、ふたりの主君の間でゆれうごく感じをうまく出していた。

最高だったのは松永弾正の古田新太。タイムスリップしたやくざが、戦国の世が性に合っていて成り上がり、

「え、笑っていいとも終わったの?

と驚くあたりの愛敬がうれしい。問題は、妻を演じた柴咲コウ。信長をつねに「うつけ」と呼ぶツンデレぶりが激しく魅力的。そうだよ「おんな城主直虎」はこの線でやるべきだったんじゃないですか柴咲さん!

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99.9 刑事専門弁護士 シーズン2(TBS)

2019-06-03 | テレビ番組

シーズン1はこちら

高視聴率で終えたシーズン1から2年近く経ってシーズン2のオンエア開始。なんとTBSはここで主要キャストを変更してきた。

パラリーガルがごひいき渡辺真起子からアジアンの馬場園梓に。そして同僚の弁護士役が榮倉奈々から木村文乃へ。近ごろ絶好調の木村だけど、この変更はどうしてだろう。

まあ、低視聴率にあえいだとは言え、「神の舌を持つ男」でコメディエンヌとしての冴えを見せた彼女のことなので安心。というかわたし、彼女のことがけっこう好きなので全然OK。

今回の柱になっているのは「裁判官ははたして公正か」だ。シーズン1で東京地検のビッグボスだった奥田瑛二を辞任に追いこんだ斑目法律事務所の面々は、笑福亭鶴瓶が“眼だけは笑わない”演技で怖い東京地裁の裁判官と対決する。

「ええ判決せぇよ」

と同僚や部下に声をかける鶴瓶。いい判決とはなにか。元裁判官である木村文乃は彼を尊敬しているが……

シリアスなテーマをあつかっているだけに、むしろ喜劇的工夫が満載なのはシーズン1以上かもしれない。片桐仁の

「明石、行きまーーーす!」

は耳に残るし、TBSの伝統である楽屋オチも健在だ。にしてもサプライズゲストが長江健次、田中美奈子、IZAM、最終回にいたっては庄野真代って、どういうチョイスなのだろう(笑)。

シーズン1は父親をめぐる冤罪をあつかっていたために、沈鬱な表情をうかべることも多かった松本潤だが、2ではドラマの主体は木村文乃がなぜ裁判官を辞めたかに移ったため、むしろのびのびと親父ギャグをかまし、周りをふりまわす悪魔っぷりが加速している。

このどSぶりこそがこのドラマの最大の美点ではないかと思う。シーズン3の制作は必至でしょ。

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