事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「BG 身辺警護人 第1章」(2018 テレビ朝日)

2021-05-26 | テレビ番組

シーズン1をようやく見終えたばかりの感想です。

キムタクといえばフジテレビとTBSの占有物のような印象が強かったけれども、オトナの事情もありつつテレビ朝日とも組むことになった。オトナじゃないからそのあたりは詳しくないんですけど。

テレ朝としては失敗は許されないからキムタクとのコンビが多い井上由美子さんを脚本に起用。わたしにとって彼女とキムタクといえば「ギフト」だし、井上さんの最高傑作は高村薫原作の「照柿」でしょ。

さて、そんな鉄板なBGだったけれど、どうも最初は調子が出てなかった。作り手も「あ、こりゃちょっと違うな」と感じていたのだろう。テイストをコメディっぽく変えてきて、これが奏功した。後半はすごく面白いです。

このシフトチェンジがあったからこそ、別れた妻役で山口智子が登場するという驚きの設定がむしろ生きたし、最終話であの人が出るのも自然に思える。こりゃ、シーズン2も見なくっちゃ。

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重版出来! その2

2021-05-21 | テレビ番組

その1はこちら

「じゅうはんしゅったい、ってドラマ見てたか?」

妻や同僚に訊いてみる。

「ああ、編集者の話ね」

そこまではみんな把握しているようだ。でも見ていた人はわたしの周りにはいなかった。それどころか

「え、泣けるのそのドラマ。ふーん、うちはねえ、今それどころじゃないの。『キングダム』を見てたら××が死んじゃって、亭主と号泣」

そういうタイプの泣けるドラマじゃないです(笑)。

基本線は、新米編集者の心(こころ)が、先輩編集者(オダギリジョー松重豊荒川良々安田顕)や漫画家(小日向文世滝藤賢一)との交流のなかで成長していく物語。王道の教養小説ですな。

特にクールなオダギリジョーが魅力的。常に冷静な彼が動揺するくらいの事件が青年漫画誌を舞台に連発。営業と編集の確執、書店員たちの影響、読者アンケートの重要性など、「バクマン。」で語られなかった部分まで描かれ、お仕事ドラマとして最高。

そして、“消えた漫画家”という命題から逃げていないのもいい。往年のギャグ漫画家が失踪して以降の落魄など、週刊連載がいかにきついか、読者の期待がいかにプレッシャーなのかがきちんと語られている。江口寿史や鴨川つばめがこのドラマを見てどう思ったか聞いてみたいところだ(吾妻ひでおにはもう聞くことができない)。

そして、技術はないけれども天才的なひらめきを見せる新人を、心がどう育てていくかがもうひとつのテーマ。この、悲惨な過去を持つ天才を永山絢斗が演じていて、これがいいんだなあ。狂気の側に入りこみそうになる彼(そのままだと彼は確実に“消える”はずだ)を、健康そのものである心がこちらにひきとめるあたり、泣けます。

マンガ大賞の受賞者が誰になるかなど、ひねりのきいたラストもすばらしい。脚本は「逃げるは恥だが役に立つ」の野木亜紀子。すごい。

※いやそれにしても星野源と新垣結衣の結婚には驚きました。星野はこれでエロ動画から離れていくのかなあ(笑)

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「重版出来!」(2016 TBS)

2021-05-20 | テレビ番組

出来のいいドラマだとは聞いていたの。今期(2016年4月スタート)のテレビで一番!と評価する人はたくさんいた。

でも視聴率がうなぎのぼりという話も聞かなかったし、それでなくても連続ドラマをリアルタイムで見る根性がない人間なので、いつかDVDが出たら……と考えていた。考えていたんだけれども、「騙し絵の牙」を見るまで、このドラマのことをすっかり忘れてました。

編集者のドラマは受け入れられると騙し絵のスタッフに確信させたのは、きっとこのドラマの成功があったからだと思ったの。見てないのに(笑)。

で、一気にレンタルしましたDVD。見終わって呆然。こんなに毎回泣かせてたのかよっ!いやーこれだけ泣いたのって「JIN-仁」以来じゃないかな。すばらしかった。

ただ、低視聴率だったのもわかる。原作のコミックは未読なんだけど、“柔道に明け暮れていた体育大学出身の女子が、ケガをしたために出版社に入り、漫画の編集者として成長していく”ヒロインに黒木華って……ありえないでしょう?彼女は演技のうまい人だから、次第に暴力的な純粋さがはまっていったけれども、最初はかわいそうになるくらいすべってましたもの。

前言を翻すようで恐縮だけど、漫画家の物語は当たりが多いなかで、編集者というのは作者の意図が読み取れず、営業や上司の意見の代弁をしているだけ、ってのがティピカルなイメージ(いつもお世話になっているG出版のK編集長、あなたのことでは決してありませんよ!)。

だいたいタイトルになっている「重版出来(じゅうはんしゅったい)」を、出版物の広告でいつも見ていながら、ずーっと“じゅうはんでき”だと思っていたぐらいこの業界には暗いわたし。

だからどうドラマを構築するのかと思ったら、そりゃーもうみごとなお手並みなのでした。以下次号

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コード・ブルー シーズン3&劇場版

2021-02-08 | テレビ番組

シーズン2はこちら

サードシーズンに至って、コード・ブルーはその様相を少し変える。脚本が林宏司から安達奈緒子に交代した(ほんとに、なぜなんだろう)こともあるだろうが、なにより藍沢(山下智久)たちが指導する立場になっていることが大きい。初登場時の彼らのように、未熟で不安定な若者たちを。特に白石(新垣結衣)はスタッフリーダーに指名されていることで悩みは深い。

まあ、この後輩たち(Hey!Say!JUMPの有岡大貴、新木優子、馬場ふみか、そして成田凌)が頼りないことで藍沢や緋山(戸田恵梨香)が救急に復帰することになるのだが。

シーズン1と2で5人組の家族関係ネタは描き切ったと判断したか、今度は冴島(比嘉愛未)と藤川(浅利陽介)の恋愛、椎名桔平とりょうの息子の心臓移植の話がメインになっている。相変わらず泣かせるけれど、恋愛要素はむしろ邪魔だと怒った視聴者も多かったらしい。コード・ブルーとはそんなドラマでもあったわけだ。

確かに山下智久と新垣結衣を主役に持ってきて、恋愛要素がかけらもなかったのは立派なものだが、巨大病院なのにキャラがいつもエレベーターで会ってしまうあたりはラブコメっぽかったけどな。家族系を切り捨てたことで、残念なことにリリー・フランキーの出番はありませんでした。

そして劇場版。驚くほどの大ヒット。フジテレビも東宝も100億近く稼いでくれるとは予想もしていなかったろう。

でも、このヒットの原因は“劇場版とドラマのタッチがまったく変わっていなかった”ことだと思う。わたしは最終回を見てからすぐに劇場版をDVDで鑑賞したが、なんも変わってねーとびっくり。

作り手もわかっていたのだろう、映画館にやってくる客の多くは、長いことこの若者たちと伴走するような気持ちでいたことを。ま、わたしの場合はDVDで一気に、な客だけどこのシリーズにはいっぱい泣かされました。満足。

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「遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます」(2018 WOWOW)

2021-01-12 | テレビ番組

やっぱりレンタルビデオは実際に行ってみなきゃわかんないソフトあるな。こんなのあるって知らなかったもん。

人情派刑事のドラマを遠藤憲一主演で撮っていたら、どうにも仕方なく撮り直しをしなければならなくなる(その理由が次第にどうでもよくなっていく)。

そこで遠藤の知り合いが“偶然”やってきて演じていく。それはもう、思いっきり気持ちよさそうに。

起用されたのは小栗旬仲里依紗水野美紀高嶋政伸、そして桃井かおりなど。笑ったのは加藤諒の回で、彼は小学生の役を演じ直したのである。ありだよね。

アフターアワーズには宮藤官九郎も出ていて、「いだてん」と同時進行はしんどくなかったですかという問いに

「息抜きです」

と正直に(笑)。遠藤憲一がとにかく笑いを我慢できないあたりでこっちも息抜き。

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コード・ブルー シーズン2

2021-01-03 | テレビ番組

シーズン1の特集はこちら

さあ、♪もう一回もう一回♪というミスチルのエンディングテーマに押されたか、シーズン2開始。って今ごろ見てるわたしが遅いんだけど。

シーズン1に比べて明らかに改善されている点がある。研修医たちのスキルが上がっていることを強調するためか、医療器具の扱い方がスマートになっているの。簡易メスのカバーをバキッと折るとか。

誰も死なない回は(確か)ないんだけど、フライトナース冴島(比嘉愛未)の恋人、田沢の死には考え込まされた。難病ALSのために死にゆく彼は、優秀な外科医だっただけに自分の病状に意識的。うん、医者にはそういうつらさもあるな。そんな彼の退場は、冴島だけでなく、フェローたちにも影響を与えていく。

おっとようやくリリー・フランキー登場。スナックラジオでリリー自身が言っていたように、藍沢(山下智久)の父親役。

ここで祖母(島かおり)との間で

「おれの父親は死んでるんじゃなかったのか!」

的な愁嘆場があると視聴者は予想するが、手練れの脚本家、林宏司はそうしない。母親の死の真相についても

「嘘つきばっかりだ」

と山Pにクールにつぶやかせ、そして……。一筋縄ではいかない展開。きわどいけれども、うまい着地を見せたと思う。

きつかったのは緋山(戸田恵梨香……結婚おめでとう)の医療過誤の件。植物状態の少年の生命維持装置を、母親(吉田羊)から文書での確認なしに止めたことで休職せざるをえなくなる。患者の家族が、いきなり牙をむいてくる恐怖はわたしだって想像できる。

このドラマを見て、医者になりたいと思う人ってどれだけいるのかなあ(わたしが弱虫なだけだけど)。

シーズン3につづく

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「時効警察はじめました」(2019 テレビ朝日)

2020-10-01 | テレビ番組

12年ぶりに復活!とは言っても、由紀さおりの「……を、よろしくお願いします。」で始まり、ふせえり岩松了が絶妙にぼけ、半沢直樹のおかげで壮絶にブレイクしたらしい江口のりこがつっこみ、豊原功補は意味のない発言を連発、オダギリジョーはとぼけ、麻生久美子はいつも怒っているというコンセプトはまったく変わっていない。

大きな変化は、わたしは知らなかった吉岡里帆という女優の参加。うわーかわいい。この子は有望ですねえ……ってわたしだけが知らなかったんですかね。

ゲストも豪華です。小雪(ふっくらとして、もっとセクシーになってます)、中山美穂、向井理、中島美嘉、最終回に至っては山崎賢人、二階堂ふみ、染谷将太、松重豊が登場。これが夜11時すぎのドラマかよ(笑)。

スタッフもたいしたもので、メインライターの三木聡はもちろん続投だけど、そこにこの夏たいへんお世話になった福田雄一もからみ、演出にはなんと(愛がなんだアイネクライネナハトムジーク」)の今泉力哉が!また12年も待たせないで復活してくださいよ。人気が時効にならないうちに。

あ、うまいこと言った気になってるだろ、というふせえりのツッコミが聞こえる。

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「野ブタ。をプロデュース」(2005 日本テレビ)

2020-09-19 | テレビ番組

すいか」「セクシーボイスアンドロボ」の木皿泉脚本。しかも、彼らの作品のなかで唯一高視聴率だった番組(笑)。見なきゃ嘘でしょう。

……1回も見てませんでした。DVDを借りようとも思わなかった。それは“いじめ”だの“スクールカースト”といったストーリーにおそれをなしたから。まあ、学校という業界にいながらシリアスな学園ドラマが好きな人もいるでしょうが、わたしはダメなの。

そんなわたしが翻意したのは「コード・ブルー」のおかげ。山下智久ってどんな野郎だったんだと……うわーキャラが正反対(笑)。金持ちでちゃらんぽらんで親とうまくいってなくて……そしてやっぱり激しく魅力的なのでした。コン。

主役の亀梨和也もすばらしく、なにより堀北真希には凄みすら。

修二(亀梨)と彰(山下)コンビには、彼らなりの屈託があり、信子をプロデュースして彼女を変えようとするが、実際に変わったのは(大人になったのは)コンビの方だったという誠によくできたお話。何度も泣きました。見ないですませないでよかったあ。

にしても、深浦加奈子忌野清志郎がまだ元気だったんだとか、中島裕翔はまだちっちゃかったんだなあとか、時の流れを感じさせてくれます。

ちょっとネタバレになるけれども(っていうかわたしがいちばん最後に見ているんだろうけど)悪意の塊である少女を、あの「千と千尋の神隠し」の千尋の声をやった柊瑠美にやらせるあたりのキャスティングも渋い。

そしてあのラスト。都会のブレザーに比べていかに田舎の高校の学生服がダサいか。そしてそのダサさを感動に利用するあたり、すげえドラマだなあ。

山下と亀梨の例の事件など、このドラマの前ではなんの価値もない。いい作品を残すことが芸能人の仕事。そして彼らはちゃんといい仕事をしているじゃないか。地元じゃ負け知らず当然。うわ、次は伊勢谷友介をフォローしなきゃ(笑)

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「リーガルハイ・スペシャル」(2014 フジテレビ)

2020-09-05 | テレビ番組

半沢直樹の続篇がようやく作られ(なんでこんなに時間がかかったんだろう。大人の事情があったんでしょうね)、ふたたび大ブーム。

わたしはオンエアを毎週見る根性のない男だから、見逃していたリーガルハイのスペシャルをレンタル。

すごいキャストですよ。堺雅人新垣結衣の黄金コンビにナギサさん大森南朋吉瀬美智子がからみ、Nスタのホラン千秋がキャバいお姉ちゃん役で登場。

しかしかたや田口淳之介剛力彩芽東出昌大がそろうという、なんというか微妙なお話でもありました。

大人のおとぎ話として、極上の出来です。

ある事情で某銀行の“偉かった人”と交渉。半沢直樹は毎回楽しみにしているそうだ。

「つらくないですかあれを銀行員として見るのって(笑)」

「スカッとしたいんですよ。ああいうことをわたしら実際には言えませんから

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福田雄一で酷暑をしのぐPART3 「聖おにいさん」

2020-09-04 | テレビ番組

PART2「新解釈・日本史」はこちら

ベストセラーコミックの実写化。キリストとブッダが、現代の日本で、というかほとんどアパートの一室でグダグダと過ごすという、畏れ多いんだかマホメットはどうしたとか、いろいろと笑えます。

だいたい監督が福田雄一で、製作総指揮が山田孝之。キリスト(Tシャツにジーザスと書いてある)が松山ケンイチで、ブッダ(Tシャツにシッダールタと書いてある)が染谷将太って豪華さはいったいなんなの。

ほとんど動きのないドラマだけれど、キリストとブッダの史実(かどうかはわからないが)を絶妙に取り込んであっておみごと。

にしても主役ふたりのチカラの抜けっぷりはすばらしい。特に染谷将太はほとんど半眼で仏そのもの。ついこの間は空海だったし、大河では織田信長。テレビ東京ではつい勃起してしまう少年……役の幅広さがはんぱないっす。

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