事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

今月の名言2021年3月号PART6 #教師のバトン

2021-04-03 | 受験・学校

BEGIN/愛が走る

PART5「いなかのコロナ」はこちら

「20年間で削減された仕事は座高測定とギョウ虫検査しかありません」

「明日で退職です。朝から晩まで働きました。今思うと、失ったものがあまりにも多かった」

「教員の善意に甘え、保護者や社会にそんたくし、教員を守らなかった」

教員を目指す若者たちに仕事の魅力を伝えようと、文部科学省が教員たちの声をSNSで広げる企画を(#『教師のバトン』プロジェクト)立ち上げたところ、このような投稿が相次いだとか(笑)。最後のつぶやきは文科省への恨み言。

もしも文科省が本気で教員の労働条件を改善したいと考えているとしたら、全国学テと教員免許更新制なるものをどれだけ早く廃止できるかが試金石となるだろう。ろくでもないだけでなく、コストパフォーマンスが悪いのにいつまでもしがみついているあたり、いかにもこの業界を象徴しているんだけどなあ。

本日の1曲はBeginの「愛が走る」ポケベルなどのフレーズを使いながら時代劇の主題歌。やるなあ。

2021年4月号PART1「県境封鎖」につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

勝手に人生相談Vol.49 教員採用試験

2021-01-27 | 受験・学校

Electric Light Orchestra - Shine a Little Love (Official Video)

Vol.48「三流の人たち」はこちら

50代の主婦。30歳目前となった息子の転職活動で心が落ち着きません。

息子は地方の国立大学を卒業後、地元で就職したのですが、やはり教師になりたいと通信制の大学で勉強を始め、頑張って教員免許を取得しました。現在は常勤講師として教壇に立ちながら、県の教員採用試験に挑戦中です。

採用試験の挑戦1年目は1次試験すら受からず、2年目は2次試験にまでこぎ着けましたが、結果は補欠。今回は、1次試験は免除で2次試験から受験しましたが、採用人数の次の順位で、結果として不合格でした。次回はまた1次試験からの受験になるそうです。

真面目にコツコツと努力しているのを見ているだけに、何度も不合格になるのをどう応援してやればいいのか。本人はひどく落ち込みつつも「やるしかない」と言っています。母親としての心の持ちようをご教示ください。【S子】

お母さんお母さんお母さん!こんな立派な息子さんの邪魔はしないでくださいね。いやどうも文面からは、彼の転職に不満たらたらであることが透けて見えるので。

しかもどうも教員採用試験というものの表層だけを承知して考えておられるようだ。

挑戦1年目は1次試験すら受からず……受からない人の方がずっと多い(近ごろはちょっと違っているけれど)のをご存じですか。2年目は補欠。立派なものです。3年目は1次試験免除。これは全国的な潮流ですね。次第にステップアップしていることが見えている。いい息子さんだとつくづく思います。

だって学校のブラックさが嫌われて志願者が減少し(それ以前に若者の数が減っている)、教員養成学部出身者ですら教員を忌避する傾向があるくらいです。意欲満々な若者を静かに応援してやってください。うちの業界は、そんな人間を待ってますよ。

というか、あなたは息子さんの試験に気持ちを込めすぎているように思えます。もう三十歳になろうという年齢なのです。彼の気持ち、彼の判断を静かに見つめているだけで十分だと思うけどなあ。

本日の1曲はELOの「シャイン・ラヴ」変換したら「社員・ラヴ」になりそうで冷や汗。いいけどね(笑)ジェフ・リンのポップさが全開。

Vol.50「痛風」につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「人生に必要な教養は中学校教科書ですべて身につく」池上彰*佐藤優 中央公論新社

2020-09-06 | 受験・学校

池上彰佐藤優という意識的な読み手であるふたりが、マジで現在の中学校の教科書を読んでみた……意外なほどに(少なくとも自分たちが中学生だったときより)レベルが高く、ゆとりがどうしたの、英語教育は会話中心になっていないというのが先入観にしかすぎないことがあらわになっていく。

なるほど、聖徳太子のあつかいなど、わたしの世代とでは大きく変わっているらしいし、社会の教科書あたりは読んでみようかな。ちょうど今、来年度使用開始の教科書が閲覧できるし。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今月の名言2020年5月号PART1 横着な人

2020-05-27 | 受験・学校

SPARKLE  山下達郎

2020年4月号「分断」はこちら

「自宅が燃えているときに消火しながら、バーベキューをやろうというふうに聞こえる」

拙速な9月入学論についての島根県の丸山達也知事の発言。まったくだ。というか、この話自体が児童生徒の学力保障がどうとかいう目的で出て来たはずは絶対にない。

騒動を起こしたかったのだ

どうしてって?コロナ対策がもたついているものだから、世間の目をそらすために、です。感染拡大の都府県の知事たちがいっせいにこの話に飛びついたことでも理解できる。たとえ実現できなくても、世論は分かれ、ワイドショーもそっちの話で時間を稼いでくれるというわけだ。

同じようなことが今年もう一回あったじゃないですか。学校への休業要請です。オリンピックがらみもあって(当たっていると思います)、コロナ対策に出遅れて批判が集まったことにあせった首相の独断。

大騒ぎ。

この決断が正しかったかの検証は時間がかかるし、なによりも「首相は何もしていない」という批判だけはかわすことができる。

それにね、コロナ対策に全力を傾注しなければならないこの時期に、文科省は9月入学のシミュレーションまでやっている。人と時間の無駄遣い。民間(文科省ではなく)がそのコストを見積もったらとんでもない数字が出たため、声高に9月入学を主張する人は減ったようだけれども、騒ぎになったことでガス抜きはできたと官邸はほっとしているだろう。まあ、その間もなくマスクだの検察だのと失策が続いているので、心穏やかにすごすことはできようもないが。

いやしかし横着じゃないですか。コロナ対策の一環でこんな重大なことを推進しようなんて。まあ、そんな反省があれば

「緊急事態において、国家や国民がどのような役割を果たし国難を乗り越えていくべきか、そのことを憲法にどのように位置付けるか、極めて重く大切な課題だ」

なんて主張を一国の首相が軽く口にしたりはできないはず。コロナのついでに憲法まで変えようというのだ。つくづくと、横着だなあ。

PART2「球春はまだか」はこちら

本日の1曲は山下達郎の「Sparkle」。傑作アルバム「FOR YOU」の1曲目。きのう、チャリでこの馬鹿げたすばらしいイントロでテンション上がりまくり。通勤所要時間が1分は短くなったはず(笑)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今月の名言2020年1月号PART5 論理国語ぉ?

2020-01-31 | 受験・学校

PART4「同級生」はこちら

そういう「可能な限り簡単に書かれたテクスト」を読むために、わざわざ「論理国語」というかたちで教育内容を分離して、従来の国語では教えられなかったことを教えるということの意味が僕にはわからない。そんなものを「論理」とは呼ばないだろうと思いました。

……おなじみ、内田樹が高校の国語科が分離して「論理国語」なるものを始めるという事実に慨嘆して。

わたしもそう思います。つくづく思うのは、近ごろの教育が、単に経済界に奉仕するだけのものになっているということ。英語の大学入試云々の騒ぎや、現場から要望もされていないのに児童生徒全員に端末が行き渡るように予算化されるとか。

この論理国語も、近年の学生の読解力の低下を危惧して、というよりも、マニュアルや契約書を読めるようにしてくれればいいという財界のリクエストに応えただけの話ではないのか。

こむずかしい理屈をこねる新人などいらないという発想。でも、複雑な思考を持たない人間を、AIに任せて最初に首を切ろうとするのもこの人たちだろうに。

本日の1冊は早見和真の「店長がバカすぎて」(角川春樹事務所)

書店員が読んでほしい本を推奨するという本屋大賞において、本屋の店長がひたすら空気が読めないという小説が候補になっているあたりに爆笑。確かにバカなんだけど、愛すべき存在としているあたりのスタンスは、早見が「業界、がんばってくれ」と作家として空気を読んでいるわけよね。「小説王」の作者として立派だと思います。

PART6「桜はこれからです」につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

隠れ教育費 解答篇その9 修学旅行

2019-12-02 | 受験・学校

緑の街 / 小田和正 by Uru

解答篇その8「学校給食」はこちら

「隠れ教育費」では修学旅行についてもふれられていて、いやはや地方によってこんなに在り方が違うのかと驚いた。山形の中学校の多くは東京へ2泊3日、あるいは沖縄に向かうのだが、そういえば首都圏の中学校はどこに行くのか考えたこともなかった。

入札を自治体が一括して行うところもあったりするなど、なるほど考えてある。しかし、旅行の内容が娯楽に流れすぎていないかという指摘は全国の学校事務職員が痛感しているはずだ。

わたしが学校事務職員になって、中学校に勤務しているときは例外なく東京が行き先で、そして例外なく東京ディズニーランドがコースに入っている。

生徒たちがディズニーを最大の喜びとしているのはわかる。わたしだって初めて行ったときは

「ここに住みたい!」

と思ったくらいだし。だから仕方がないのかなあと思いつつも、でも劇団四季まで見るのは贅沢ってものじゃないのか。これはわたしが劇団四季嫌いだからこその偏見かしら。

あ、思い出した。わたしの娘が中三のとき、担任はクラスみんなに

「ディズニーランドに行ったことある人?」

と無神経な質問したそうで、

「お父さん、ディズニーに行ったことないの、あたしだけだった」

す、すまん。普通のパパじゃなくて……でも逆に言えば、これほどみんなが既に体験しているディズニーランドを、わざわざ修学旅行のコースに繰り入れる必要性はないんじゃないか。わたしだけはそれ言っちゃいけないけど。

このほかにも「隠れ教育費」には多くのネタが満載。そしてその背景の解説も懇切丁寧だ。私費負担を保護者が当然のものとして考えてくれているうちはいい。しかしいずれは

「それ、ちょっとおかしいんじゃないか」

と指摘される日はくるだろう。なにしろヤナギサワと福嶋さんはこの書でそう煽っているし(笑)。その日にそなえて、自分の学校、自分の子が通う学校のお金に、もっと意識的になろう。その意味で、この本は必読だ。

え、ヤナギサワはまた新刊を出したの?学事出版からかよ。タイトルは

「学校徴収金は絶対に減らせます。」

やられた(笑)。

本日の1曲は最後まで突っ走ったぞUruの「緑の街」ほんとにこのお姉ちゃんの歌は快感だったのである。アルバム、買わなきゃな。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

隠れ教育費 解答篇その8 学校給食

2019-11-29 | 受験・学校

ONE OK ROCK / wherever you are (女性が歌う) COVER by Uru

解答篇その7「頭割り」はこちら

さあ学校給食。

学校事務職員のしんどい部分に、集金の未納があることはまちがいない。特に給食費の未納に関して大騒ぎになったのは近年のこと。「隠れ教育費」のなかでもこの問題は大きく扱われている。解決策として

・公会計化

・無償化

が挙げられている。もちろん一朝一夕に実現できる話ではないし、高度に政治的でもある。それほどに、実は学校給食とは巨大で、かつ政治的な存在になっていることはおぼえておこう。

公会計化は実現している自治体も多い。もちろん本来の意味での公会計化である、自治体が保護者から直接収納する形になっているところもあれば、とりあえず公費として扱うという、いわゆる“なんちゃって公会計”も。

無償化については、小規模な町村が先鞭をつけ、次第に中規模、大規模な市や区に広がっている。つい先日も明石市が中学校の学校給食を無償化すると発表し、世間を驚かせた。

わたしは思うんだけど、この、驚きというファクターがあるうちに無償化に踏み切る首長は頭がいいと思う。隣の市がやったので仕方なく、では選挙民にほとんどアピールしない。

もちろん、未納対策としての無償化は夢のまた夢だろう。ひとつの要因としてカウントはされるだろうが。でも無償化って夢を、学校事務職員としては捨てられないなあ。教育委員会の職員と話していたら

「何億かかると思ってるんですか!」

と反論されたけど、費用対効果はそんなに小さくないと思う。以下次号

本日もUru。だんだん彼女の声で脳内麻薬物質が出てくるスピードが速くなってます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

隠れ教育費 解答篇その7 頭割り

2019-11-28 | 受験・学校

シェネル / Happiness ピアノver. Uru

解答篇その6「部活」はこちら

そうなると話は後援会費だって無縁ではなくなる。選手派遣費や設備補助に充てている部分を、部活に入っていない子には頭割りで返金しなければならないんだろうか。みなさんどうしてます?

この書では、生徒会費と部活動費を分けることが先決だとされている。うーん、これもしんどい作業だとは思う。いずれにしろ、部活の全員加入の是非、金のかかる部とかからない部の差、勝てば勝つほど派遣費がかかって学校事務職員の表情が暗くなる(笑)とか、部活動は問題山積です。

つづいては学校給食

本日の1曲はやはりUru。こういう発言は控えてきましたけど、YouTubeからズドンとこういう人が出てくるってのは時代だなあ。んで、芸能プロもちゃんとチェックしている(笑)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

隠れ教育費 解答篇その6 部活。

2019-11-27 | 受験・学校

奏(かなで) / スキマスイッチ COVER by Uru

解答篇その5「ネームプレート」はこちら

各校の、どころか各部ごとの会計は千差万別だと思う。生徒会費、後援会費はまだ学校事務職員のコントロールが及ぶけれど、保護者会費などは把握していない。しかも競技によっては連盟などとの関係が独自だったりするのでなお複雑怪奇。

先日、他校の事務職員と話していて、

「部活に入っていない子への返金はどうしてる?」と訊かれた。

「生徒会費の?」

「そう。どの程度返してるの?」

「いや全然返してないけど」

「それはまずいんじゃない?」

……考えもしなかった。わたし、一度も“部活動に所属していないから”という理由で返金の事務をしたことがありません。

「生徒会会計のすべてが部活動向けってわけでもないし」

「でもほとんどがそうでしょ?」

う、まあ、それはそうなんだけど。以下次号

本日の1曲はやっぱりUru。「奏(かなで)」が彼女の人生の1曲だったとは。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

隠れ教育費 解答篇その5 ネームプレート

2019-11-26 | 受験・学校

secret base~君がくれたもの~ / ZONE COVER by Uru

解答篇その4「制服」はこちら

うちの学校の例を挙げてみる(誰も読んでないといいなあ)。

つい先日の運営委員会で、新入生の準備登校の日程でもめた。その登校日から入学式までにある程度の時間をおかなければならない、という理由のひとつに、制服にネームプレートを縫い付ける手間もあるし、ということだった。

「じゃあ、ピンで留めるだけでいいんじゃないですか」

という発言があって、なるほどねえと思っていたけれど、どうもまわりの反応が鈍い。

「縫いつけることで、忘れないって意味もあるわけで」

「でも夏はシャツに縫いつけたりしませんよ。前任校は縫いつけたりはしませんでした」

「あそこはブレザーだから……」

うーん、どうなるものだか。親の負担を考えると、ピンだけでいいと思うけどなあ。生徒指導上の理由ってのはどうも自縄自縛なんじゃないのとすら。にしても、ネームプレートを縫い付けるかピンにするかでこれだけもめるんだよ。

全国的にいま話題になっているのは、性的マイノリティにどう対処するかだ。男子の制服を着ることが苦痛な男子、女子の制服を着ることが苦痛な女子の存在。この一事をとっても、制服というのが一種の権威であり、同時に暴力でもあることが知れる。

さて、つづいての大物は「部活動」だ。

…………他県の事例がメールで寄せられたので紹介します。

我が子の中学校では、名札は学校に置いていました。登校したら自分でつける。(クリップ式)
わざわざ名前を周囲にお知らせする必要もありませんので。
教室に入って名札をつける。
教師は残っている名札で欠席者や遅刻者がわかる。
特に不便は感じていませんでした。

……なるほど。この、校外にいるときにネームをつけていることのリスクは田舎ではなかなか。

本日の1曲は、もうこうなりゃ意地だ。ずっとUruでいきましょう。ZONEのあの子たちももう30代なんだなあ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする