事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド

2007-06-11 | 洋画

Pocawe01   どうして「カリブの海賊」というタイトルにしないのだろうと思っていた。「パイレーツ・オブ・カリビアン」の1作目が公開されたとき。ディズニーランドのアトラクションとしてメジャーな存在なのだから、認知度の高いそちらを使えばいいじゃないかと。でも、日本だけでシリーズ三作合計250億円以上(!)を稼ごうかという結果をみると、意味不明な邦題でオーライだったんだな、と思い知らされる。

 だってそうじゃないですか。もしもあなたが47才の中年男だったとして「カリブの海賊/世界の果てで」なんてタイトルの映画、ひとりで観に行ったりします?ファミリー映画に違いないから、子どもがどうしても!とリクエストしないかぎり無視を決め込むはずだ。

 しかしそれなら英語圏の連中はどうしてこの無邪気なシリーズに殺到したのだろう。たまたまキャスティングしたオーランド・ブルームとキーラ・ナイトレイという美男美女が、ちょうど他の作品でヒットをとばしたものだから大作感が高まったラッキーさはある。商売人ブラッカイマーらしくど派手な画面とノリのいい展開がうけたせいもあるだろう。
 でも、最大の要因はジョニー・デップだ。

というか、それだけだろ。

お子様向けの、もうほとんど廃れた海賊映画なんてジャンルに、なぜかあのくせ者俳優が出演を承諾したことで「ちょっと観てみようか」という気分が醸成されたのだと思う。そして、『ヒットしているという現実がさらなるヒットを産み出す』シネコン全盛時代にぴったりマッチした、こう考えるしかない。

Carribian02  だってあなた「パイレーツ・オブ・カリビアン」を観て、「面白いっ!」と思ったことってないでしょ。いやあるか、読者や同僚たちは大喜びだし。でもジェフリー・ラッシュやビル・ナイといった名優の演技や、今回のキース・リチャーズの特別出演(よく出たよなあ)といった味わうべきシーンはいくつかあれど、それが映画全体としての面白さにはつながっていないと思うのだ。

 目くじらを立てる方が大人げないのかもしれない。蒸し暑い日本の夏に、涼をとろうとシネコンに向かうカップルにはちょうどいい興奮度か。ラストでちょっとシュンとして(エンドタイトルの途中で出て行った人たちは損をしたはず)、“Yo-Ho”を口ずさみながら「まあまあだったね」「デップはやっぱり最高ね」とレストランへ向かう……こんなぬるさこそアトラクション「カリブの海賊」と同種の楽しさじゃないですか。ていうかオレは一回しかあれに乗ってないけど、楽しいかマジで?!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする