事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

シネマの極道~仁義なき戦い篇

2013-04-02 | 映画

Jinginakitatakaiimg01 俊藤浩滋篇はこちら

「なにが博奕打ちなら!村岡が持っちょるホテルは何を売っちょるの、淫売じゃないの。云うなりゃあれらはおめこの汁で飯喰うとるんで。のう、おやじさん、神農じゃろうと博奕打ちじゃろうとよ、わし等うまいもん喰ってよ、マブいスケ抱く為に生まれてきとるんじゃないの。それも銭がなけにゃあ出来やせんので。ほうじゃけん、銭に体張ろう云うんが、どこが悪いの!?」

かの有名な「仁義なき戦い 広島死闘篇」における千葉真一のセリフ。これだけ下品でありながら崇高さすら感じさせる。脚本笠原和夫の真骨頂だ。

その「仁義なき戦い」は、もちろん深作欣二の代表作だが、キャスティングはもめにもめたらしい。

配役は若手で行くことにした。時代劇から任侠やくざ路線に切り替わった時のように、鶴田、高倉、若山に始まる固定した俳優ヒエラルキーを一気に若返りさせようとわたしは目論んだ。ここで一気に突破しよう。流れを変えよう。

当初、主役は<麻薬Gメン>映画以来の行きがかりもあったし渡哲也でと思ったが、丁度彼が肺を病んでの入院中でダメ。たまたま「週刊サンケイ」の連載を読んで映画化を進言してくるなど、やる気を見せていた菅原文太になった。

(原作者の)美能さんが憎んだモデルの山守義雄組長役は、予定されていた金子信雄がやはり病気のため、三國連太郎になりかけたが、連ちゃんとは親しいものの急に「やっぱり出ない」とかダマされたことがある岡田さん(社長)が反対で、今度は西村晃に決まりかけたところへ「この役は俺が」と病院から手も顔も震わせながら衣装合わせに駆けつけた(その様子がまたぴったりだった)金子信雄に逆転決定した。

……シリーズの撮影はかなりきつく、キャストの混乱は以降もつづいた。会社にこき使われた深作欣二は疲弊し、新機軸を求めるようになる。そこには幻の企画が存在した。かの有名な「実録・共産党」である。以下次号

シネマの極道: 映画プロデューサー一代 シネマの極道: 映画プロデューサー一代
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2012-12-21

コメント (4)
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