つきあいづらい人だろうなあ、とこの自伝を読んでつくづく思いました。吹奏楽の名門(ということはほとんど体育会系)西宮高校で部長をはり、やる気のない部員を片っ端からクビにした熱血漢。たまたま参加した赤い鳥のバックバンドがドラマーとしてのスタート。参加したアルバムは1万枚以上。あなたもどこかで彼の熱いドラムを聴いたことがあるはずだ。え?ロックを聴かないからそんなはずはない?いやいや、クレジットされていなくてもセッション・ドラマーとして誰よりも有名で(かつ高いギャラをとる)彼は、かつてスタジオ・ミュージシャンとして山口百恵、キャンディーズ、ピンクレディー、そして五木ひろしまでこなした超売れっ子。誰の曲をやったか本人もおぼえていないぐらい。だから日本人なら絶対に聴いているはずなのです。
あるいは「イカ天」で素人バンドをほとんど罵倒する審査員だったり、「新堂本兄弟」で気持ちよくハイハットを叩いている姿で彼のことを知っている人も多いかもしれない。
わたしにとって村上は、ファンだった大貫妙子や山下達郎(シュガーベイブ系ですな)のアルバムで、ほとんど例外なく彼の名前がクレジットされていたので昔からおなじみ。ファンキーなドラミングなのに、さすが吹奏楽出身らしく、意外なほど理論派であることがこの自伝で理解できる。ポンタ、というニックネームは、花柳界にいたお母さんの源氏名だったようで、本人としては苦い思いでいることも初めて知った。
しかし何より長い間一線で活躍した彼の(クスリで逮捕され、お休みしていた期間もありましたが)交友録が爆笑なのだ。抜粋して紹介しよう。次回は矢沢永吉篇。
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