さあ今こそ角川書店の本を推奨しなくては(笑)
長男の春樹と次男の歴彦の確執は有名。経営者としてはどちらも有能だったのに、どちらも逮捕される結果になっている。創業者のお父さんは純粋な人だったんだろう。角川文庫の最後には彼の思いが込められている。
でも、長男はその状態に我慢できなかった。そこで一発当ててやろうとしたのがエリック・シーガルの「ある愛の詩」だ。映画と本の相乗効果があると踏んだ角川春樹は、ついに映画製作に参入する。あの「犬神家の一族」。業界は醒めた目で見ていたけれどもとんでもない大ヒット。
クスリ関係で彼が失速すると(しぶとかったですけどね)次男の歴彦がアニメ関係を巻き込んで角川書店をさらに成長させる。なんか、一族経営の陰も陽も見えてきます。
あ、小野不由美の話でした。
牛刀でぶった切るような作品が「十二国記」だとすれば、このシリーズは鋭利なカミソリで素材を切り分ける繊細さが持ち味だろうか。
さまざまな怪異が語られ大工の尾端(おばな)が改善策を提案し(解決はしないことも多い)、最悪の事態は避けられる。名調子である。んで、怪異よりもリアルに登場するばあさんたちの邪悪さの方がよっぽど怖い(笑)
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