自分にとってどんな事情があっても必ず見なければいけなかった「島にて」をのぞけば、マジで半年ぶりの映画館。さすがにもう我慢できない。もちろん選んだのは期待作「テネット」……ではなくて「ミッドウェイ」でした。
どうやら興行成績がふるわないらしく、朝イチと夜興行しか行われないみたいだから、急いで観ておかないと。
いくら歴史知らずとはいえ、ミッドウェイ海戦のことはさすがにある程度承知している。「聯合艦隊司令長官 山本五十六」はまだ記憶に新しいところだし、1976年のユニバーサル製作の「ミッドウェイ」もリアルタイムで観ています。
まず1976年版からふれておきましょう。その年、配給会社のCIC(パラマウントとユニバーサルの映画を担当)は、「JAWSとミッドウェイで配給収入100億をめざす」と豪語していました。あ、配給収入と興行収入というのは意味が違ってですね、配給収入の100億というのは興収でいえばおよそ200億に相当します。かなりの自信。
わたしは酒田の高名な映画館グリーンハウスで観たんだけど……うーん、なんだかなあと。戦時の記録映画の映像を挿入して臨場感が、とかいう話だったし、「大地震」でも使ったセンサラウンドも使用する勝負作、のはずだったのに。
いやキャストはすごいんですよ。山本五十六に三船敏郎、ニミッツ大将はヘンリー・フォンダ、他にグレン・フォードやロバート・ミッチャム、ジェームズ・コバーン、そして主役がなにしろチャールトン・ヘストンですから大作感ありあり。
でもねえ、記録映像を使ったのは安上がりにすませるため、というのは他の戦争映画(「トラ・トラ・トラ!」「太平洋の嵐」)から戦闘シーンを借用しまくりだったことでわかる。実際の製作費は公称の半分程度だと後にバラされていました。
テレビが主戦場だった職人監督ジャック・スマイトの起用も製作費がらみだったかもしれない。まあ、「トラ・トラ・トラ!」のように黒澤天皇を起用して大混乱になるよりは、ということだったかも。それでは同じく製作費をきっちり守る職人監督として有名なローランド・エメリッヒが監督した2019年版はどうだったか。以下次号。
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