監督:李闘士男 脚本:大森美香 主演:松山ケンイチ 加藤ローサ 松雪泰子
大分の田舎から上京した少年は、おしゃれな都会でおしゃれな音楽をつむぎ、世界に幸せをふりまく夢をもっていた。しかし、心ならずも彼はメタルバンドで人気が出てしまい、悪魔系カリスマとなっていく……
息子が原作マンガのファンなので、どうせ客席ではわたしが最高齢だろうと思って憂鬱だったけれど、いっしょに出かける。
「とりあえず松雪泰子のファンだって顔して行くよ」
「そんなに気にしなくていいんじゃないかなあ。」
心配して損した。むしろわたしの世代こそが楽しめる映画だったのだ。のっけから渋谷系ならオレだろ、とばかりにカジ・ヒデキが登場してあいかわらず(何才になったんだカジ!)能天気なラブソングを歌い、主人公の着メロはフリッパーズ・ギター。そしてメタルのキングにはあの大物が。このタイトルであることで、あの旦那(「デトロイト・ロック・シティ」という曲をご存じの方はわかるはず)の登場は不可避だと察するべきだった。笑ったなあ。ドラムスはロバートの秋山。いつもの感じで茫洋とやっていて好演。
胸の谷間や下着まるだしで「fuckin’」をくりかえす松雪泰子は、「フラガール」以降、どうもテンションが高まりっぱなし。男性客にはうれしいけれどね。
メタルとシブヤの間を揺れ動く主人公のシンボルとして、悪魔系ルックスの松雪と、カワイイ系加藤ローサを配置させた設定は気がきいている。しかしやはり何といっても松山ケンイチだろう。妙な腰の動きがシブヤ系ミュージックの居心地の悪さ(笑)を一発で形容している。おまけにDMC(デトロイト・メタル・シティ)のライブのMCがアドリブとくれば、こりゃ天才だわなやっぱり。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます