その1はこちら。
伊達政宗の生涯を、ジェームズ三木は“天下をとるには若すぎる世代だった”と総括しているようだった。
彼が東北をまとめあげる過程で、秀吉が天下を掌握し、つづいて家康が幕府を開くまで、政宗がつけいる隙がなかったと。秀吉や家康とは、確かに一世代違っている。戦国の世は政宗を待ってはくれなかったわけだ。
キャストでそのあたりは強調されている。政宗はまだメジャーとはいえなかった渡辺謙。秀吉は大河唯一の出演となった勝新太郎(小田原攻めの回まで、彼らは一度も会わないように勝新が提案し、それは実現した)、家康が津川雅彦ではまだまだ役者の格から言っても勝負にならなかったように印象づけられている。
そこで登場したのが最上義光(よしあき)。政宗の生母、義姫(岩下志麻)の兄であり、演じているのは原田芳雄。彼と政宗の権謀術数がドラマの芯になっていた。
ファーストチョイスが松田優作だったという話は、実現したら面白かったろうが年齢的にどうだろう。松田優作が岩下志麻の兄?(笑)
原田芳雄は渋くて素敵だった。彼は山形の武将として近ごろ評価が高いのだけれど、子を(豊臣秀次の切腹に連座するなどして)失い、彼の死後に家中がもめてやがて滅亡に向かうなど、悲劇の人ではある。
伊達の家臣たちはいい味をだしていた。特に素晴らしかったのが西郷輝彦が演じた片倉小十郎。実在の人物だけどすばらしい名前ですよね「かたくらこじゅうろう」。このドラマにおいて、政宗をしっかりサポートしていた。名参謀。他にも三浦友和、いかりや長介など、名優ぞろい。
女優陣も豪華。桜田淳子が本妻愛姫(めごひめ)で、その少女時代が後藤久美子。側室が秋吉久美子で娘の五郎八(いろは)が沢口靖子なのはジェームズ三木と「澪つくし」つながり。
誰もが知っている戦国時代に、伊達政宗というエッセンスを加え、重鎮的俳優(父親役は北大路欣也でした)を配して新人俳優をもり立て……結果的に大成功。そしてこの方程式は翌年に継承された。「武田信玄」である。
何の作品だったけな~と一昨日考えてたのですが,
大好きなこの作品だった! 忘れてた私,ばか.
岩下さんの兄,そうだそうだすごい兄妹.
幼少期から俳優女優全て納得の素晴らしさでした.
とにかく濃かった.
語られてなかったと思うんですよね。
それがもうあんなに魅力的に。
ありがたいことです。