2023年6月期末勤勉手当号「2024年問題」はこちら。
「JIN -仁-」というテレビドラマをご覧になった人も多いはず。なにしろ森下佳子の脚本がとんでもなくて、毎週毎週これでもかと見るものを泣かせ、視聴率もうなぎのぼりでしたから。
原作は村上もとかの漫画。現代の医師が幕末にタイムスリップし、近代医療で江戸の人たちを救っていくのが基本線。主人公の南方仁を演じたのは大沢たかお。彼は自分の行為が歴史を改変してしまうことを十分に意識している。親友となった坂本龍馬(内野聖陽)を、ここで生き延びさせていいのかと悩んだりもします。
その坂本龍馬には、有名な船中八策というエピソードがあります。長崎から京に向かう船上で、後藤象二郎に向かって新しい国家はこうあるべきだと語ったもの……ということに少なくともなっています。
行数をかせぐために(笑)、その八策の現代語訳を紹介します。ありがとうWikipedia。
「政権を朝廷に返還し、新たな法は朝廷より定められること(大政奉還)」
「上院・下院の二院制を敷き、議員を置き、全てを公的に議論して決定すること(議会開設)」
「有能な公家や諸藩、無名の人材たちを政治に参加させ、名ばかりで実の無い者たちを取り除くこと(官制改革)」
「外国との交流は、広く意見を求めることで、新しく規約を決めること(条約改正)」
「昔からの法律の良いところをまとめ、永遠に伝わるような新しい法律を定めること(憲法制定)」
「海軍を拡張すること」
「朝廷のための兵を置き、都を守らせること」
「金や銀や通貨などの為替に関し、外国と平等に取引き出来る法を定めること」
……ところが「JIN」ではもう一策加えられているのです。それは医療保険の制度を充実させろと。南方との交流で影響を受けた龍馬は、国民健康保険のようなシステムが必要だと考えたからです。
そのおかげもあってか、現代の日本は国民皆保険が定着しています。アメリカではオバマケアが成立するのにえらく苦労したのと対照的。
さあ、ここで登場したのがマイナ保険証です。取得は任意であったはずのマイナンバーカードに保険証として使用することを推奨。というより来年の秋には現在の保険証を使えなくするので、事実上の強制です。マイナンバーカードを取得し、保険証として紐づけなければ、要するに保険医療が受けられなくなるのですから。
いくらなんでもこれは強引というものでしょう。国民皆保険という近代日本の成果を政府がみずから壊そうとしているかのよう。まあ、選挙対策がなにより優先する昨今ですので、何らかの妥協案は出てくるでしょうが。
わたしはマイナンバーカードという制度自体にはメリットがあると考えています。それは、税金のとりっぱぐれをなくすことができるからで、くわえて将来は年金がらみで利用することになるのではと予想しています。
現在、学校事務職員は職場の扶養確認で大忙しですが、住民票をとるためにわざわざ混みあう市役所まで行かなくても、コンビニであっさりとれるようになったのはありがたいことだと思っています。
うーん、わたしもそろそろマイナンバーカードを申請しようかしら。あ、とっていないことをばらしてしまった。
そのマイナンバーカード特集はまだ続く。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます