PART12はこちら。
86年後期は「都の風」。主演の加納みゆきはブレイクしないで終わった。へー、黒木瞳も出てたのか……まったく記憶にございません。
脚本の重森孝子は、前にもふれたけれども浦山桐郎の愛人だった。本妻との間で揺れ動く浦山こそ火宅の人だったので、檀一雄のあの小説は彼に映画化してほしかったかも。あ、深作欣二もたいがいでした(笑)。
87年前期は黒柳徹子のお母さんをモデルにした「チョッちゃん」。主演は古村比呂。面白そうなのにまったく観ておりません。北海道のお話だから道産子のうちの奥さんは熱心に見てたっしょ。
古村比呂も家庭に入ることを選択した。相米慎二の弟子、榎戸耕史監督のデビュー作「・ふ・た・り・ぼ・っ・ち・」(東映)で、バービーボーイズのコンタと共演していたのを映画館で観てます。
87年後期は若村麻由美主演の「はっさい先生」、88年前期は藤田朋子の「ノンちゃんの夢」、後期は山口智子「純ちゃんの応援歌」。なんっもおぼえてないです。にしてもいい女優をこのあたりはそろえたなあ。視聴率も安定。
89年前期は新機軸、ダブルヒロイン。清水美砂といしだあゆみで「青春家族」。スレンダーな美女ふたりを母娘としてキャスティング。女性の一代記が続いたのでタイトルからしてもホームドラマに回帰してみせたというところ。
当時41才のいしだあゆみは朝ドラ主演女優として最年長だとか。ちょっと驚く。洋画の世界では、そのあたりが女盛りなのに。ちなみに、その頃いしだあゆみをナマで見かけた人がいて、あまりに美しくてクラクラきたそうです。うん、なんかわかる。
清水美砂が米兵と結婚したのにはたまげたけれど、今村昌平作品「うなぎ」「赤い橋の下のぬるい水」における、女の不可思議さを体現した演技はすばらしかった。
このドラマでは、稲垣吾郎がデビューしている。SMAPが古畑任三郎に出たとき、田村正和が
「稲垣さん、『青春家族』拝見してましたー」
と実は芸能通だった発言で笑わせてくれましたっけ。そういえば、このころはあのグループのなかで、稲垣が断トツに売れてたんだよなあ。以下次号。
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