年収が103万円を超えると所得税が発生し、手取りが減ってしまう……年末調整号でお伝えしたとおりですが、実は103万円の壁はこれだけではありません。それは税法上、扶養から子どもなどが外れなければならなくなるという壁なのです。
この業界で、所得者本人が103万円以下の収入という人はめったにいないので、影響はこちらのほうが大きいかもしれません。
サンプルを提供しましょう。
教員のAさんは、20才の大学生である子のBさんを税法上の扶養親族にしています。飲食店でバイトしているBさんの収入は、昨年は80万円程度でした。
ところが、今年は時給が大幅に上がったことに加え、人手不足がひびいて店長からもっとシフトを入れてくれと頼まれてしまい……
「103万を超えないように、って言ったろう?」
なぜAさんはこう指示していたかというと、19才から22才までの子どもは、特定扶養親族と言って、扶養控除の額が大きいのです。その額は63万円です。
ここで多くの人が誤解しているようなので申し添えますが、63万円多くAさんはもらっているわけではなく、自分の年収から63万円を引いた額で税金を計算しますよという意味です。それでも大きいことは大きい。
このケースで言えば、Bさんに所得税が発生すると同時に、Aさんの手取りが減るということなのです。
このことも含めて、現在与党と国民民主党の間でつなひきが行われているというわけ。少数与党となっている国会の現状を考えると、国民民主党の協力をえないと予算の成立すらおぼつかないので、ゼロ回答はないのではないかと。いやしかし、あちらの世界は何が起こるかわからないからなあ。
画像は「11人の賊軍」(2024 東映)
出演:山田孝之、仲野太賀、阿部サダヲ
原案が「仁義なき戦い」の脚本家、笠原和夫とくればわたしの世代はたまらない。おまけに監督が「凶悪」「孤狼の血」の白石和彌。いそいそと映画館へ。うわ、客入ってないなあ。こんなに面白いのに。特に阿部サダヲの家老役は最高。
PART2「人事委2024」につづく。
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