頭がクラクラしてきた。今オレの目の前で2時間以上も展開されたこれはいったい何だったのだ。久しぶりに言いたくなった。
「金返せーっ!」
あまりに腹が立ったのでネタにして少しでも元を取ろう。
「戦国自衛隊」をリメイクする、というアイデア自体は悪くないと思う。その原案を福井晴敏に書かせ、ゴジラシリーズでいいところを見せた手塚昌明に監督させるチョイスも正解だと思っていた。どうも評判が芳しくないらしいことは伝わっていたが、それは手塚が「やっとゴジラ以外の映画を撮れます」なんて不用意な発言をしたせいでオタクたちが反発しているせいだろうと好意的に解釈していたのだ。
ところが。
なーんじゃこれは!いったいどうやったらこんなつまらない映画にできるんだ?
現代の自衛隊が戦国時代にタイムスリップする、こんな魅力的だけれど荒唐無稽な設定を生かすためには、観客をねじふせるだけの歴史や火器に関する綿密な考証が必要なはず。それがほとんど感じられない上、命の危険もかえりみず戦国時代へ自衛隊が“飛ぶ”動機づけが弱い弱い。なにより、敵失でしか勝負がつかない展開は工夫がなさすぎる。
しかも、役者の演技がみんな学芸会並み。北村一輝以外はしどころもなく、腰元たちの所作にしてもまるでバカ殿のコントかと思った。
特にこいつ!→
このガキが出てくるたんびにドラマが一気に停滞するのだ。誰だこいつ。だいたいさー、平成と戦国に生きる人間たちの相克を描くなら、それなりのカルチャーギャップを(些細なことでいいから)挿入するだけでドラマに深みがでるはず。自衛隊がシニカルだったり、平成の平和に対して戦国人が疑義を呈したりでもいいじゃないか。でも登場人物たちはどちらものべつまくなしにギャーギャー騒ぎ立てるだけ。CMに使われた、戦闘ヘリが物見櫓に激突して炎上するシーンにしても、ドラマ的になんの意味もないため、はーそうですか、と思うしかないのだ。なにやってんだか。
福井はできあがった映画を観て、本音のところはどう思ったのだろう。おそらく彼はつくづく感じたと思う。平和ニッポンは、このタイプの映画でも韓国に大きく水をあけられてしまったなあと。スタッフロールにわたしはガンを飛ばしていた。責任者出てこい!
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