第十一回「将軍の涙」はこちら。
久しぶりに視聴率の話をしましょうか。今回の大河は“悪くはない”とこれまでのところ総括されるんでしょう。
しかも今は新型コロナウィルスのおかげで在宅率が高まり、みんなどこにも行かない。お出かけするとすればそれは大河の視聴者とは重ならない若年層だけ。
まあ、「ポツンと一軒家」と同様なのを差し引いても、率として高まるんだろうな。特に、これまでも地震などの災害があるたびにNHKにチャンネルを合わせる(死語)人は多かったので……
高齢者の目線で今日のドラマを見てみましょうか。夫を早くに亡くした高齢女性(石川さゆり)が夫の弟(西村まさ彦)と画策し、息子(長谷川博己)の嫁取りを成就させようとする。これ、わかりやすいですよね。
で、その嫁候補(木村文乃)は誰からも文句の出ない、できた女性だ。OK。背景は不穏だけど。でも主人公はある女性(門脇麦)と情を交わしており(死語アゲイン)、その女性に婚姻がばれては……
いいのか、いいんだろうな。大河だから。歴史ドラマだから。嫁と姑だの愛人だのというレベルで語られるわけでもなく、高齢者だからこそ深く受け入れる。うん、なるほど。
じゃあもう一人の嫁(川口春奈)はどうだろう。織田家の跡取りになるはずだった男(染谷将太)の嫁となり、しかし彼の父親(高橋克典)は妻(檀れい)の言い分をいれて弟を後継ぎにしようとしている。そこを、遺言を書き換えるような強気な姿勢で夫を叱咤し……さすが、マムシの娘ですね。だからこそあの女優に演じてほしかったとはもう言いません。
この姿勢を高齢者は受け止めきれるか。在宅率の高い三世代同居のお宅でこのドラマをいっしょに見ているのはつらかったのではないでしょうか(笑)。
いやいや、高齢者こそがこういうドラマを待っていたのであり、木曜21時の橋田壽賀子ドラマを見ていた層は、こういう嫁を待ち望んでいたのではないかと想像します。っていうか高齢者になったのでそう思います。
で、こういう嫁と同居するのはしんどいだろうなとつくづく(T_T)。これから織田家はたいへんだなあ。
第十三回「帰蝶のはかりごと」につづく。
鶴岡市有施設(市立図書館、荘銀タクト鶴岡、
小真木原総合体育館、加茂水族館など)
当面休館です…
とりあえず大人しく過ごさないと…ですね…
やれやれだ……