事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「世界の中心で、愛を叫ぶ」(2004 東宝)

2024-09-26 | 邦画

なんで今ごろセカチュー?と思われるでしょうけど、わたしこれ見てなかったんですよ。大げさではなく、日本映画界を変えた作品なのに。

それはどういうことかというと、この映画より前は、日本映画というのはどうにもダサい存在だと若い層は考えていたの。邦画よりも洋画を見る方がおしゃれな行為だと。

でも、このベストセラーの映画化は大成功し、日本の恋愛映画もいいじゃないかとイメージチェンジまでしてくれた(この流れに拍車をかけたのが「黄泉がえり」だった)。

わたしは原作を読んでいないので確かなことは言えないのだが、ストーリーとして無茶じゃないですか。高校生の主人公たちがやっていることは重犯罪だし、白血病の患者を台風の日に病院から連れ出して飛行機に乗せようとするなど、理屈はそれなりにあるにしろ、やさしさが足りない。

そんなことをしておきながら「助けてください!」と絶叫するなど、甘えるなと言いたい。あ、そういえばその場面を予告編で見て、見る気をなくしたんだった。

しかしそれでも、行定勲の演出はていねいだし、この作品が遺作となった篠田昇の撮影もみごとだ。脚本はなにしろ坂元裕二です。キャスティングもなかなか凝っていて、主役がまだムキムキの体形じゃなかった大沢たかお、その若いときが森山未來、友人が宮藤官九郎で、若いときが高橋一生……なんか、確かに似ているような気がします(笑)。

白血病の少女にまだ新人に近かった長澤まさみ。自ら申し出てスキンヘッドにするなど、気合いが入っているし、手足の長さをいかしてはつらつとした動きを見せてくれる。だからこそ、後半の描写がむしろ痛々しいわけだ。

これだけ大ヒットした映画だから、きっとボロ泣きさせるタイプの作品なのかと思ったらそうでもなかった。やっぱり、見てみなければわからないものだ。


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