第16話「ゲームの達人」はこちら。
ついに、木村拓哉登場。
この回のオンエアは1996年1月31日。直後の4月15日から始まったのがあの「ロングバケーション」なので、キムタクが押しも押されもしないトップスターになる寸前ということになる。
例によって、すねたような表情で古畑に挑んでみせている。初々しくて、まだどこか“いけてない”部分が残っていてかわいい。ファンには怒られそうだけど、もっとも美しいときのキムタクかも。
彼が演じた林功夫は爆発物のエキスパート。ある理由のために遊園地の観覧車を爆破しようとした彼は、観覧車に自転車の鍵を落としてしまい、しかたなくチェーンを切ろうとしているところを警備員に見とがめられ……。
彼の計算違いは、爆発物処理のために彼自身が現場に赴かなければならなくなったことだった。そこには古畑任三郎という奇妙な刑事が待っていたのである。
……遊園地が舞台ということで、古畑は今まででいちばん馬鹿馬鹿しい登場の仕方をするので笑える。
出迎えた向島巡査(小林隆)は古畑に自家製のおみくじクッキーをふるまう。アメリカではおなじみのfortune cookieってやつ。三谷幸喜が敬愛するビリー・ワイルダーの「恋人よ帰れ!わが胸に」の原題です。このクッキーが単なる楽屋オチではなく、終盤で大きな役割を果たすあたりはおみごと。
観覧車に閉じこめられた今泉に、警察は爆弾の処理を託すが
古畑:あんまりあいつ(今泉)をかいかぶらない方が。
警部:刑事だろ!
古畑:特殊な種類の刑事でして……
キムタクの脅迫電話もいい。
警部:無茶を言うな!
林:無茶を言うから脅迫電話なんだよ。
そしてラスト、なぜ観覧車を爆発しようとしたかを知って、古畑はある行動をとる。シリーズを通じて、唯一の場面なのでお見逃しなく。
第18話「偽善の報酬」につづく。
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