浄土真宗で冥福は祈らない

　

　今朝の佐賀新聞に

佐賀選挙区の衆議院議員であられ、昨年ご往生された故　保利耕輔氏　の追悼が大きく掲載されていました。

　各団体名と共に

「ご功績を称え　ご冥福を心からお祈り申し上げます」

「保利耕輔さんを偲びご冥福を心からお祈り申し上げます」

の大きな文字。

　

　まあ、失礼な！

　保利さんは真宗門徒であられました。

　真宗門徒は、死後の冥土(死後の暗い世界)に迷う暇なく、阿弥陀仏のはたらきで

臨終と同時に往生即成仏(仏の覚りの世界・浄土に往って生まれ、「仏さま」に成っておられる　と教えていただいています。

　仏さまに成っておられる(光輝く智慧と慈悲の覚者)に対して「冥福を祈る」は失礼ですよね。

　世間では

「ご冥福を祈ります」が亡くなった方への常套句になっていますが、上記のように、少なくとも真宗では、絶対使いません。

　仏教他宗では使われるのでしょうか？

　いや、真宗以外の故人に対しても失礼にならないのでしょうか？　

　私たちの生きている世界が明るくて、死後の世界は冥土・暗い世界なのでしょうか？　皆、「きょうとも知らず明日とも知らず」今生のいのち終えるのに、死は他人事なんでしょうか？　自分も死んだら、暗い冥土に行くと思っているのでしょうか？　

　そもそも、生きている私たちが死者を祈ってあげる？　いや、逆でしょう。亡くなった方々に願われて、心配かけているのが私たちじゃないですか。

　

　報道機関なら、なおさら、何の宗教でも、或いは無宗教でも問わない

「謹んで哀悼の意を表します」

にしていただきたかった。

　

　「ご冥福を祈る」は

保利耕輔氏に対して、失礼極まりない表現だった

と、私、真宗のお寺のバアサンは残念に思うのでした。

ご往生

　長年、大変お世話になってきたご門徒Ｍさんが急死されました。昨日通夜、きょうご葬儀でした。

　たくさんの思い出と、何より私が若い時から大変お世話になってきたなぁという思いに、涙があふれました。

　先にご往生なさった、お連れ合いの元責任役員さん(門徒会館、庫裏新築の時、ご苦労くださった)と御夫婦共に本当にお世話になりました。

　ありがとうございました。

　きょう、門徒会館廊下に掲示している「法専寺バス旅行」の時の写真をあらためて眺めながら、半分くらいの方々がお浄土へ。　今は仏さまに成られて、年齢だけ重ねても相変わらずの私・前坊守を苦笑しつつ、見守ってくださっていることを思います。

　なかなか御恩報謝まではできていませんが、御恩は忘れていません。

　南無阿弥陀仏

募金

　昨年末１２月２４日に開催の

佐賀教区のウィンタースクールの中で、子ども達が街頭募金をした全額・102.430円を

佐賀新聞の佐賀善意銀行を通して、ユニセフに預託した旨の記事が今朝の佐賀新聞に写真入りで掲載されていました。

　ウチの孫２人も参加しましたが、小４の孫が

「(街頭募金の時)、大学生くらいのお兄さんが募金しながら『頑張ってね！』と声をかけてくれて、うれしかった」

と話していました。

　能登半島地震義援金も各方面で募金がされていますが、佐賀新聞の佐賀善意銀行だけでも、現時点17275.738円集まっているようです。

　

ユーモア

　

　写真↑は、今年佐賀で開催予定の国民スポーツ大会(今年、佐賀での開催から名称が国民体育大会・国体から国スポに変更される)会場をつなぐ「栄光橋」。

　さて、ユーモア。

　悲しい時、苦しい時にも、いや、苦しい時こそ、ちょっとしたユーモア。

　そういう大人(文字通り、心の大きい人)のユーモアに心が和みます。

　以下、さだまさしさんの言葉です。

　「『笑いのない生活』なんて僕には考えられない　『愉快なこと』はそこら中に散らばっている　但しそれに気づくかどうかは　運と才能の他に努力もいるよ」(伝道文庫『言葉のプレゼント』より)

　

　私は頭の血の巡りが悪いので、とっさに面白いことが言えません。

　とっさに面白いことが言えて周りを笑わせる方々を頭がいいなぁといつも尊敬しています。

　ユーモアは人生の潤滑油で、とても大切。

と、同時に、ユーモアを楽しめる、いや、人に笑わせていただくばかりでなく、

さだまさしさんが仰るように、自分で「愉快なこと」・有り難いこと・仕合わせなことを感受できる　やわらかい心を忘れないで、人生を楽しみたいと思います。

法専寺御正忌報恩講

　

　１月１６日(新暦)の親鸞聖人の御命日をご縁とする「御正忌報恩講」。

　当寺は新年早々でしたが、住職が世間の勤務もあるので、勤務先がお休みのこの３連休に御正忌報恩講を勤めました。

　今年は通常のお斎。

　写真↑は弁当に詰めた精進料理。これに、ご飯と味噌汁です。

　仏教婦人会の役員さんやお当番地区や有志の方々に美味しく作っていただきました。

　お疲れさまでございました。

　感謝、感謝。ありがとうございました！

　午前中は「子ども報恩講」でゲームは「ボッチャ」で子ども達は盛り上がっていました。

　写真↓

　

　参加くださったお子さん、ようこそ！

　今年も当寺の御正忌報恩講のご縁に無事遇えて有り難いことでした。

　南無阿弥陀仏

　

2024年１月の言葉 その２

　

　当寺では、６、７、８日の３連休に

御正忌報恩講(ごしょうきほうおんこう・親鸞聖人の祥月命日・新暦の１月１６日をご縁とする法要)

を勤修しています。

　

　写真↑　は、東井義雄先生の言葉の「ほのぼのカレンダー」１月の言葉です。

　１日、１日を大切に、特に何かしなくてはならないということでなく、日常に感動しながら、生きてゆこうと思わされます。

　

　

　

2024年１月の言葉

　

　真宗教団連合の法語カレンダー１月の言葉は浅井成海師の言葉です。

　2024年明けて連日、驚く大災害、事故、事件が続いています。

　他人事でなく、私の明日の(この世の)いのちもわかりません。

　

　死んだらどうなるの？

　骨になるだけ？

　何も残らないの？

　

　いえ、私は浄土(覚りの世界)に生まれて、仏さまに成らせていただきます。

　阿弥陀如来を信知、おまかせして、いのちの行き先が定まっていることの有り難さを思います。

　いつ、どんな死に方をしても安心です。(苦しくてジタバタすると思いますが・・・安心はあります。「仏」に成るのであって、さまよう「霊」には絶対なりません。)

　死を「縁起でもない！」と遠ざけ、考えないようにするのでなく、死を明るく覚悟するからこそ、生が輝くように思います。

新年に

　

　写真は、ご門徒さんには年末年始お参りの方々に差し上げている今年の真宗教団連合(真宗１０派)法語カレンダー。

　その表紙・故　青木新門氏の言葉です。

　光明は阿弥陀如来の智慧の光、名号(みょうごう)とは、「南無阿弥陀仏」・阿弥陀如来の名のり・私たちに智慧と慈悲を届けてくださっている仏さまのはたらき。

　阿弥陀さまの本願・美しく味わい深いお言葉です。

　カレンダーの下に真宗１０派の本山が記載されていますが、昨年はその内７派(京都、福井)の本山にお参りのご縁に恵まれました。仕合わせでした。

　元日は能登の大地震。被災地の悲痛を思います。

　本当にいつ、どこで、何が起こるかわかりません。

　日常が当たり前でないことをあらためて痛感し、まして、法座(聞法)のご縁に遇えることの、文字通り有ることが難しい(有り難い)ことを思います。

　

　

　

明けましておめでとうございます

　2024年今年もよろしくお願い申し上げます。

　今年も元旦会に、ご門徒さんご家族お揃いでお参りくださり、大変有り難く、嬉しいことでした。我が家も皆元気に、ご門徒さんとご一緒に「正信偈」のお勤めをすることができました。

　暮になって発症した右肘の激痛が噓のように楽になり、元旦会はいつもどおり着物を着ることができました。

　私の場合、今のところ緊張感、気合いで老化進行形の身体をなだめているのかもしれません。(そのうち確実に、気合いだけでは、どうにも対処できなくなると思いますが)

　今年も、たくさんの方々にご迷惑おかけしつつ、許されて、生かされて、生きてゆこうと思っております。

　今年もお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。