お寺のオバサンのひとりごと

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浄土真宗で冥福は祈らない

2024年01月14日 | 仏教
 

 今朝の佐賀新聞に
佐賀選挙区の衆議院議員であられ、昨年ご往生された故 保利耕輔氏 の追悼が大きく掲載されていました。
 各団体名と共に
「ご功績を称え ご冥福を心からお祈り申し上げます」
「保利耕輔さんを偲びご冥福を心からお祈り申し上げます」
の大きな文字。
 
 まあ、失礼な!
 保利さんは真宗門徒であられました。
 真宗門徒は、死後の冥土(死後の暗い世界)に迷う暇なく、阿弥陀仏のはたらきで
臨終と同時に往生即成仏(仏の覚りの世界・浄土にって生まれ、「さま」にっておられる と教えていただいています。
 仏さまに成っておられる(光輝く智慧と慈悲の覚者)に対して「冥福を祈る」は失礼ですよね。

 世間では
「ご冥福を祈ります」が亡くなった方への常套句になっていますが、上記のように、少なくとも真宗では、絶対使いません。
 仏教他宗では使われるのでしょうか?
 いや、真宗以外の故人に対しても失礼にならないのでしょうか? 
 私たちの生きている世界が明るくて、死後の世界は冥土・暗い世界なのでしょうか? 皆、「きょうとも知らず明日とも知らず」今生のいのち終えるのに、死は他人事なんでしょうか? 自分も死んだら、暗い冥土に行くと思っているのでしょうか? 
 そもそも、生きている私たちが死者を祈ってあげる? いや、逆でしょう。亡くなった方々に願われて、心配かけているのが私たちじゃないですか。
 
 報道機関なら、なおさら、何の宗教でも、或いは無宗教でも問わない
「謹んで哀悼の意を表します」
にしていただきたかった。
 
 「ご冥福を祈る」は
保利耕輔氏に対して、失礼極まりない表現だった
と、私、真宗のお寺のバアサンは残念に思うのでした。
コメント
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