さて、2日目。朝の内は雨とのことでゆっくりすごす。ホテルでは無料の朝食サービスがあり、おにぎり+味噌汁+漬物。味噌汁が体にしみる。無料の新聞を読んだりして、ゆっくり10時に出発。予報どおり雨は上がった。最初にもういちど函館美術館へ。もう一度展示を見てから図録を購入。
11時半、昨日見てどうしても心引かれるデパート「BM」のレストランへ。中華セットの塩ラーメンを選択。
あっさりした塩味のスープと、チャーハン(小)が良く合い、おまけのシュウマイも嬉しい満足の一品であった。今も家族連れが多いようだが、函館市民にとってはここに来るのはビッグイベントだったのであろう。デパート大食堂の灯を消さないで欲しいものである。(道内では私の満足できる大食堂はここだけ?)
昨日は無理をしすぎたので、心落ち着く場所,図書館へ。途中の函館公園にはやはり台風の爪跡が残されている。図書館はクラシックで落ち着くが、閲覧室が狭く市民は早く立て替えて欲しいと思っているに違いない。ゆっくり2冊読破。
電車で「高龍寺」へ。函館最古の寺らしい。高龍寺の山門および、本堂の木彫は素晴らしい。本堂内に入れるのかお坊さんに聞いてみたところ、「ご自由にどうぞ」とのことで内部見学。新しいせいか金ぴかの本尊はともかく、五百羅漢堂やその天井画等結構面白かった。
続いて、称名寺、実行寺、東本願寺船見支院と回る。称名寺内には宝物殿があり、対して期待せずに入った所、何と桃山時代の四天王がいらっしゃったのである。「後補がなければ重文クラス」とはどこまで本当か分からないが、サイズの割に重厚な姿と全員の憤怒の表情は見ごたえがあった。(後補の邪鬼はマンガのようにプリティ。こいつのせいでぶち壊しとも言える)
いずれの寺も法事が行われたりして、奈良の観光寺院とは一味違う感じもしたが、ある寺でお坊さんがPCでソリティアをしていたのは、台無しである。まあ、檀家管理にIT化も必要な今日この頃であろうか。後、寺自体がコンクリート造りのものが多い。「日本初の総コンクリート作り=東本願寺函館別院」というキャッチコピーはどうかと思うが、函館の大火の歴史を思わせるとも言えよう。
夕方、時間が余り、Kホテルの「R」というバーへ。客の殆どいない中、夕日が傾くのを見つめつつ(←ひたり過ぎ?)、ジンフィズ、スロージンフィズ。バーの窓から港を見下ろすと、釣り人が大勢いる。自分では釣りをしないが、釣り番組は結構好きな私は港に行ってみることにした。
ヤンチャそうな人もいるので、なるべく純朴そうなオジサンをさがし、「何が釣れるんですか」と声をかけてみた。オジサン曰く「イカだよ、今はシーズン初めだからあれだけど、いいときは30~50杯は釣れる」ということらしい。確かに針先に明りがついており、イカ用の仕掛けなのだろうか。釣果を見せてくれなかったので、現時点ではボウズだったのかも知れない。
駅前に戻り、昨日見かけて気になっていた屋台のおでん屋さんへ。北海道内の屋台は非常に珍しい(屋台村を除く)。店を構えて38年、「最近、からだが故障して来たんだわ」と言うが、トークは辛口のおばちゃんが迎えてくれた。
まず、大根とツブ(函館らしい)を頼むと、煮たものの上に生姜醤油のタレをさっとかけてくれた。青森のおでんには生姜味噌をかけると聞いたことがあるが、似た文化なのであろうか(函館出身の方、ぜひご教授頂きたい)。ビールはスーパードライの缶ビール、酒はワンカップというのも潔い。通る人通る人、興味ありそうに見ていくのも痛快である。
先客1名はパイロット氏で、たまーに函館に来るとこの店に寄るらしい。「前回は2回連続で店閉まってて、店の中透かして見たらカレンダーが先月のままだったから、病気でもしたかと心配したよ。向かいの店に『屋台どうなったの』って聞きに行っちゃった」という熱狂的ファンのパイロット氏は、奥さんに「生ラムを土産に買うんだよ」と言いつつ、帰っていった。
追加してがんもどき、団子。いずれも生姜醤油かけである。客が私一人になってしまったが、「日によっては入れないんだよ」と函館訛りでおばちゃん。(確かに後で見たら、満席だった)「もう、いつやめるか分かんない」というので、客もいないことだし,お願いして写真を撮らせてもらった。また、函館に来たら、行ってみることにしよう。
(この店、函館駅前の火事に巻き込まれ閉店したとも聞いている)
話は変わるが、年配の方の函館訛りは聞いていて心地良いが、時に「北海道の言葉はぶっきらぼう」と言われるのも分かるような鋭さにもなる。函館は東北との接点でもあり,電車の中で恐ろしい訛り(多分青森?)の家族が居た。可愛い娘さんも驚くべき訛りっぷりであったが、あれは家族通しの会話だからであろうか?
さて、今日はバス発車時刻(23時55分)まで、何とか持たせるしかない。BAR 「J」という店に入ってみた。
栗田寛一似のマスターと、篠原涼子似のお姉さん二人(イメージなので、深く追求しないように)でやっている店は、かなりお洒落な感じである。先客は、遊んでそうなオバチャン2名、女性の方が酒の強いカップルで、距離を置いてマスターの前に座った。
マスターは柔らかな(聞き方によっては自信なさそうな)喋りで注文を聞き、カクテルの説明をしてくれる。私は、クラガンモア12ソーダ割り、パラダイス、スーズ+ウォッカ+グレープフルーツジュースのカクテルを飲んだ。いずれも丁寧な作りとさっぱりした味で、お勧めしてよいきちんとしたバーである。
最後の最後、「Sの子」へ。本日もマスター登場で、私の目の前で仕事をする。
今日は食べ物の注文が多い。牛タン、生ハム、ベーコンの盛り合わせを隣の客が頼んだのだが、もう少しで「美味しそうですね」と話しかけそうになってしまったほど美味しそうだ(結局、隣客が帰った後注文。ベーコンの香りが恐ろしく良い)。
厚切りパンにハムとチーズを乗せて焼いたピザ風トーストも旨そう。この店の客層は幅広いが、結構若いカップルも多い。値段が安いせいもあるが(千円でも相当飲める)、ここにデートで来るのが大人への背伸びの始まりのような感じがして、微笑ましい限りである。
ホワイトホースソーダ割り、ウイスキートディー、サイドカーを飲んでいると、マスターがピザ風トーストを4分の1ほどくれた。先ほど私が注文したのと間違えて出そうとしたお詫びらしい。ありがたく頂くとやっぱり旨い。作り方を見ても、コショウを3種類ブレンドして使っており、隅々まで心配りされているのが分かる。80才のマスターの仕事振りを堪能し、ヘロヘロになりながら私はバスターミナルに向かった。
明日朝5時に札幌に着くと、この旅も終わりである。
11時半、昨日見てどうしても心引かれるデパート「BM」のレストランへ。中華セットの塩ラーメンを選択。
あっさりした塩味のスープと、チャーハン(小)が良く合い、おまけのシュウマイも嬉しい満足の一品であった。今も家族連れが多いようだが、函館市民にとってはここに来るのはビッグイベントだったのであろう。デパート大食堂の灯を消さないで欲しいものである。(道内では私の満足できる大食堂はここだけ?)
昨日は無理をしすぎたので、心落ち着く場所,図書館へ。途中の函館公園にはやはり台風の爪跡が残されている。図書館はクラシックで落ち着くが、閲覧室が狭く市民は早く立て替えて欲しいと思っているに違いない。ゆっくり2冊読破。
電車で「高龍寺」へ。函館最古の寺らしい。高龍寺の山門および、本堂の木彫は素晴らしい。本堂内に入れるのかお坊さんに聞いてみたところ、「ご自由にどうぞ」とのことで内部見学。新しいせいか金ぴかの本尊はともかく、五百羅漢堂やその天井画等結構面白かった。
続いて、称名寺、実行寺、東本願寺船見支院と回る。称名寺内には宝物殿があり、対して期待せずに入った所、何と桃山時代の四天王がいらっしゃったのである。「後補がなければ重文クラス」とはどこまで本当か分からないが、サイズの割に重厚な姿と全員の憤怒の表情は見ごたえがあった。(後補の邪鬼はマンガのようにプリティ。こいつのせいでぶち壊しとも言える)
いずれの寺も法事が行われたりして、奈良の観光寺院とは一味違う感じもしたが、ある寺でお坊さんがPCでソリティアをしていたのは、台無しである。まあ、檀家管理にIT化も必要な今日この頃であろうか。後、寺自体がコンクリート造りのものが多い。「日本初の総コンクリート作り=東本願寺函館別院」というキャッチコピーはどうかと思うが、函館の大火の歴史を思わせるとも言えよう。
夕方、時間が余り、Kホテルの「R」というバーへ。客の殆どいない中、夕日が傾くのを見つめつつ(←ひたり過ぎ?)、ジンフィズ、スロージンフィズ。バーの窓から港を見下ろすと、釣り人が大勢いる。自分では釣りをしないが、釣り番組は結構好きな私は港に行ってみることにした。
ヤンチャそうな人もいるので、なるべく純朴そうなオジサンをさがし、「何が釣れるんですか」と声をかけてみた。オジサン曰く「イカだよ、今はシーズン初めだからあれだけど、いいときは30~50杯は釣れる」ということらしい。確かに針先に明りがついており、イカ用の仕掛けなのだろうか。釣果を見せてくれなかったので、現時点ではボウズだったのかも知れない。
駅前に戻り、昨日見かけて気になっていた屋台のおでん屋さんへ。北海道内の屋台は非常に珍しい(屋台村を除く)。店を構えて38年、「最近、からだが故障して来たんだわ」と言うが、トークは辛口のおばちゃんが迎えてくれた。
まず、大根とツブ(函館らしい)を頼むと、煮たものの上に生姜醤油のタレをさっとかけてくれた。青森のおでんには生姜味噌をかけると聞いたことがあるが、似た文化なのであろうか(函館出身の方、ぜひご教授頂きたい)。ビールはスーパードライの缶ビール、酒はワンカップというのも潔い。通る人通る人、興味ありそうに見ていくのも痛快である。
先客1名はパイロット氏で、たまーに函館に来るとこの店に寄るらしい。「前回は2回連続で店閉まってて、店の中透かして見たらカレンダーが先月のままだったから、病気でもしたかと心配したよ。向かいの店に『屋台どうなったの』って聞きに行っちゃった」という熱狂的ファンのパイロット氏は、奥さんに「生ラムを土産に買うんだよ」と言いつつ、帰っていった。
追加してがんもどき、団子。いずれも生姜醤油かけである。客が私一人になってしまったが、「日によっては入れないんだよ」と函館訛りでおばちゃん。(確かに後で見たら、満席だった)「もう、いつやめるか分かんない」というので、客もいないことだし,お願いして写真を撮らせてもらった。また、函館に来たら、行ってみることにしよう。
(この店、函館駅前の火事に巻き込まれ閉店したとも聞いている)
話は変わるが、年配の方の函館訛りは聞いていて心地良いが、時に「北海道の言葉はぶっきらぼう」と言われるのも分かるような鋭さにもなる。函館は東北との接点でもあり,電車の中で恐ろしい訛り(多分青森?)の家族が居た。可愛い娘さんも驚くべき訛りっぷりであったが、あれは家族通しの会話だからであろうか?
さて、今日はバス発車時刻(23時55分)まで、何とか持たせるしかない。BAR 「J」という店に入ってみた。
栗田寛一似のマスターと、篠原涼子似のお姉さん二人(イメージなので、深く追求しないように)でやっている店は、かなりお洒落な感じである。先客は、遊んでそうなオバチャン2名、女性の方が酒の強いカップルで、距離を置いてマスターの前に座った。
マスターは柔らかな(聞き方によっては自信なさそうな)喋りで注文を聞き、カクテルの説明をしてくれる。私は、クラガンモア12ソーダ割り、パラダイス、スーズ+ウォッカ+グレープフルーツジュースのカクテルを飲んだ。いずれも丁寧な作りとさっぱりした味で、お勧めしてよいきちんとしたバーである。
最後の最後、「Sの子」へ。本日もマスター登場で、私の目の前で仕事をする。
今日は食べ物の注文が多い。牛タン、生ハム、ベーコンの盛り合わせを隣の客が頼んだのだが、もう少しで「美味しそうですね」と話しかけそうになってしまったほど美味しそうだ(結局、隣客が帰った後注文。ベーコンの香りが恐ろしく良い)。
厚切りパンにハムとチーズを乗せて焼いたピザ風トーストも旨そう。この店の客層は幅広いが、結構若いカップルも多い。値段が安いせいもあるが(千円でも相当飲める)、ここにデートで来るのが大人への背伸びの始まりのような感じがして、微笑ましい限りである。
ホワイトホースソーダ割り、ウイスキートディー、サイドカーを飲んでいると、マスターがピザ風トーストを4分の1ほどくれた。先ほど私が注文したのと間違えて出そうとしたお詫びらしい。ありがたく頂くとやっぱり旨い。作り方を見ても、コショウを3種類ブレンドして使っており、隅々まで心配りされているのが分かる。80才のマスターの仕事振りを堪能し、ヘロヘロになりながら私はバスターミナルに向かった。
明日朝5時に札幌に着くと、この旅も終わりである。