散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

文化の日を締めるには

2007年11月03日 21時57分42秒 | 飲み歩き・琴似界隈
苫小牧から琴似に戻る。本日は居酒屋「D」へ行こう。以下、カメラの電池が切れたため、写真はなし。

最初にビール(小)、バチマグロ、八角の刺身。バチマグロは非常にしっとり、八角は脂がのってきたところだろう。ほど良い歯ごたえと味わいがある(値段の割りに量も多い)。これにはやはり燗酒を合せよう。すると「これですね」と明鏡止水の「お燗にしよっ」と言う銘柄がでてきた。燗をすすめる酒だけあって、温度が上がっても日本酒っぽいにおいや、味が妙に強くなる感じがしない。ふんわり、まったりの優しい味。

続いて、山ゴボウ味噌マヨ、一口ほっけ、いかつくね、柿とほうれん草の和え物を注文。酒は醴泉のひやおろし純米。これは香りが良いが、変な純米酒のように食べ物の味を邪魔しない。山ゴボウは全くアクがなく、サクサクと後を引く。いかつくねは丸ごとイカの味。柿とほうれん草は全く違和感なく、普通の料理として成立している。

そして一番驚いたのは一口ほっけだ。私は北海道在住者なので、ほっけというのは飽きるほど食べている。しかし、普段食べているのは何なんだろうと思ってしまうな。ほっけの身を一口大に切り、炙っただけのものなのであるが、まず香ばしく、非常に柔らかい。かといって身が柔らかくて水っぽいわけではなく、味わいをたっぷりと含んでいるのだ。これに比べると普段食べているほっけは干しすぎである。

調子に乗って最後にグラタン(ペンネといろいろキノコ)、しいたけ焼き。これに合わせるのは、コンバルモア22年。マスター秘蔵のモルトから、ブラック&ホワイトの原酒に使われていたものの、20年ほど前に操業停止になった蒸留所のものである。

味はこれ見よがしに「22年!」と言うものではないが、香り味わいが中庸的で、食事にあわせて決しておかしくないスコッチである。40ml以上はありそうなのに、決して高くない値段で満喫。久々に来ると、またすぐ来なくてはと思う店「D」である。

20071103ギャラリー巡り(苫小牧編)

2007年11月03日 16時23分02秒 | ART
さて苫小牧に来てまず行く所は「苫小牧市科学センター」である。



おお、なんと入場無料なのであるな。そのせいか家族連れの姿もちらほら。館内に入ると、これはクラシック(古めかしい)展示品が並んでいる。セスナの模型や、アマチュア無線機など。昔、アマ無線をやっていた私は、少々興奮する。それから3・4日の企画展示が「真空管ラジオ展」。これまた限定的なマニア向け展示である。

2階に上ると、自分の姿がゆがんで見える鏡、真空中で金属とスチロールが同時に落ちる実験、星座速見版、動滑車と定滑車についてなど、伝統的な出し物のオンパレード。

一通り見て、センター自慢のミール展示館に向う。途中に宇宙服顔ハメを発見。



さて、このセンターにはロシアの宇宙ステーションミールとクバントの予備機が設置されているのだ。この中で滞在するとなると大変に決まっているが、意外と外観は大きく立派である。



宇宙食のパックや宇宙トイレを見て、1階展示室に戻る。先ほど子どもがいたためできなかったフライトシミュレータにチャレンジ(上級)。あえなく墜落してしまった。



次はメインテーマ、苫小牧市博物館の「パリを愛した画家たち展」。トヨタ所蔵の絵画22点が到来しているのである。



本日は文化の日のため博物館は入場無料で、この展覧会も無料で見ることができる。そのため予想外の大混雑。入口の前の椅子で少々待ち、10人ずつ展示会場に入場する。

以下、感想を書いてみよう。
・藤田嗣治「二人の裸婦」:描線と乳白色の色はまさに藤田作品。柔らかい女性の姿態を描かせると、非常に上手い。しかし微妙にただようオリエンタリズムに違和感を感じるのかなあ。
・キスリング「チューリップ」:独特の塗り方で、人物ではないにもかかわらずキスリングに間違いなし。
・キスリング「スペインの女」:好き嫌いはさておいて、今回の目玉作品じゃないだろうか。
・佐伯祐三「洗濯屋」:佐伯は本当に自分の描きたいように描けたのか疑問があったりするのだが、この石造りの建物は存在感があり、緑の色彩も非常に良い。
・荻須高徳「仕立屋」:荻須は安心して見られる上手さがある。筆遣いで臨場感もある画だ。
・小磯良平「パリ風景」:パリの町並みを描き、手前は水彩を思わせるようにあっさりとした塗り。デッサン上手い自慢だな、これは。
・小磯良平「少女像(読書)」:流石にこれは小磯の独擅場。振り返った少女の姿が実に上手い。

他にもローランサン、シャガール、ユトリロ、ピカソ、モディリアーニなどの有名どころが出品。それぞれいわゆる代表作といわれる作品ではないと思うが、これだけの作品が見られるのは悪くない。最後にアンケートを書いたところ、佐伯祐三「洗濯屋」の絵はがきが貰えた。

クラシック洋食

2007年11月03日 14時06分42秒 | 食べ歩き


苫小牧に到着して、まずは昼食。お盆の直前に来た所、異常な込み方だった「DY」へ。今日はどうやらすいている様だ。ランチメニューからハンバーグとコロッケの盛り合わせを選ぶ。

まずはクラシックなお店だけにポタージュスープ。コーンの甘みよりは牛乳のさっぱりした味わい。



続いて、ドミグラスソースのかかったハンバーグ(目玉焼添え)とコロッケ。ライスとサラダがセットである。ハンバーグはつなぎよりも肉たっぷり、ソースがやはり旨い。コロッケは中身がトロトロ、チーズ入り。



最後にゆっくりとコーヒー。こういう店は良いもんだね。


20071103ギャラリー巡り

2007年11月03日 11時38分02秒 | ART
本日は午前中慌しく、ラルズ→スカイホール→さいとう→道新プラザ→時計台→マリヤ→大同→富士フォトサロンの8箇所。

■ラルズ「絵画バザール」。神田日勝の「風景」を見る。どうしてこういう作品を描きたくなったのか不思議だなあ。この作品が「無名画家」のコーナーに置いておかれたら、千人中999人までが目に留めないと思う。

私が面白かったのは、ギラギラした描写の上野山清貢「そい」、砂澤ビッキの木彫り、19世紀のクラシック画、ウィリアム・ジェナー「日没の港」など。入ってすぐの野本醇の山の画もなかなか。ちょっと小川原脩の山(シュールなやつ)を思わせるような。

■スカイホール「佐藤潤子個展」。「真波-うねり-Ⅱ」「同Ⅳ」は凍った海を海中から眺めたような、海そのものが凍ってしまったような雰囲気のある作品。

■道新プラザ「デザインフェスタ2007」。佐藤正人の「SLOWTIME」、リアルなビリヤード球の描写が良い。会場外のウィンドウには「デザインフェスタ2007」の文字が学生作家によって一文字づつ作品化されている(気がつかなかった人もいるだろう)。中では生沼貴史の「タ」の字が面白い。

■時計台ギャラリー「小野司絵画展」。樹木のような、動物のような不思議な生命体の画。大迫力に圧倒される。

■大同ギャラリー「全道展受賞者展」。黒い鯨が存在感のある佐藤静子「8月の鯨」、生と死を連想させる(ありきたりな言い方だが)石本久美子「人と骨」が目を引いた。

話は変わるが、富士フォトサロンでとても大きな音でヘッドホンから音漏れしていた老人は、よほど注意しようかと思う。「お耳がさぞかし遠いんでしょうね」と嫌味の一つもいってやりたくなるわい。

今日は非常に駆け足だったので、少々申し訳ない気持ちもするが、続きは苫小牧編へ。

20071103最近読んだ本

2007年11月03日 09時20分35秒 | 読書
「ガラスのハンマー」貴志祐介
物理トリックが非常に面白い、最近中々ない作品。2部に入り語り手が変わるところはどうだろう。

「ザ・居酒屋グルメ」
東京羨ましいなあ。札幌ももう少し調査心があると、良い店は発見できると思うのだが、中々そうはいかない。

「百器徒然袋 風」京極夏彦
天下無敵の探偵榎木津により、下僕達が事件に巻き込まれる。語りの面白さでついつい引き込まれるが、事件自体はマヌケなずっこけもの。エンディングでホロリとさせられるが、榎木津には近づかないのが一番だ。

以下、図書館の4冊。
「ぼくらの昭和キラメキタイム」北原照久
京橋の喫茶店の子として生まれた筆者は育ちが違うなあ。

「日の丸君が代50問50答」歴史教育者協議会
良し悪し言う気はないが、左より。

「陛下のご質問」岩見隆夫
特に戦後、政治的発言をするわけには行かないため、質問の形で話をされたということらしい。とにかく魅力のある人であったことは間違いのない模様。

「機長のボイスレコーダー」石崎秀夫
戦争から戦後の商業飛行まで、通常飛行から死の直前までの凄い体験談を淡々と述べてくれる。