本日は500m美術館→市民ギャラリー→札幌市写真ライブラリー→時計台→三越→4プラ→さっしん→スカイホール→さいとう→ARTスペース→北海道画廊→NEW STAR→ATTICの13箇所。
■500m美術館。これは地下鉄大通駅とバスセンター駅の間を結ぶ通路に美術展示をしてあるものだ。市民ギャラリーに向って左側の壁をみて、札幌市写真ライブラリーからの帰りに逆の壁を見る。
個別にいくつか面白い作品あり。中では今村育子「わたしのおうち」かな。思わせぶりなドアを開けるとその中には・・・。ということで、ぜひ自分で必ずドアを開けて欲しいものである。私が見ていたときには、通りすがりの人が「何だあれ」と言う感じで興味津々な顔をしていたが、見たいんなら見に来いよ。
他、佐藤隆之「動物大行進」、仙庭宣之「地下道にある風景」、「まぼろし遊園100人展2」のウリュウユウキ、石川亨信など。
結構真剣に見ている人もいるのだ。
■市民ギャラリー「道展」。
とにかく見ると疲れる道展だが、今日は先が長いので肩に力を入れないで見よう。以下はミニ感想文(というか紹介文というか)。
「帰する日」石川潤:複雑な色彩が縦横に走る。以前に北翔大学のサークル展で見た人だな。
「DESERT」伊藤光悦:砂漠にスクリューを見せて倒れる船。
「石」今泉真治:よくあるパターンとも言えるが、迫力のある石。
「風待月」今橋香奈子:植物をバックに凛とした女性の姿。
「名前のない星」上野秀実:青年と犬を燃えるような赤い色彩で描く。
「砂岩のうかぶ町」折目桃子:岩が連なる空想的風景。
「傲慢の塔」角田優紀:今にも崩れそうな、しかし繁栄する塔。
「不確定性の中心」笠見康大:ただ筆の跡を残したわけではない、リズムのある作品。
「Hole」加藤かよ子:不思議な人物とその背景に深い”穴”。なんとも不思議な味わい。
「川べりの大きな岩」上條雄也:岩が奇怪な化石にも見える。
「第二章」岸本春代:廃木をトーンのきつい色調で描いた。
「双子の石橋・九州」菅間慧一:なんとも落ち着いた九州風景。
「ミストグリーン2007」高橋佳乃子:微妙なグリーンの色調に落ち着く。
「朝陽」高橋潤:アンダーウェア姿の女性達がなぜか横たわる不思議作品。
「ときの中で」武田かほり:いかにもいそうな写実女性。
「トワイライトゲート」田中元記:無料の扉の向こうには・・・。多分帰って来れなくなる。
「季節が変わる瞬間とスピード」中里麻沙子:グリーンが茶色に変わる一瞬を描いたような作品。
「作品2007D」福田高治:ビニールのようなものをかぶった鉄線製の人型。
「super satoration」松尾道行:爽快なまでに雲!!
「酒場にてⅠ」水戸麻記子:ミトラマワールドの登場人物だが、いつもより色調が赤茶色に。
「みえないみえる」山本雄基:真っ白なベースに非常に小さな色彩を塗り重ねた箱のようなものが。
「雨ノ日ニハ」吉川聡子:水面に映る反転世界を描いた作品。
以上、感想にも紹介にもなってないが。今回あまり力を入れずに見たので、最後まで集中力の低下が訪れなかった。というのも2階の奥の方の作品が結構面白かったからで、これを発見できたのはちょっと良かった。
残念なのは、映画「ALWAYS」を思わせるような懐古調の作品。何だか想像力なさ過ぎと言っておきたい。それから舟越桂を思わせる立体。その時点で面白くない。
■三越「安田祐三展」:催事場でやっていたウェッジウッドの展示には全然なじめなかったが、こちらは面白い。単純にきれいな風景がとは言い切れない作品がある(大木をリアルに描いたやつ)。
■ATTIC「藤谷康晴ライブドローイング "無言の警告"」「木村環鉛筆画展 "愛の挨拶"」。15時頃、初めて訪れるATTICというギャラリーへ。
まずは「木村環展」から。描かれている人物の頭部から、煙・髪の毛・わた毛・さらに人がでている。これは人間の想いが実体化してしまったのだなと思って見ていると、展示室右下の作品では想いが暴走して黒いものがはみ出てしまっていた。
というようなことを木村さんに話していると「そういうことってありませんか」と真顔で聞かれるが、私の思考回路はほとんどコントロールが効いていてあまり暴走しないのである。今回は意識的に好感度が高いであろう作品をそろえたらしいが、ぜひ毒の効いた奴もやって欲しいものだ。18禁で。
会場に来ていた栄通さんに「買うとしたらどれですか」と聞かれて、私は浴槽のようなものに人が入って、大きなスプーンが添えられているものを選んだ。何だか非常に暗喩的で色々なことを語っているように思えるからである。
木村さん、ぜひ今度飲みに行ってアニメ・特撮話(あれ、マンガだっけ)をしましょう。
続いて初見の「藤谷康晴ライブドローイング」。全く知らない人が画を描いているのを見続けられるわけがないと思っていたのだが、なんと約4時間、大部分の時間をお付き合いしてしまった。とは言っても、かなりの緊張感で時々休憩を入れないと見ていられない。私はさらに圧迫感を軽減しようと、ついアルコールに逃避してしまったが、それだけの緊張感のあるライブだったと思う。
画を描く道具としては、マーカーとその他に大小ブラシのようなものも使っていたが、それで描いた線がとても気持ちよい。何だか横山大観の生々流転を思い出してしまった。また、マーカーが壁のボードにあたる音を聞いているとリズミカルで、これも「今、描いている感」を増加させている。
約4時間のライブが終了し、会場内は拍手。次回展は「木村vs藤谷」(ゴジラvsガメラみたいなもん?)の直接対決で、藤谷氏も「ライブで箱に描くのは大分感覚がつかめてきましたが、次は木村さんの作品ができるまでどうなるのかわかりません」と言っていた。12月30日開催ということで、年末になると色々大人の事情もありそうだが、何とか行ってみる事にしよう。