いよいよ総選挙の公示まで秒読みになってきたが、福島4区には民主党が候補者を出さないことになった。民主党の長老である渡部恒三前代議士が、匙を投げてしまったから、手の打ちようがなかったのだろう。これによって、自民党と日本維新の会の候補者の、事実上の一騎打ちになるとみられる。恒三前代議士は、実際は自民党を離れたくなかったのに、小沢一郎に引っ張られて、のこのこ付いて行ってしまったのだった。小渕や橋本、さらには森まで総理大臣になったのに、結果的には貧乏くじを引いたのである。それはある意味では、会津にとっても不幸なことであった。保守であるべき人たちが、恒三前代議士の一声で、労働組合とも組まざるを得なかったからだ。今回の立候補予定者は、自民党も日本維新の会も、恒三派と対抗してきた旧伊東正義派の系統である。恒三前代議士が初当選を飾った昭和44年の時のことを、私は今でもありありと覚えている。無所属で出馬したこともあって、保守系にもかかわらず、野党的な口ぶりで、国の政治の不甲斐なさを攻撃していた。しかし、当選後に田中派に属することで、自民党の最大派閥のメンバーとなったのである。そのまま自民党に残っていれば、天下取りのチャンスもあったに違いない。政治改革の騒動に巻き込まれたことで、不本意ながら、サヨクと一緒になってしまったのだ。恒三前代議士は靖国神社への参拝を欠かさなかったはずだ。保守政治家としての志に反して、日本を混乱させたことへの痛恨の思いがあって、今回は民主党に待ったをかけたのだろう。
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