創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

「緑の石と猫」 高橋順子 文學界2006/7

2006-07-20 22:08:47 | 読書
世界一周恐怖航海記 車谷長吉 文學界5月号(2006年)にあったファンタジー小説「片目の黒猫・マへ」を「緑の石と猫」と改題したのだろう。個人的には「片目の黒猫・マへ」の方が好きです。期待に違わない素晴らしい一編。ファンタジー小説というより童話、メルヘン。童話は昇華された残酷さを含んでいる。
青来有一「鳥」に注目した。原爆そのものより、原爆がテーマを引き出す有効な手段になっているように思われる。この頃のはやり。林京子さんの作品と根本的に違う。是非は問わない。「鳥」には注目に値するものがある。「老い」がきっちりと書かれている。
もう一つ、文學界で楽しみにしている連載がある。「無意味なものと不気味なもの」 春日武彦 精神科医のエスプリと博学が効いたエッセイである。