創作日記&作品集

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人間の建設 岡潔 小林秀雄 対談

2010-04-19 14:01:38 | 読書
○ 学問を楽しむ
岡 学問を好むという意味が、いまの小中高等学校の先生にはわからないのですね。好きになるように教えなくてはいけないといっても、どうゆうことかわからないのですね。
小林 つまりやさしいことはつまらぬ、むずかしいことが面白いということがだれにでもあります。
ノーベル賞の先生方の顔を思い浮かべました。みんな学問が面白くて仕方がないというお顔ですね。点を取るために勉強し、点を取るために教える。これを改めるのは今の教育に急務だと思います。
○無明ということ
小林 ピカソという人は、仏教のほうでいう無明を描く達人であるということをお書きになっていましたね。
岡 その自己中心的な広い意味の行為をしようとする本能を無明という。
小林 今の絵かきは自分を主張して、ものをかくことをしないから、それが不愉快なんだなあ。
岡 そうなんですよ。芸術はくたびれをなおすもので、くたびれさすものではないのです。
坂本繁二郎の絵についての話もあります。芸術と芸術家の心について語っていると思います。確かにピカソの絵は長時間眺めていたらくたびれますね。
対談は相手を言いくるめるのではなく淡々と進みます。相手のことを知りたいという気持ちが強いのだと思います。
○ 酒
岡 ものを生かすということを忘れて、自分がつくりだそうというほうだけをやりだしたのですね。
私は昔の酒はからかったように思います。