つれづれなるままに

日々の思いついたことやエッセイを綴る

映画「出口のない海」

2008年03月02日 | 芸能
              映画「出口のない海」

夏の甲子園は盛り上がりました。高校野球の決勝戦の再試合。早稲田実業が優勝で決着した。
その早実の斎藤投手は、三つ折にした青いハンカチで汗を拭う姿が多くの人の心を捉えて「ハンカチ王子」なる称号を付けられてしまった。
その後、ライバルであった駒場苫小牧高の田中投手とは、高校選抜日本チームで一緒になり、米国チームに勝越し仲良く凱旋帰国をしました。

一方、東京国際大学躰道部OBの横山秀夫作の小説「出口のない海」が話題になっています。
太平洋戦争末期、甲子園の優勝投手が大学に進学するが肩に故障を起こし試合には登板ができない。その内、戦争は悪化していき、大学生達はペンを銃に持ち替えて、学徒動員で出陣していく。

主人公(並木浩二)は海軍に入隊。日本は最後の手段として人間魚雷「回天」を開発する。彼も回天の乗員を希望し、太平洋海上を進行してくる米国軍艦に体当たり突撃する使命を背負う。

60数年前の甲子園優勝投手と現代の優勝投手。時代の変遷であろうか。
こうも環境の異なる時代により、活き方が大きく変わっていく学生達。
公開されている映画「出口のない海」を初日の舞台挨拶にあわせて観に行ってきました。
舞台挨拶には、同じ横山秀夫原作の「半落ち」でも映画監督を務めた佐々部清監督。
主演の市川海老蔵をはじめ伊勢谷友介、上野樹里、塩谷瞬、柏原収史、伊崎充則が登場し、報道カメラマンのフラッシュを浴びていた。

市川海老蔵によるスピーチは以下の通り。
「この夏は甲子園が盛り上がりました。この映画に出てくる並木浩二も同じ甲子園のピッチャーですけれど、やはり彼にも未来があったと思う。その時代に生まれてきてしまったがために野球を捨てなくてはならない。家族とも別れないといけない。そして恋人とも離れないといけない・・・今の時代に生きている我々はこの映画を通じて今だからこうやって生きることが出来る、幸せでいられるんだということを僕も映画を観たとき感じました。戦争を知らない人間達がさらに戦争を知らない人間達へ戦争を伝えなくてはならない義務があるという中でこの映画は非常に価値のあるものであったと思いました」 

(2006年9月20日記 池内和彦)
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