ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2014.9.14 旅行3日目、ハプニングの末大和路へ、憧れのクラシックホテルにチェックイン

2014-09-14 21:33:22 | 
 昨夜は皆遊び過ぎで疲れ果て、熟睡出来た模様。浴槽足湯でとりあえずリフレッシュし、寝坊助息子を追いたてながら朝食ビュッフェレストランへと向かう。

 今日も引き続きいいお天気。降水確率0%の予報だ。おかげさまで旅は折り返し地点、3日目も秋の青空に恵まれている。
 あれもこれもと目移りしながら、ゆっくりたっぷり贅沢にエネルギーチャージ。息子が美味しそうに飲んでいる絞りたてのグレープフルーツジュースが羨ましくてたまらない。タイケルブを服用中なので、大好きなグレープフルーツはご法度なのだ。

 部屋に戻って荷物を片付け、ゆるゆるとチェックアウト。JR線・大和路快速に乗車。ここで、いきなりハプニング。とても乗れないだろうと思っていた電車に間に合うかも、ということで、夫と私は階段を急いで降りる。「○○(息子)はいる?」と夫に訊けば、大丈夫と言うので、姿を確認しないまま乗り込んだところ、即ドアが閉まる。と、ホームに豆鉄砲を喰らったような顔の息子が立ち尽くしているではないか。さすがに車掌さんは一旦閉めたドアを開けてくれることはない。次の駅で降りることにしてLINE連絡。それにしても便利な世の中になったものだ。
 次の駅で降りた私たちは、息子が乗ってきた次の快速を待ち、ようやく合流。夫は息子からブーイングの嵐で、エナジードリンクをご馳走したり、の大変なスタートになった。

 30分ほど電車に揺られ、国のまほろば・奈良駅に到着。タクシーで宿泊先ホテルに向かう。ここは前から一度泊まってみたかったクラシックホテルだ。これまで横浜、日光、箱根、丸の内・・・と宿泊してきた。今回のホテルをクリアすれば、あとは軽井沢でコンプリート。軽井沢はなかなか宿泊予約が取れないのだけれど。

 チェックインまでは時間があるので、荷物を預けた後は、タクシーの運転手さんから勧められた新薬師寺を訪れることに。
 その道すがら、登録有形文化財として指定されているという志賀直哉旧居があった。ここは昭和3年、直哉が自ら設計し、数寄屋造りで有名な京都の大工に建築させたものだという。「暗夜行路」を完結させたという2階の書斎で、ちょっとタイムスリップしながら物思いに耽ってしまう。
 1階には、文人であり美術にも造詣の深かった直哉を慕う文人、画家たちが多く集ったサロンも。書斎、茶室、サンルームやダイニング等、目を見張る広さだった。思いもかけず、静謐な時間を過ごすことが出来て大満足。

 そして、坂道を登りながら、十二神将立像で有名な新薬師寺へ向かう。薬師如来を信仰する人を守るという夜叉の大将は12名。本堂では干支それぞれ身の丈180cmほどの大きな像が本尊・薬師如来像の回りを丸く囲んでいる。12体のうち「辰」だけは国宝ではないというので、辰年の父が一緒だったらちょっといじけてしまったかもしれない。3人それぞれ自分の干支の神将の前に蝋燭を灯してお参りする。

 帰り道、ちょっと普通のお宅を改造したようなカフェに入って遅いランチを摂る。(何と失礼なことに)それほど期待していなかったのだが、食事がどれもとても美味しくてラッキー。すっかり元気になって、そのまま世界遺産・春日大社まで歩く。

 境内の南側参道から入った形になり、若宮15番巡りから。まずは隣り合う1番の若宮神社と15番の夫婦大国社へ。ピンクのハートの形をした夫婦円満を願う絵馬を納めてくる。「いつまでも仲良く、お互いを思いやれますように。家族揃って笑顔でいられますように」としたためた。そのほか、なんと我が家の名字と同じ神社もあり、当然ながらお参りする。
 ご本殿のお参りも済ませ、見事な朱塗りの回廊を愛で、帰り道は鹿と戯れつつ、緑の美しい公園までぶらぶらと散策。10年以上前に実家の両親と5人で訪れた時、鹿にお煎餅をやるのが怖くて、鼻先が近づくとお煎餅を放り投げて逃げ回っていた息子だったが、さすがに今回は上手に調整しながら楽しんでいた。鹿も大人しく人慣れしていてせがむのが上手。後ろ足で立って顔を伸ばして、なんとも健気なシャッターチャンスをくれる。

 そして、今日最後の目的地は夫のリクエストで平安城址公園だ。タクシーで移動する。朱雀門は実に立派である。青い空に朱色が良く映える。遠くに見える大極殿までは片道徒歩10分かかるという。そこまで行く間に入り口が閉鎖して遠回りしなくては戻ってこられないと言われ、写真撮影のみにとどめて、最終の“ぐるっとバス”に乗り込み、ホテルまで戻ってきた。

 そして「関西の迎賓館」へチェックイン。今朝チェックアウトしたホテルと打って変わって、1909年創業桃山御殿風檜造りの本館のクラシックなお部屋である。
 荷ほどきをしてふと見れば、夫と息子は同じ格好をしてベッドでお夕寝しているではないか。親子というのは本当にどこが似るのかわからないものだ、と苦笑する。
 今年創業のホテルと比べれば、使い勝手はちょっと劣るけれど、この2日間は高い格天井、マントルピースやクラシカルなドレッサーを備えた、時を超えた優雅な空間で、命の洗濯である。

 態勢を整えてから、徒歩で夕食に出かける。ホテルの辺りは真っ暗。ようやく一番の繁華街に出ると、明るくなりホッとする。が、既にシャッターが閉まったお店も多く、なんとなく焦ってしまう。コンビニは殆んど見当たらない。スーパーで飲み物等を急いで調達。近鉄奈良駅の近くで食事をして、帰路はタクシーで戻ってきた。

 明日は一日定期観光バス乗車の予定。
 たまった疲れで体調が悪くならないように、今日は早めに休みたいと思う。
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